フランダースクラシックの主催する春のクラシックの最終戦プランツ・パイルがスタートだ。
ここまでのフランダースクラシックの優勝者を見てみると
- オンループ・ヘットニュースブラッド(2月27日)ダヴィデ・バッレリーニ優勝
- ヘント〜ウェヴェルヘム(3月28日)ワウト・ファンアールト優勝
- ドワルス・ドール・フラーンデレン(3月31日) ディラン・ファンバーレ優勝
- ロンド・ファン・フラーンデレン(4月4日)カスパー・アスグリーン優勝
- シュヘルデプライス(4月7日) ジャスパー・フィリップセン優勝
- ブラバンツ・パイル(4月14日)
となっており、クラシックハンターばかりが並ぶ形となった。
今回は昨年優勝のジュリアン・アラフィリップも、2019年優勝のマチュー・ファンデルプールも出場していない。
今回、クラシック3強で出場するのは、ワウト・ファンアールトのみ。どこかで抜け出せるだろうか?
ルーヴェン~オーベレルエイセ 201.7km
昨年よりも5km長くなり201.7km。ルーヴェンの街をスタートし、オーベレルエイセに戻ると、21.9kmのローカルラップを3.5周する。
そこにはHagaard(300m・10%)、石畳のHertstraat(730m・3.6%)、Holstheide(970m・5.2%)が待っており、ゴール前にはMoskesstraatの石畳(550m・8.9%)とBrusselsteenweg(1,500m・3.6%)を登る。
厳しい山岳はないけど、合計27の登り坂でライダーはシャッフルされていく。
8人の逃げ
残り78kmでタイム差は3分58秒。まだゴールまで距離があるので追いつかれるのはゴール手前だろう。
- COQUARD Bryan (B&B Hotels p/b KTM)
- ROBEET Ludovic (Bingoal Pauwels Sauces WB)
- MEEUS Jordi (BORA – hansgrohe)
- LEKNESSUND Andreas (Team DSM)
- MERTENS Julian (Sport Vlaanderen – Baloise)
- SKAARSETH Anders (Uno-X Pro Cycling Team)
- VAN MOER Brent (Lotto Soudal)
- MORIN Emmanuel (Cofidis, Solutions Crédits)
後続のメイン集団から二人がアタック。
これは痛い。ラスト65kmでフロリアン・セネシャルがパンクだ。
レミ・カヴァニャのアタックで4人が抜け出す。
- CAVAGNA Rémi (Deceuninck – Quick Step)
- SKUJIŅŠ Toms (Trek-Segafredo)
- Robert Stannard (Team BikeExchange)
- Sven Erik Bystrøm (UAE-Team Emirates)
集団からは、ヴィクトール・カンペナールツ(Team Qhubeka ASSOS)らがアタックをかけるが決まらない。
ラスト60kmで、オスカル・リールペーグ(Alpecin-Fenix)が単独で抜け出す。一人では厳しいだろう。のちほど、3人が合流して第3集団となる。
メイン集団は、残り45kmで先頭まで1分30秒と迫ってきた。まだ大人数だ。
先頭は人数を減らしながら、Holstheide(970m・5.2%)の登りを上がる。
集団からエディ・ダンバー(INEOS Grenadiers)がアタックをかけるが決まらない。イネオスはリチャル・カラパスが参戦してゴールを狙っている。
集団もペースをあげており、ようやくワウト・ファンアールトの姿も見えてきた。
Brusselsteenweg(1,500m・3.6%)でふるい落としのペースアップがおこる。先頭は5人となる。
第2グループは、ラスト42kmで先頭まで26秒と迫っており、もうじき合流しそうだ。
道路の端を走っていてコフィディスのライダーが落車。川に落ちそうになるところで止まった。
集団後方で落車発生。かなりのライダーが座り込んでいる。フロリアン・セネシャルも落車してしまった。
- GENIEZ Alexandre (Team Total Direct Energie)
- SÉNÉCHAL Florian (Deceuninck – Quick Step)
トム・ピドコックのアタックに、マッテオ・トレンティンが反応。更に後方からワウト・ファンアールトが追走をかける。
3人は完全に集団から抜け出す。ゴールまで37kmあるが、この3人ならいけるだろう。
- PIDCOCK Thomas (INEOS Grenadiers)
- TRENTIN Matteo (UAE-Team Emirates)
- VAN AERT Wout (Team Jumbo-Visma)
先頭集団と第2集団は合体。
