前日のクイーンステージでは、ミゲルアンヘル・ロペスがセップ・クスのアタックを上手く利用して最後はソロで逃げ切った。
あれだけの激坂を登り切るパワーは凄いの一言。だが、ツールはまだ終わらない。最後にはダート区間も現れる厳しいコースを最後まで用意している。
全力で、ユンボ・ヴィズマはダディ・ボカチャルを封じ込めるだろう。勝っていないチームは全力で逃げにメンバーを送り込むはずだ。
第18ステージ メリベル〜ラ・ロシュ=シュル=フォロン 166.7㎞
第18ステージはロズラン峠から幕を開ける。2019ツール第20ステージでは悪天候によりキャンセルされた峠だ。
3級・2級・1級山岳をこなした後に、超級山岳が待ち受ける。登坂距離は6kmと短いが、平均勾配は11.2%。最大勾配15%なので、ここでも差がつくことは間違いない。
さらに、グリエール高原の山頂から1,800mは未舗装路が待っている。こんな所でパンクでもしたら大変なタイムロスと精神的ショックも受けてしまいそうだ。
ゴールまでは30kmあまりなので、この超級山岳をトップで通過するとゴールまで一気に逃げ切れるだろう。
スプリントポイント
スタートからトーマス・デヘントが積極的に先頭を引いて31人が逃げだす。
スプリントポイントは、ボブ・ユンゲルスに引かれたサム・ベネットが1位通過。マッテオ・トレンティンにサガンが続く。
これで、サム・ベネット298ポイント。サガン246ポイント。
ロズラン峠
メイン集団は B&B Hotels – Vital Concept p/b KTMが引く。これはピエール・ロランのアタックがあるのか?
先頭集団にはイネオスが4人。
- リチャル・カラパス
- ミカウ・クウィアトコウスキー
- ジョナタン・カストロビエホ
- ディラン・ファンバーレ
サム・ベネットは切れていったが、サガンはまだ残っている。明日に備えてサガンも下がったほうが良いように思うけど。
と、思っていたら切れていった。
ダミアーノ・カルーゾ(Bahrain-McLaren)はメイン集団から抜け出して先頭集団に合流。ペリョ・ビルバオがカルーゾを引いていく。
ダミアーノ・カルーゾは現在総合12位。3分短縮すれば総合10位だけど、どうかな。
ロズラン峠トップはマルク・ヒルシ(Team Sunweb)。リチャル・カラパスは2位追加。今日もイネオスはリチャル・カラパスで勝負するのだろうか?
マルク・ヒルシもステージ優勝に山岳賞狙いだ。
3級山岳
ロズラン峠下りから、カラパスとマルク・ヒルシは二人となる。3級山岳Côte de la route des Villes (登坂距離3k・平均勾配7%)を登る。
2人は後ろを待って合流。
- 3. Richard Carapaz(リチャル・カラパス)
- 5. Michal Kwiatkowski(ミハウ・クフィアトコフスキ)
- 62. Pello Bilbao(ペリョ・ビルバオ)Bahrain McLaren
- 123. Nicolas Edet(二コラ・エデ)Cofidis, Solutions Crédits
- 204. Marc Hirschi(マルク・ヒルシ)CCC Team
3級山岳はマルク・ヒルシにカラパスが2位通過。
2級山岳コル・デ・セジー
先頭集団からは、二コラ・エデが切れてしまう。先頭は4人に。
カラパスはラウンドアバウトを迂回してアタックをかけたけど、マルク・ヒルシには通用しなかった。
ここもマルク・ヒルシが1位通過。
下りで、カラパスがリードすると後ろはお見合い。
マルク・ヒルシはすぐに立ち上がって追走するが、パンチの左側は泥だらけで破れている。タイム差は少しずつ離れていく。これは大きなハンディとなるだろう。
バイクの左ブレーキが曲がっており、走りながら叩いているが治らない。
二コラ・エデは下りで追いついてきた。逆にマルク・ヒルシは45秒差と広がり、もう追いつくことはないだろう。
こうなると、イネオス2人となるが逆にペッリョ・べルビオは引かなくなるのでは。
1級山岳 Col des Aravis (7.1k à 6.8%)
1級山岳Col des Aravis (登坂距離7.1k・平均勾配6.8%)に入る。
やはり、先頭はミハウ・クフィアトコフスキが引く。ニコラ・エデは切れていき、2対1の戦いとなる。
頂上は、カラパスが1位通過。マルク・ヒルシがいないので静かに通過だ。マルク・ヒルシは50秒遅れている。
超級プラトー・デ・グリエール
超級山岳に入って後続と9分近い差に。第2グループとは5分の差。これならばゴールまで逃げ切れそうになってきた。
その場合、スプリントとなった場合には逃げ3日目となるカラパスは不利かもしれない。
メイン集団は、トレックやモビスターが前に出てくる。そろそろ最後の戦いに向かって動き出しそうだ。
ここで、ワウト・プールスに引かれてミケル・ランダが動き出す。
先頭では頂上まで3.2KMでペリョ・ビルバオが遅れ始める。これでイネオスはワンツーフニッシュを飾れそうだ。
ランダは集団から抜け出した。どこまで粘れるか?
先頭はワウト・ファンアールトが引き始める。ランダは10秒ほど先を行っているが逃げきれるか?
リチャル・カラパスとミハウ・クフィアトコフスキは無事に超級山岳をクリアー。
二人は、1800mのダート区間にはいる。
エンリク・マスのアタックで先頭集団が崩れる。これにダディ・ボカチャルが付ければ良かったのだが15%勾配では一気には追いつかない。
ダディ・ボカチャルは頂上手前でアタックをかけるが、プリモシュ・ログリッチは逃さない。
逆にダート区間ではプリモシュ・ログリッチが先頭で走り出す。
ダート区間でパンクしたのは、リッチー・ポート。まずい所でパンクしてしまった。
ボートが使うのは、新しいAeolus RSL 37。チューブラーなのでパンクしたまましばらく走っていた。
ツールの優勝は決まったか?
