2024 アムステルゴールドレース　　マチュー・ファンデルプールは歴史を作ったのか?

アムステルゴールドレースは、1966年から始まり今年で58回目を迎える。Amstel Gold Race(1.UWT)

フレッシュ・ワロンヌ、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュとあわせてアルデンヌクラシックと呼ばれる。

アムステルゴールドというのはメインスポンサーのアムステルビールのブランド名。サポートカーにはしっかりと、アムステルビールの名前が入っている。

公式サイトではオンランインで酒を売ってあるので生年月日の入力が必要。

 

過去の優勝者

• 2023  タデイ・ポガチャル
• 2022   ミハウ・クフィアトコフスキ
• 2021　ワウト・ファンアールト
• 2019　マチュー・ファンデルプール
• 2018　ミケル・ヴァルグレン
• 2017　フィリップ・ジルベール
• 2016　エンリコ・ガスパロット
• 2015　ミハウ・クフィアトコフスキ
• 2014　フィリップ・ジルベール
• 2013　ロマン・クロイツィガー
• 2012　 エンリコ・ガスパロット
• 2011　フィリップ・ジルベール

 

マーストリヒト～ベルグ・エン・テルブレイト　253.6km

 

スタート地点は、マーストリヒト市場から。コースマップにあるように、黒いパート、赤いパート、黄色いパートの周回を回る。

2013年以降、アムステルゴールドレースはフォルケンブルグ カウベルグの頂点でフィニッシュすることはなくなっている。

ゴールはアムステルダム公園となる。

 

 

レースの特徴は、33か所の登り。短いけれど、これを生き残ったライダーによる決勝戦となる。さて、誰が最後まで残るのか。

 

1. Maasberg (0.3km・5.1%) 　
2. Adsteeg (0.7km・4.7%)　
   
3. Bergseweg (0.8km・3.3%)　
   
4. Korenweg (0.9km・5.7%)　
5. Nijswillerweg (0.8km・3.4%km)　
6. Rijksweg N278 (1km・4.4%)　
7. Wolfsberg (0.3 km・7.7%)　
8. Loorberg (1.2 km・5.7%) 
   
9. Schweibergerweg (2.3 km ・4.6%)　
   
10. Camerig (3.7 km・4.2%)　
    
11. Drielandenpunt (3 km・3.8%) 　
    
12. Gemmenich (0.9 km・6%) 　
    
13. Vijlenerbos (1.4 km・5.5%)　
    
14. Erperheide (2.4 km・4.7%) 　
    
15. Gulperberg (0.5 km・9.8%) 　
    
16. Plettenberg (1 km・3.5%)　
    
17. Eyserweg (2 km・4,.%)　
    
18. St. Remigiusstraat (1.4 km・5.2%)　
    
19. Vrakelberg (0.5 km・7.6%) 　
    
20. Sibbergrubbe (1.8 km・4%)
21. Cauberg (0.8 km・6.6%) 　
22. Geulhemmerberg (0.7 km ・6.6%) 　
    
23. Bemelerberg (1 km・ 4.4%)　
24. Loorberg (1.4 km・ 5.3%)　
25. Gulperbergweg (0,9 km・5.5%)　
26. Kruisberg (0,7 km・7.3%)　
    
27. Eyserbosweg (1.1 km・7.6%)　
28. Fromberg (1.7 km・3.8%) 　
29. Keutenberg (1.6 km・5.2%)　
30. Cauberg (0.8 km・6.6%) 　
    
31. Geulhemmerberg (0.7 km・6.6%) 　
32. Bemelerberg (1 km・4.4%) 　
    

 

注目のライダーは

• UAE Team Emirates　フアン・アユソー、ヤン・クリステン、フィン・フィッシャーブラック、ジョアン・アルメイダ、マルク・ヒルシ、ブランドン・マクナリティ
• EF Education – EasyPost　ベン・ヒーリー、リチャル・カラパス、マライン・ファンデンベルフ
• INEOS Grenadiers　トム・ピドコック、ミハウ・クフィアトコフスキ、ベン・ターナー、コナー・スウィフト
• Alpecin – Deceuninck　マチュー・ファンデルプール、ジャンニ・フェルメルシュ、セーアン・クラーウアナスン、ベン・ヘルマンス、アクセル・ローランス
• Team Visma | Lease a Bike　マッテオ・ヨルゲルソン、ティシュ・ベノート
• Soudal Quick-Step　 ルイス・フェルファーク、マウリ・ファンセヴェナント
• Team dsm-firmenich PostNL　ワレン・バルギル、オスカー・オンリー
• BORA – hansgrohe　マキシミリアン・シャフマン、ボブ・ユンゲルス、マッテオ・ソブレロ
• Astana Qazaqstan Team　サムエーレ・バティステッラ、シモーネ・ヴィラスコ
• Team Jayco AlUla　マイケル・マシューズ、マウロ・シュミット
• Intermarché – Wanty　ロレンツォ・ロタ、ゲオルク・ツィンマーマン
• Lidl – Trek　アンドレア・バジオーリ、バウケ・モレマ、マティアス・スケルモースイェンセン
• Decathlon AG2R La Mondiale Team　ブノワ・コヌフロワ、オリバー・ナーセン
• Arkéa – B&B Hotels　ケヴィン・ヴォークリン
• Groupama – FDJ　シュテファン・キュング、ヴァランタン・マデュアス
• Bahrain – Victorious　　ペッリョ・ビルバオ、新城幸也、フレッド・ライト
• Cofidis　ヨン・イサギレ、ゴルカ・イサギレ、ベン・ヘルマンス
• Movistar Team　アレクサンデル・アランブル、ダヴィデ・フォルモロ
• Uno-X Mobility　トビアスハラン・ヨハンネンセン、アンドレアス・レックネスン
• Israel – Premier Tech　サイモン・クラーク、ヤコブ・フルサン、ディラン・トゥーンス、ステューブン・ウィリアムズ
• Lotto Dstny　マキシム・ファンジルス、アンドレアス・クローン
• Tudor Pro Cycling Team
• Q36.5 Pro Cycling Team　ジャンルーカ・ブランビッラ、ダビ・デラクラス