さらにラスト33kmでワウト・ファンアールト、トム・ピドコック、マッテオ・トレンティンが追いつく。
ブノワ・コヌフロワ(AG2R Citroën Team)がアタックをかける。
この動きを利用してワウト・ファンアールトが先頭でシャッフルをかける。
10人がすこし、まったりとした所でマッテオ・トレンティンがアタックだ。これにはワウト・ファンアールトも反応しない。
後続が回らない中、マッテオ・トレンティンは少しずつタイム差を広げていく。誰かが引かないと逃げ切られてしまう。
第2集団は、タイム差を15秒に抑えたままラスト20kmとなる。どこかでアタックをかけて前を追う展開になりそうだ。
マッテオ・トレンティンはラスト17kmで26秒までタイム差を広げた。後続は全く回っていない。
やはり、ここか。トム・ピドコックのアタックにワウト・ファンアールトがついていく。二人は頂上で少し集団を離すことに成功。
二人が追っているのをマッテオ・トレンティンは確認。
さあ、ラスト13kmで役者が揃った。あとは誰がどこでアタックをかけるかだ。ゴールまで行くとトム・ピドコックに勝ち目はない。
このままゴールまでいくと、マッテオ・トレンティンも独走していただけに不利だ。
後方から二人が追い上げてきている。ここでも3人はアタックをかけない。
後続は4人が抜け出ていたが、また8人に戻る。長い直線では前の3人が見えているのだが上手く追えていない。
ラスト4.8kmでタイム差が26秒まで広がる。これは決まった感じだ。このままいくとスプリントだけど、そうなると~。
さあ、後ろ二人はシューズを締めてスプリントに備える。
ここの登りでアタックをかけないとゴールスプリントだ。
後方からは、ブノワ・コヌフロワ( AG2R Citroën Team)がアタックをかけて追い込んでくるぞ~。
一番後ろからスプリントを開始したワウト・ファンアールトが先行する。これはもう決まりだ~。
しかし、ワウト・ファンアールトはトム・ピドコックを振り切れない。なんと~
トム・ピドコックがスプリントでワウト・ファンアールトを破ってしまった~。
なんということだ。マチュー・ファンデルプールに続いて、ワウト・ファンアールトまでもがスプリントで負けてまうなんて。
トム・ピドコックは当然、ワルードツアーレースで初勝利。ただ、これまでもクールネ〜ブリュッセル〜クールネで3位。ストラーデビアンケで5位と実力は見せていた。
今回は、自らがアタックをかけて集団から抜け出し、駆け引きなしでゴールまで先頭交代。最後はワウト・ファンアールトをスプリントで抜いてしまうのだから、これは凄いことだ。
シクロクロスでも、ワウト・ファンアールトには昨年1度だけ勝っているくらいではないかな。完全に、トム・ピドコックはイネオスのクラシック班エースとなった。
#BPmen 🇬🇧 First British rider to win our race! 💪🏼 Congrats @Tompid on your magnificent power explosion in the last couple of meters! #BP21 pic.twitter.com/CvgTuvuq6v
— De Brabantse Pijl (@DeBrabantsePijl) April 14, 2021
さすがに、ワウト・ファンアールトはスプリントの開始が早過ぎたか。最後には少し失速している。
リザルト
Rnk | Rider | Team | UCI | Pnt | Time |
---|---|---|---|---|---|
1 | PIDCOCK Thomas | INEOS Grenadiers | 200 | 125 | 4:36:27 |
2 | VAN AERT Wout | Team Jumbo-Visma | 150 | 85 | ,, |
3 | TRENTIN Matteo | UAE-Team Emirates | 125 | 60 | 0:02 |
4 | SCHELLING Ide | BORA – hansgrohe | 100 | 50 | 0:07 |
5 | SKUJIŅŠ Toms | Trek – Segafredo | 85 | 45 | ,, |
6 | STANNARD Robert | Team BikeExchange | 70 | 40 | ,, |
7 | TEUNS Dylan | Bahrain – Victorious | 60 | 35 | ,, |
8 | COSNEFROY Benoît | AG2R Citroën Team | 50 | 30 | ,, |
9 | RIESEBEEK Oscar | Alpecin-Fenix | 40 | 26 | ,, |
10 | LEKNESSUND Andreas | Team DSM | 35 | 22 | 0:12 |
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