下りにはいり、プリモシュ・ログリッチはダディ・ボカチャルの肩に手をかけて話かけている。
ようやったなと言った感じか。これで、明日の平坦は動かないだろうから、TTで決着となる。だが、互角のTT能力の二人ではタイム差は変わらないだろう。
スロベニア選手権TTではポガチャルが勝利したが、この時にはバイク交換している。今回は通用しないだろう。
落車したマルク・ヒルシがついにメイン集団に追いつかれる。落車してなかったらステージ優勝も夢ではなかっただけに残念。
先頭二人は、下りで喋りながら走っている。あと7KMで3分差ならば優勝は間違いない。
ステージ優勝は、ミハウ・クフィアトコフスキ。どちらが先にゴールするとか関係なく、二人同時にゴールラインを通過。
第18ステージ リザルト
ステージ
Rnk | Rider | Team | Time |
---|---|---|---|
1 | Kwiatkowski Michał | INEOS Grenadiers | 4:47:33 |
2 | Carapaz Richard | INEOS Grenadiers | ,, |
3 | van Aert Wout | Team Jumbo-Visma | 1:51 |
4 | Roglič Primož | Team Jumbo-Visma | 1:53 |
5 | Pogačar Tadej | UAE-Team Emirates | ,, |
6 | Porte Richie | Trek – Segafredo | 1:54 |
7 | Mas Enric | Movistar Team | ,, |
8 | Landa Mikel | Bahrain – McLaren | ,, |
9 | Caruso Damiano | Bahrain – McLaren | ,, |
10 | Dumoulin Tom | Team Jumbo-Visma | ,, |
総合
Rnk | ▼▲ | Rider | Team | Time |
---|---|---|---|---|
1 | – | Roglič Primož | Team Jumbo-Visma | 79:45:30 |
2 | – | Pogačar Tadej | UAE-Team Emirates | 0:57 |
3 | – | López Miguel Ángel | Astana Pro Team | 1:27 |
4 | – | Porte Richie | Trek – Segafredo | 3:06 |
5 | ▲2 | Landa Mikel | Bahrain – McLaren | 3:28 |
6 | ▲2 | Mas Enric | Movistar Team | 4:19 |
7 | ▼2 | Yates Adam | Mitchelton-Scott | 5:55 |
8 | ▼2 | Urán Rigoberto | EF Pro Cycling | 6:05 |
9 | – | Dumoulin Tom | Team Jumbo-Visma | 7:24 |
10 | – | Valverde Alejandro | Movistar Team | 12:12 |
山岳賞
Rnk | ▼▲ | Rider | Team | Pnt |
---|---|---|---|---|
1 | ▲6 | Carapaz Richard | INEOS Grenadiers | 74 |
2 | ▼1 | Pogačar Tadej | UAE-Team Emirates | 72 |
3 | ▼1 | Roglič Primož | Team Jumbo-Visma | 67 |
4 | ▲4 | Hirschi Marc | Team Sunweb | 62 |
5 | ▼2 | López Miguel Ángel | Astana Pro Team | 51 |
6 | ▼2 | Cosnefroy Benoît | AG2R La Mondiale | 36 |
7 | ▼2 | Rolland Pierre | B&B Hotels – Vital Concept p/b KTM | 36 |
8 | ▼2 | Peters Nans | AG2R La Mondiale | 32 |
9 | – | Porte Richie | Trek – Segafredo | 28 |
10 | – | Kämna Lennard | BORA – hansgrohe | 27 |
ポイント賞
Rnk | ▼▲ | Rider | Team | Pnt |
---|---|---|---|---|
1 | – | Bennett Sam | Deceuninck – Quick Step | 298 |
2 | – | Sagan Peter | BORA – hansgrohe | 246 |
3 | – | Trentin Matteo | CCC Team | 235 |
4 | – | Coquard Bryan | B&B Hotels – Vital Concept p/b KTM | 171 |
5 | – | Ewan Caleb | Lotto Soudal | 158 |
6 | – | Alaphilippe Julian | Deceuninck – Quick Step | 150 |
7 | – | van Aert Wout | Team Jumbo-Visma | 146 |
8 | ▲1 | Pogačar Tadej | UAE-Team Emirates | 123 |
9 | ▼1 | Mørkøv Michael | Deceuninck – Quick Step | 120 |
10 | ▲3 | Roglič Primož | Team Jumbo-Visma | 101 |
ヤングライダー賞
Rnk | ▼▲ | Rider | Team | Time |
---|---|---|---|---|
1 | – | Pogačar Tadej | UAE-Team Emirates | 79:46:27 |
2 | – | Mas Enric | Movistar Team | 3:22 |
3 | – | Madouas Valentin | Groupama – FDJ | 1:35:35 |
4 | – | Martínez Daniel Felipe | EF Pro Cycling | 1:51:32 |
5 | – | Kämna Lennard | BORA – hansgrohe | 2:10:21 |
6 | – | Tejada Harold | Astana Pro Team | 2:29:13 |
7 | ▲1 | Eg Niklas | Trek – Segafredo | 2:42:01 |
8 | ▲1 | Hirschi Marc | Team Sunweb | 2:43:00 |
9 | ▼2 | Powless Neilson | EF Pro Cycling | 2:56:52 |
10 | – | Sivakov Pavel | INEOS Grenadiers | 4:06:17 |
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