優勝候補が次々にリタイヤしてしまった今回の大会。
エガン・ベルナルに続いて最後は、リーダージャージを着ているプリモシュ・ログリッチまでリタイヤ。
総合優勝者は最終ステージで決まるというレース展開となった。
Stage 5 » Megève › Megève (153.5k)
最後も登りゴールだが、それまでに8か所の山岳ポイントがある厳しいコース。
間違いなく足は削られてしまうので、生き残りが大切だ。
超豪華な逃げメンバーから抜け出したのは二人だけ。
コロンビエール峠で抜け出した、ジュリアン・アラフリップとパヴェル・シヴァコフ。後続グループからのタイム差は2分から1分に縮まっている。
下りでこけなきゃ、いいけどと思っていた矢先にパヴェル・シヴァコフが落車。下りだしサングラスも吹っ飛ぶ。
これは無理かなと思っていたのですが~。彼は立ち上がりアラフリップを追うが、中々チェーンがはまらない。
左側は、かなりの損傷。それでも、シヴァコフは20秒以上あったアラフリップとの差を詰めていく。
集団先頭を引くは、ワウト・ファンアールト。山岳賞ジャージのダビ・デラクルス(UAE)も先頭交代している。
アラフリップは、単独で走ることに。ハンドル内側に手をかけてTTモードだ。
アラフリップは時折、後ろを確認して追いつかせるように少しペースを緩めていた。このため後続とのタイム差が一気に縮まってしまう。
後続からはダディ・ボカチャルがアタック。これにミゲルアンヘル・ロペスが追走。
パヴェル・シヴァコフは追いつくと、すぐさま前に出てペースを上げる。敢闘賞をあげるなら今日は間違いなくシヴァコフだ。
後続からは、セップ・クスのアタックにダニエル・マルティネス(EF Pro Cycling )が追走。
この、セップ・クスのアタックに反応出来なかったティボー・ピノは自分自身に怒りの表情を浮かべていた。
ダニエル・マルティネスを前にいかせたことで、自分が追わなければならなくなったからだ。周りが協力してくれることもないし。
先頭の6人はまとまらない。シヴァコフのアタックでジュリアン・アラフリップが切れる。
セップ・クスが1度目のアタック。かなり引き離したので決まりかと思っていたが。
ポガチャルが追いつく。この時、ミゲルアンヘル・ロペスは大きく遅れる。
何度アタックがかかったことか。少しペースが緩むと誰かがアタックをかける展開。遅れていたミゲルアンヘル・ロペスが追いつきて、更にアタックをかける。
後続集団の争いも凄かった。ロマン・バルデも何回もアタックし揺さぶる。ティボー・ピノも自らアタックをかけて前を追う。
だが、ティボー・ピノは暑さにもまいっていたようだ。ボトルの水をぶっかける姿も見られた。一人でもアシストが残っていれば違っていただろう。
セップ・クスが2度目の鋭いアタックをかけた時には、もう誰も追いつけない。
あれだけプリモシュ・ログリッチをアシストしていたのに体力は底なしか。これほどのパワーがあるとは。
セップ・クスはプリモシュ・ログリッチがリタイヤしたステージで見事に勝利をチームにもたらした。
第4ステージでは、リタイヤしたエマヌエル・ブッフマンのためにレナード・ケムナが優勝するし、ライダーというのは不思議なパワーを発揮するものだ。
総合は、ダニエル・マルティネス(EF Pro Cycling )がピノとの12秒のタイム差を逆転して総合優勝。
なんとも、波乱ばかりの クリテリウム・デュ・ドーフィネだった。これは続くツール・ド・フランスでも同じなのだろう。何が起こるのかわからない。
コメント
元々ツールのロースターに入ってたデプルスはどうしたんですかね?
イネオスへの移籍が決定済みなのでセレクトから外れたのかもしれないですね。その代わりジロのエースだったジョージ・ベネットが入っている。
ジョージ・ベネットをアシストに入れたほうがより強力になると考えたのかも。
ツールのメンバーは昨年末に決まってたので事情が変わったんでしょうね。ただ、ステファン・クライスヴァイクの状態によっては、変わる可能性も~。
https://chan-bike.com/jumbo-visma-team-ineos