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夏の暑さはあなたとツールを走るライダーにどんな影響を与えるのか? その対策は?

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Photo by Aleksandr Eremin on Unsplash
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最近は異常気象でツール・ド・フランスでも40℃近くになる時がありますよね。氷を背中に入れて走ったりしている姿も良くみかけますし。

昨年はサガンも暑いから距離を考えてとか言ってましたね。

 

日本でも年々暑くなってきているので、そのうち将来的には日中は走れなくなるかもしれない。40℃越えたらもう無理~ですね。

この暑さで、ライダーの力はどれくらい落ちるのでしょうか? 対処方法は?

フルームが2015年に実験に参加しているので、そのデータを見てみましょう。

 

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暑さでエネルギーを多く使っていますか?

photo Quick Step instagram

 

あなたの体は、サイクリング中にエネルギーを使って前進するだけではない。実際には、サイクリング中に使用するエネルギーの20~30%しかスピードに変換されていない。

消化不良や体の冷え(または温め)にも注意が必要。暑くなればなるほど、速く乗れるエネルギーが少なくなり、逆に冷えにもエネルギーが使われるようになる。

そのため、極端な暑さでは、同じ心拍数では、より少ないワット数しか出なくなる。

暑さの中でライダーが一定のパワーに固執してしまうと、エネルギーを消費してしまうことになる。限界まで乗っていたら、暑さの中ではいつまでもこれを維持することはできないだろう。

 

正確にはいくらなのか?

photo uci twitter

 

ライダーのレベルにもよるが、ライダーの中には、他のライダーよりも暑さに強いライダーもいる。耐暑トレーニングを積んでいることも考えられる。

温度による出力低下は、大まかには次のように仮定することができる。

40キロのタイムトライアルの場合に、17度で約330ワットで走れる人の場合。

  1. 22度で325ワット
  2. 27度で320ワット
  3. 32度で310ワット

と削減されていく。

つまり、20℃前後が一番出力が出る温度帯といえるだろう。当然温度だけでなく、湿度も関係してくるだろうけど。

 

フルームの2015年実験では

photo Chris Froome twitter

 

2015年、クリス・フルームは大規模な研究に参加。実験では、2つの異なる条件で何ワットを記録することができるかを調べている。

湿度40%の20度で、彼の嫌気性閾値(4mmol)での出力は419W

驚くべきことに、30度の温度と60%の湿度では、彼はより少ないワット数になると予想されたが、10ワットの出力低下で済んでいる。

これはフルームが暑さに対するトレーニングが出来ていることを証明しているとも言える。だが、一般のライダーでは間違いなく下がるはずだ。

 

フルームはロックダウン中も週に30時間ローラーに乗っていた。暑くてたまらないと言っていたが、これも暑さに耐えるトレーニングの一部になっているはずだ。

 

 

とにかく飲むこと

Photo by Boxed Water Is Better on Unsplash

 

しかし、暑さはライダーが提供できるワット数だけに影響するわけではない。しっかりと飲み続ける必要がある。

平均的なツールでは、ライダーは6~7リットルを飲んでいる(ピーク時には12リットル近くになることも!)。

なぜなら、水分不足はパフォーマンスに悲惨な影響を与えるから。サイクリング中に十分に飲まない場合には、血液が濃くなってしまう。

筋肉に十分な酸素を供給するためには、心臓が頑張らなければならない。より少ない水分でエネルギーを供給することは難しい。

身体はブドウ糖(糖)を燃やすために水分を必要とする。もう一つの問題は、体が身体の中にある水分を表面(お肌)に送ってクールダウンさせたいということ。そのため、筋肉に酸素を運ぶための水分が少なくなってしまう影響も出てしまう。

ツールでは水を飲んでいる姿はほとんど見られない。水分(電解質を含まない)が多すぎると、血漿中のナトリウムやカリウムが不足するためだ。

そして、このバランスは、彼らの頑張る筋肉を収縮させるためにも欠かせないものでもある。

 

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暑さに対応する4つの方法

Photo by chuttersnap on Unsplash

 

皆さんもやっていることでしょうけど、再度暑さに対する対処方法をみてみよう。

 

1.冷たい飲み物を飲む

乗る前に(またはできれば乗っている間に)、氷をたくさん入れた飲み物(アイススラッシュ)を飲もう。そうすることで、体の芯温が数度下がり、暑さの中での努力を長く続けることができるようになる。

生暖かいボトルの水とかだと嫌になりますからね。たまには、熱くなっていることもあるし(^^;

 

走る前に涼しい環境でウォーミングアップするのも効果がある。ランス・アームストロングがホテルの中でアップしてTTでヤン・ウルリッヒに大差をつけて勝利したこともある。

アップの最中から、暑い中で発汗して水分を失わなかったことも勝利の要因だろう。

 

2.日焼け止めにも注意

(顔の)クリームや日焼けに注意しよう。クリームの中には、肌をかなり詰まらせてしまうものもあり、汗をかくことがほとんど不可能になってしまう。

汗をかくからこそ、体が冷える効果もある。だからこそ、スポーツに適した専用のクリームや日焼け止めを選ぶべき。日焼け止めなしは良い考えではない。火傷した皮膚は冷やすことができないからだ。

 

 

3.自分に合った服を選ぼう

衣類ブランドの中には、私たちの体を正確な温度に保つための衣類に特化したものもある。夏用のジャージやクールジャージと呼ばれるものもあるので積極的に活用したい。

 

4.耐暑トレーニング

事前に暑さ対策のトレーニングをしておこう。1日1時間の「ヒートトレーニング」を行うと、7日後に体は暑さにはるかにうまく対処できるようになる。

 

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