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2024 ツール・ド・フランス  INEOS Grenadiersのメンバー発表 ツール覇者を揃えるチームのエースは?

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Photo credit: tamasmatusik on VisualHunt.com
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 INEOS Grenadiersがツール・ド・フランスのメンバーを発表した。

公式サイトでは、カルロス・ロドリゲスとエガン・ベルナルのダブルエースとされているけれど、今シーズンの実績からみるとカルロス・ロドリゲスが実質のリーダーだ。

4強に対して、 INEOS Grenadiersは総合順位でどこまで上位に食い込めるのか。

 

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 INEOS Grenadiersのメンバー

 

31.カルロス・ロドリゲス
32.エガン・ベルナル
33.ヨナタン・カストロピエホ
34.ローレンス・デプルス
35.ミハウ・クフィアトコフスキ
36.トム・ピドコック
37.ゲラント・トーマス
38.ベン・ターナー

 

昨年のメンバーとの違いは、オマール・フライレに代わって、ローレンス・デプルス。ダニエル・マルティネスが抜けて、ゲラント・トーマスになっている。その他のメンバーは一緒だ。

 

カルロス・ロドリゲス

 

カルロス・ロドリゲスは18歳の時に、大学生ながらINEOS Grenadiersと契約。

 

カルロス・ロドリゲスは、アルベルト・コンタドールのユースチームKometa出身。

当時、スペインでもあまり知られていない選手で、10代で好成績を残し、当時最強のチームだったイネオスが4シーズン(2020年~2023年)の契約を獲得した。

2022年、カルロス・ロドリゲスは大爆発。2022年初戦のボルタ・ア・バレンシアナで総合3位。そして、イツリア・バスクカントリー第5ステージでプロ初勝利をあげる。

 

2022スペイン選手権ロードでも最後は独走で王者を勝ち取っている。

 

そして、初出場のツール・ド・フランスでも第14ステージで、アタックをかけて逃げ切ってグランツールでもステージ勝利を上げている。

ただ、このツールでは落車で血だらけになるなど、後半は厳しい走りとなった。

 

2023年シーズンは、イツリア・バスクカントリー第6ステージで、UAE Team Emiratesのフアン・アユソーと逃げて今シーズンの初勝利。そして、総合でも2位に入った。スペインの若き次代を担う二人だ。

 

続く、ツール・ド・ロマンディでは総合優勝を獲得。直前のクリテリウム・デュ・ドーフィネ最終ステージでは、マッテオ・ヨルゲルソンをおさえて、今シーズンの2勝目をあげた。

 

カルロス・ロドリゲスは、2023ツールでは総合5位。今年のツールには、タデイ・ポガチャル、ヨナス・ヴィンゲゴー、レムコ・エヴェネプール、プリモッシュ・ログリッチと4強が揃う。

果たして、カルロス・ロドリゲスは4強の中に割って入れるのか。

 

カルロス・ロドリゲスのコメント

フィレンツェでは最高の状態でスタートできると確信している。昨年末のトレーニングブロックは良かったし、1月の高地キャンプも素晴らしかった。

今年のスタートは思ったより遅かったけど、その分、脚の調子はいいし、体の反応もいい。このことは、計画がうまくいったこと、正しい方法と順序で物事を進めたことを示していると思う。

チームは今年、僕のパフォーマンスのあらゆる面をチェックし、細部に至るまで改善するための手助けをしてくれた。今は準備万端だし、ツールが始まるのをとても楽しみにしている。昨年のツール・ド・フランスでは、チームや家族と特別な時間を共有し、いい思い出ができた。

チームメイトやスタッフの助けが、特にレースのレベルが高くなるときに、すべてを変えるだろう。私の周りにこのような強力なライダーがいることは、チームとして可能な限り最高の結果を得る助けとなるだろう。

 

エガン・ベルナル

 

昨年のツールは総合36位。2年前のケガから少しずつ昔のエガン・ベルナルに戻りつつある。今シーズン勝利こそないけれど、成績は上向き。

  • コロンビア選手権ロード 3位
  • ツアー・コロンビア 総合5位
  • グラン・カミノ 総合3位
  • パリ~ニース 総合7位
  • ボルタ・ア・カタルーニャ 総合2位
  • ツール・ド・ロマンディ 総合10位
  • ツール・ド・スイス 総合4位

グラン・カミノではヨナス・ヴィンゲゴーのアタックに途中までついていたし、山岳では上位に必ず顔を出す。

 

爆発的なエガン・ベルナルの走りは、まだ見れないが間違いなくベストに近づいているのは間違いない。セカンドエースとして、総合何位まで順位を上げてくるだろうか。

 

エガン・ベルナルのコメント

また選ばれてとてもうれしい。世界最大のレースに参加できることはとても名誉なことだし、毎年と同じように最高の結果を目指して戦うよ。

僕の野望は、本当に競争力のある選手になること、そしてレースで本当の意味で違いを生み出せる選手になることだ。チームとして勝ちたいし、何人かのライダーは本当によくやってくれる。

特に2週目、3週目にはさまざまなオプションを持つことが重要になる。GCで上位にいる選手が何人もいる状態でそのポイントに到達できれば、ちょっとした戦略ゲームになるし、いろいろなカードを持つことが重要になる。

 

トム・ピドコック

 
 
 
 
 
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なんと、トム・ピドコックは、ツール・ド・フランスの1週間前にMTBワールドカップ・クラン・モンタナに出場。優勝している。愛犬2引きもアルカンシェルを着ている。

