2025年シーズン、長年所属したINEOS Grenadiersを離れ、Q36.5 Pro Cycling Teamに移籍したトム・ピドコック。
シクロクロス、マウンテンバイク、そしてロードレースとあらゆる舞台で頂点に立ってきた多才な天才ライダーは、新天地で「首輪を外されたような自由」を手に入れ、自転車競技への新たな情熱を燃やしている。
ピドコックとツール・ド・フランスの関係は、これまで波乱に満ちていた。初出場となった2022年にはクイーンステージだったアルプ・デュエズで劇的なステージ優勝を飾った。
だが、その後の大会では総合順位を狙う重圧に苦しみ、「レースを楽しめない」状態に陥って途中棄権も経験した。
最後は INEOS Grenadiersから退団という形でチームを去っている。プロチームに移籍したことでツール・ド・フランスの出場は当分ないかと思われていたのだけど。
はやくもチャンスが巡ってきた。
これまでとは違う意識でツールに
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トム・ピドコックの冬はチリでの高地トレーニングキャンプという異例の調整を行い、新たなモチベーションとともにツール・ド・フランスへの復帰を目指している。
トム・ピドコックは、2年ぶりとなるツール・ド・フランスの出場に対してどのように考えているのか。彼がツールに対して抱く複雑な思いを語っている。
所属したINEOSを離れ、Q36.5 Pro Cycling Teamへ昨年移籍しました。この環境の変化はあなたにどのような影響を与えましたか?
このチームへの移籍は、僕にとってものすごく大きな出来事だった。身体的な能力自体は今までと変わらないけれど、それを自分の中からどう引き出すかという点で、全く新しいレベルのモチベーションと、周囲の人々への新たな信頼関係が生まれたんだ。
チームのみんなが僕に寄せてくれる信頼も、本当に力強いものだよ。正直なところ、まるで「首輪を外されて自由になった」ような気分なんだ。
自転車競技に対して、新しい興味や活気、エネルギーを再び見つけることができた。僕はもっとシンプルなのが好きなんだ。
周りの人や組織、スポンサーから「こうしてほしい」と影響されるのではなく、自分自身の目標や目的を持ちたい。このチームなら、まさにそれができるんだよ。
今年の夏は、チームを率いてツール・ド・フランスへ復帰することになりますね。
ツールは世界最大のレースだ。子どもの頃の僕にインスピレーションを与えてくれた大会だし、今も何百万人の子どもたちに夢を与えている。
でも、実際にそこでレースをするとなると、決して最も楽しいものとは言えないんだよね。過去の大会でトップ10に留まるためだけに競い合っている時、そのためのモチベーションを見つけるのにすごく苦労した。
3週間ずっとそれと戦わなければならないのは、ただただ精神を消耗するだけだった。
では、今年のツール・ド・フランスにはどのような心境で挑むのでしょうか?
外部からのプレッシャーや期待は常にものすごいし、チーム内部からのプレッシャーもある。でも、今のチームでは状況が違ってくると思うんだ。
僕の最大の目標は、そこへ行って純粋に楽しむこと。楽しむことができれば、自然と成功はついてくると思っている。
これまでは楽しくないこともあったけれど、僕たちの力でその状況を変えていきたいね。もちろん、そのためには大会までに死に物狂いでめちゃくちゃハードなトレーニングを積まなきゃいけないけどね(笑。
トム・ピドコックは、自分がアシストとしてツール・ド・フランスに出場していた時には、退屈とまで言っていた。今度は違う。すべては彼のためのチームなのだ。
2025年シーズンにはキャリアハイの5勝。ジロ総合16位、そしてブエルタ・ア・エスパーニャでは総合3位を勝ち取った。プロチームで表彰台というのは自身の力がないとできない離れ業だ。
トム・ピドコックのレーススケジュール
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02月16日 クラシカ・ハエン
02月18日 ブエルタ・ア・アンダルシア
02月28日 オムロープ・ヘット・ニュースブラッド
03月07日 ストラーデ・ビアンケ
03月18日 ミラノ〜トリノ
03月21日 ミラノ〜サンレモ
03月23日 ボルタ・ア・カタルーニャ
04月17日 ブラバンツ・パイル
04月19日 アムステル・ゴールドレース
04月22日 フレッシュ・ワロンヌ
04月26日 リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ
07月04日 ツール・ド・フランス
シクロクロス元世界王者は、今年も石畳のレースには出ない。グラベルのストラーデ・ビアンケには出場するのでタデイ・ポガチャルとの闘いが楽しみだ。








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