世界最高の自転車レースであるツール・ド・フランスでマイヨジョーヌを着用するというのは凄く名誉なことだ。
着用できるライダーは限られている。特に予算の少ない小さなチームが獲得できることはレース序盤でもない限り、まずありえないことだ。
エースのリチャル・カラパスを欠き、ステージ優勝だけを狙っていたEF Education-EasyPostがマイヨジョーヌを奪うなんて。
Netflix第4弾があったならば、かなり痛快に描かれたことだろう。
おとぎ話
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タデイ・ポガチャルは、逃げ集団をコントロールすると言っていたけれど、ニルス・ポリッツが引くメイン集団は少しずつタイム差を広げていく。
ほぼ、フリーで最初の山岳ポイントから逃げ集団ができていった。
EF Education-EasyPostは、ベン・ヒーリー、ニールソン・ポーレス、ハーリー・スウィニー、アレックス・ボーダンと4人も逃げに送り込む。
ベン・ヒーリー自身も何度もアタックをかけたが、最後は自身のマイヨジョーヌ獲得のために引き続けた。チームからの指示は残り100kmから全開でいけというものだった。
その作戦が見事に成功。総合11位で3分55秒差だったベン・ヒーリーが29秒のアドバンテージを得てマイヨジョーヌに輝いている。普通あり得ないことだ。
“I kind of gambled a bit, how often do you get an opportunity to put yourself into yellow”
Ben Healy spoke to Matt after taking the yellow jersey 💛🇮🇪#TDF2025 pic.twitter.com/N6lOiF73sf
— ITV Cycling (@itvcycling) July 14, 2025
ベン・ヒーリーのコメント
今、最後の40キロにとても苦しんでいて、今夜ベッドに入ったら、すべてが思い知らされると思う。 このイエロージャージを着て寝ることになるのは間違いない。 家に持ち帰るにはエキサイティングなことだ。
私たちは逃げ集団に入ったんだけど、トム・サウザム(スポーツディレクター)が「ハリー、さあ、グループを盛り上げてくれ」って言ったんだ。その時まで、僕たちは完全に本気で演奏しようとはしていなかったと思うけど、その時、僕たちならできるって思った。
多くの人が興味を持っていたから、普通に大規模なブレーク争いになると思っていた。 舞台のためにプレーすることさえ難しい日になると思っていた。
そういう気持ちでステージに臨んでいた。 でも、UAEは今までにないことをやってのけた。 私たちにとっては素晴らしいことだった。 UAEは、”ブレイクに入りたい人は、どうぞ “と言ってくれたんだ。 おかげて逃げに4人も入れたんだ。本当に信じられないことだった。
うまく機能はしていなかったが、あれだけの人数がいれば、数人が通過するだけでも、本当にタイムを稼げるようになる。
レースの佳境では、僕たちには最強のライダーが3人いた。正直なところ、ハリーとアレックスの今日の活躍は本当に素晴らしかった。彼らがいなければ、このジャージを着ていなかっただろう。
こんなに自分を信じてくれるチーム、そして本当にクールな友達になれるライダーがいるなんて、鳥肌が立つほど嬉しいし、今日、イエロージャージで彼らに恩返しができたことを誇りに思う。
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