2022 シクロクロス世界王者、東京オリンピックMTB王者は、今年のアムステルゴールドレースを制した。

 

この勝利は2023ストラーデビアンケ以来の勝利。キャリア5勝だけど、2022ツール・ド・フランスではクイーンステージを制するなど、ビックな勝利が大きい。

クリテリウム・デュ・ドーフィネでは、自身最高の結果という個人タイムトライヤルでステージ5位。総合でも6位に食い込んだ。チャンスがあればステージ優勝を狙った走りが期待される。

 

トム・ピドコックのコメント

今年のツールに向けた準備はとても順調で、ツールに向けてとても良い状態にあると感じている。個人的にもチームにとっても、とてもエキサイティングなレースを続けるチャンスを与えてくれるチームを選んだ。

ツールのステージで優勝したこともあるし、もう一度やってみたい。今年は序盤の数ステージがチャンスだけど、もちろんイエロージャージを狙う選手はたくさんいる。

高地でのブロックの後、ツール・ド・スイスでレースに復帰してからは、毎日上達していたし、TTバイクで最高の1日を過ごすことができた。3度目のツールが待ちきれないよ。

 

ゲラント・トーマス

 

ダブルツールに挑む38歳のゲラント・トーマス。2024 ジロ・デ・イタリア総合3位、2018 ツール・ド・フランス覇者は、このツールでは完全アシストだ。

躊躇なく、チームメイトのために働けるところが凄い。Gは、ジロ以来ビールを飲んでいないと。飲むのはツールが終わってからだ。

 

ゲラント・トーマスのコメント

ジロとツールのダブルは初めてだから、ジロの後、どんな気分でトレーニングに戻れるかわからなかった。でも、しっかりとしたブロックができたし、脚の調子もかなりいい。このまま走り続けるのは本当に大変だと思ったけど、実際、楽しかったし、いい仕事ができた。

もちろん、このようなシーズンを経験したことがないので、身体がどう反応するかは未知数だが、精神的にはかなりフレッシュだし、ツアーが始まるのを楽しみにしている。

超競争的でハードなレースになるだろうけど、経験豊富で超強力なチームだし、カルロスは今シーズン明らかに調子を上げてきている。個人的には、プレッシャーが少し軽減され、より自由にレースができることを楽しみにしている。

 

ローレンス・デプルス

 

ローレンス・デプルスは、Quick-Step Floorsで3年走り、2019年にJumbo-Vismに移籍。

2019ジロ・デ・イタリアでは、プリモシュ・ログリッチをサポートするために投入されたが、開幕後に体調を崩してしまう。回復する時間がなく、第7ステージで断念せざるを得なかった。

 

しかし、2 ヶ月後の2019ツール ・ ド ・ フランスで驚きの走りを見せる。
ステフェン・クライスヴァイクのアシストとしてエガン・べルナルとTeam INEOSにプレッシャーをかけ続けたのだ。

ちなみに、ジュリアン・アラフィリップが表彰台を降りたステージは、ローレンス・デプルスの強烈な引きによるものだった。

8月には2019 BinckBankツアーで総合優勝し躍進を確認。だが、ローレンス・デプルスは2020シーズン、病気のためにUAEツアーをリタイヤ。9月22日のベルギー選手権ロードもリタイヤしている。

結局、2020年は5レースしか走れていない。股関節の問題があったからだ。それでも2021年からINEOS Grenadiersに移籍。

だが、結局4月からレースを走れない状況に。その後、原因究明には時間がかかったが、最終的には「ウイルス性疲労」が原因だと判明した。

 

ウイルス性疲労とは

慢性疲労免疫不全症候群(CFIDS)とも呼ばれる機能障害で、睡眠によって回復せず、肉体的ないし精神的活動によって蓄積することがある、著しい疲労が特徴です。 CFS患者は、病気にかかる前よりもかなり低い生産性での職務遂行しかできない場合が多くあります。この症状のほかに、虚弱、筋肉痛、記憶ないし精神状態の障害、不眠、24時間以上続く回帰的疲労を始めとする症状が見られることがあります。

引用 ウィルス感染後疲労症候群(慢性疲労症候群)

 

2022年には、シーズン序盤からアシストに復帰。57レースを走る。

そして、2023年驚異的な走りを取り戻した。2023ジロ・デ・イタリアではゲラント・トーマスをアシストしつつ、自らも総合10位でフニッシュするという離れ技をみせる。

だが、2023ブエルタ・ア・エスパーニャでは、第1ステージのチームタイムトライヤルで落車。リタイヤ第1号となってしまった。股関節を骨折してしまった。

 

2024年シーズン、ローレンス・デプルスは尻上がりに調子を上げる。

  • パリ~ニース 総合13位
  • ボルタ・ア・カタルーニャ 総合16位
  • クリテリウム・デュ・ドーフィネ 総合5位

これらの成績は、パリ~ニース、ボルタ・ア・カタルーニャではエガン・ベルナル、クリテリウム・デュ・ドーフィネではカルロス・ロドリゲスをアシストしての成績だ。

クリテリウム・デュ・ドーフィネの最終ステージでは、4位。プリモッシュ・ログリッチよりも早く上がっている。他チームならば、エースで走れる力が十分にある。

ローレンス・デプルスは、初めてのツール・ド・フランス出場。アシストでの渋い走りを期待したい。

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