ブエルタ第13ステージが始まる前に、Cofidisのブライアン・コカールがステージ終了後にリタイヤするという情報が、チームメイトのダヴィテ・チモライから出されていた。
これは、2022年末に行われるUCIワールドツアーライセンスの関係で、UCIポイントを獲得するのが理由だとも。
しかし、ブライアン・コカールは第13ステージでマッズ・ピーダスンに続いてステージ2位に入る好走を見せる。
まだ、ブエルタにはスプリンターが活躍できるステージが2つ残っている。
ブエルタのリタイヤについて
他のレースでポイントを獲得するためにレースから自主的に離脱することは異例であり、レギュレーションの精神にも反する。
そのため、ブエルタ主催者からこのステップの許可を得なければ、ブエルタの期間中、他のレースに参加することができないのが普通だ。
チームスポンサーのCofidisはブエルタの共同スポンサーでもあるので、これは問題ないかもしれない。
しかし、ブライアン・コカールはステージ終了後、早々に退場するつもりはないことを明言した。
まだわからないだ。我々はまだ決定を下しておらず、まだお互いに話し合っているんだ。
ブエルタのステージ優勝は、小さなレース、例えばフランスのレースよりもポイントが少ない。
エトワール・ド・ベセージュとプロヴァンスで優勝したことは、例えばワールドツアーレースのツール・ド・スイスの第2ステージで2位になるよりも多くのポイントを獲得することができる。
まず、今夜と明日、日曜日にもコロナテストを受けるつもりだ。火曜日にもスプリントステージがあるから、当分はブエルタにとどまるよ。
今日のレースは、最初はとても良いポジションで、チームも素晴らしい仕事をしてくれた。しかし、その後は失速し、右後輪を失ってしまったんだ。マッズ・ピーダスンの後輪が欲しかった。彼が優勝候補であることはわかっていた。
パスカル・アッカーマンはフィニッシュのはるか手前でスプリントを開始した。何が起こったのか、なぜこんなに早く始めたのか、正確にはわからない。
遅れをとりすぎたのがまずかったですね。最後の300mで順位を上げなければならなかったが、マッズ・ピーダスンが一番強かった。
みんなレムコのことを話すけど、もしかしたらマッズ・ピーダスンがブエルタ最強のライダーかもしれない。
ブエルタでも上位入賞でポイントを獲得できるコカールは、ステージ勝者のマッズ・ピーダスンに次ぐ2位となり、考えを変えたのかもしれない。
ただ、2位でも獲得できたUCIポイントは40ポイント。1位のマッズ・ピーダスンでも100ポイントだ。
降格システムがレース選別も左右
例えば、ブエルタ期間中にもレースはある。ブライアン・コカールがブエルタをリタイヤして走るならば以下のレースだ。
- 9月4日 ツール・ド・ドゥー(1.1) 優勝なら125UCIポイント
- 9月11日 GP de Fourmies / La Voix du Nord(1.Pro) 優勝なら125UCIポイント
ブライアン・コカールが2レースで上位に入れば、ブエルタで獲得できるUCIポイントよりも多いだろう。しかし、途中からUCIポイント獲得のためにブエルタをリタイヤするというのは失礼な話だ。
ジロとツールを走るスプリンターが途中からリタイヤするのとは訳が違う。
ただ、この降格システムは様々なチームの思惑を生み出す。例えば、ディラン・トゥーンスはシーズン途中の移籍をしている。
Team Arkéa SamsicはUCIポイントのためにジロをリタイヤ。
2019年には、Total Direct EnergieのGMがUCIポイントのためにレースをしてしまい、ファンが期待する熱い走りが出来なかったと不満を漏らしている。
結局、ゴール前で着順を目指して走ることになり、アタックをかけることなく無難な走りにライダーはなってしまう。これでは、レースの面白み自体がなくなることもあるだろう。
他のスポーツを真似た降格制度だけど、着順やレースの選択ができる点で違う部分も大きい。今一度考えるべきなのかもしれない。
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