ケガをして引退となる選手もいるが、リハビリをして復帰を目指す選手も多くいる。
選手は絶望と隣り合わせでケガを受け入れるが、プロは契約がある限り復帰を目指す。その過程はあまりにも過酷だろう。
今シーズン復帰を目指しているライダーがどうなっているか確認してみることに。
リゴベルト・ウラン
EF Pro Cyclingのエース、リゴベルト・ウランは2019ブエルタ・ア・エスパーニャ第6ステージの大規模クラッシュで、肩甲骨と鎖骨骨折。肋骨骨折に肺に穴が開くほどの大けが。
引退を考えたほどのケガから復帰は肺を痛めたことにより、得意の山岳や高強度での走りが心配される。
リゴベルト・ウランはツアー・コロンビアで復帰。第1ステージのチームタイムトライヤルではEF Pro Cyclingは断トツのタイムでステージ優勝を飾った。
6人でスタートしたチームタイムトライヤルで、リゴベルト・ウランは最初に遅れてしまう。遅れたのはスタートして8分30秒から。結果は3分37秒遅れてゴール。
やはり、各ライダーが限界のスピードで走り続けるチームタイムトライヤルは厳しいものがあっただろう。
その後のステージでも厳しい走りが続いている。第4ステージが終わった時点で9分遅れはエースナンバーとしては寂しい結果。だが、リハビリ明けではしょうがない。
今後のレーススケジュールは決まってないが、ツール・ド・フランスだけは予定として入っている。それまでに、どこまで回復出来るのかが課題となる。
サム・オーメン
Team sunwebのサム・オーメンは2019ジロ・デ・イタリアでリタイヤ。そして、長く問題となっていた腸骨動脈瘤のために手術。
サム・オーメンは長いリハビリを経てようやく復帰した。彼が最初に足の異常を感じたのは2018年の10月だったというから、とても長い期間苦しんでいたことになる。
手術を受けてからのサム・オーメンはまず2019年にチームメイトだったローレンス・テンダムからアドバイスを受けていた。彼も2004年に同じ症状で手術しているからだ。
ローレンス・テンダムは手術後にグランドツアーでも活躍。2014年ツール・ド・フランスでは総合9位となっている。
そして、2019世界選手権優勝のアネミエク・ファンフルーテン(Mitchelton-Scott)にもアドバイスを受けている。彼女も2009年と2011年に手術を受け復帰している。
ステフェン・クライスヴァイクにもコンタクトを取ったとサム・オーメンは話している。サム・オーメンは、彼らと問題を共有できたことは復帰にむけて精神的に支えられたという。
そして、同じように完全復帰をすることが目標だ。
サム・オーメンは、ジロ・デ・イタリアでリタイヤしてから8か月と19日後、フランスのツール・ド・ラ・プロヴァンスでついにレースに戻った。
ここまでの2ステージではトップと38秒差で総合12位という成績。これから厳しい登りの2ステージがあり、山岳での走りが問題となる。
どこまで復調してるのか自分でも心配だと言っている。
トム・デュムランが抜けたことでツールではエースとして走らなければならない。チームの期待にこたえられるように無事に復調して貰いたい。
クリス・ハミルトンの復帰レース
クリス・ハミルトン(Sumweb)は6週間前にトレーニングクラッシュでキャン玉を破裂。想像を絶する痛みを経験してしまう。
クリス・ハミルトンはすでにオーストラリアからヨーロッパに戻っておりレースの準備が出来ているようだ。
彼はインスタグラムの中で
私の小さな事故から6週間が経ちました。最初に自転車に戻ると予想されていた時間です。
治癒プロセスをスピードアップするために、私は考えうる最も男らしいことをすることにしました。
自転車から離れて車からエンジンを取り出し、それを元に戻してメンテナンスをした。血まみれの夏だったけれども、家族と一緒にいられる時間が増えてよかった。
クリス・ハミルトンはレースには、あと1週間で復帰出来るというから大丈夫なんでしょう。
Sunwebはヘラルドサンツアーでは24歳のジェイ・ヒンドレーが総合優勝した。若い選手が着々と育っているので楽しみだ。
サム・オーメンもクリス・ハミルトンも完全復帰して、その輪に加わって欲しい。
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