 

女子レースで警察官が交通事故となり一時レースは中断。男子レースは3番目の登りベルグセウェグ(Bergseweg )を回避している。

 

ちなみに女子レースは、奥でバンザイゴールしているロレーナ・ウィーベスがマリアンヌ・フォスに刺されてしまった。右側ばかり気にして左からきたマリアンヌ・フォスに気づいていなかった。

最後まで気を抜かないようにしないと。

 

スタート前

マチュー・ファンデルプールのコメント

多くのレースには出場していないが、出場したレースは印象深い。これを目標にしている新人選手がたくさんいる。通常、以前のレースの方が私にはもう少し合っているが、曲がりくねったレースが多く、まさにジェットコースターのようなレースだった。それで分かるだろう。

 

EF Education-EasyPostのベン・ヒーリーのコメント

最初から方向性を決めるのは私たち次第ではないと思う。私、リチャル・カラパス、マライン・ファンデンベルのグループが間引かれることを願っている。

彼がいれば、マライン・ファンデンベルフは座ってスプリントを待つ役割を担うことができ、リッチルと私は積極的にレースをすることができる。

 

ニュートラルスタート。

 

オフィシャルスタート。

 

世界王者マチュー・ファンデルプールがパンク。

 

マチュー・ファンデルプールは無事に復帰。

 

大きな落車が。

 

UAE Team Emiratesのフアン・アユソーも巻き込まれたが無事に復帰。

 

落車したライダーはメディカルカーで治療。

 

4人の逃げ

残り219kmから4人が逃げに成功。

1.  トッシュ・ファンデルサンド (Team Visma | Lease a Bike)
2. ライニェ・エンツォ (Team dsm-firmenich PostNL)
3.  アレクサンダー・ハジェク(BORA – hansgrohe)
4.  ゼブ・カイフィン (TDT – Unibet Cycling Team)

 

残り85.2kmで1分28秒差に。

 

 INEOS Grenadiersの先頭はオマール・フライレ。マチュー・ファンデルプールは、2番手につけている。

 

Cauberg (0.8 km・6.6%) 　

先頭はカウベルグの登りに。

 

集団ではBORA-hansgroheがペースをあげるがAlpecin-Deceuninckが逃がさない。何故、前でチームメイトが逃げているのに先頭を引くのだろう。

 

残り2周

先頭は24秒まで登りで詰められた。

 

集団はAlpecin-Deceuninckが先頭を固める。ジャスパー・フィリップセンがいないが、チームは強力にレースを進める。

 

4人の後ろに集団が迫ってくる。

 

Team Visma | Lease a Bikeのトッシュ・ファンデルサンドは、グータッチをして集団に戻る。

 

先頭は下りで吸収された。

 

新城幸也が集団先頭に。

 

あっと落車。

•  パスカル・エーンクホーン(Lotto Dstny)
•  KLUCKERS Arthur (Tudor Pro Cycling Team)
•  ベン・ヘルマンス(Alpecin – Deceuninck)
•  GREGAARD Jonas (Lotto Dstny)

 

マチュー・ファンデルプールのアシストとなるクイントン・ヘルマンスは集団復帰中。

 

Bemelerberg (1 km・ 4.4%)　

残り66.3km。集団Lidl – Trek、Team Visma | Lease a Bikeが引く。

 

3人が少し前に。先頭はSoudal – Quick Stepの ルイス・フェルファーク。

 

すぐに集団に飲み込まれる。

 

逃げができるか。

 

3人が抜け出した。またもSoudal – Quick Stepの ルイス・フェルファークだ。

 

集団で落車。

•  クレマン・ルッソ (Groupama – FDJ)
•  カルロス・カナル (Movistar Team)

 

3人は12秒のリード。

1.  ルイス・フェルファーク　Soudal – Quick Step
2. ミッケルフレーリク・ホノレ　EF Education-EasyPost
3. ポール・ラペイラ　Decathlon AG2R La Mondiale Team

 

残り50.4km。先頭は14秒差。

 

先頭は11秒差で逃げつつける。

 

ミハウ・クフィアトコフスキがペースを上げる。

 

ミハウ・クフィアトコフスキが脱けだすとマチュー・ファンデルプールがきた。

 

マッテオ・ヨルゲルソン、トム・ピドコック、マティアス・スケルモースイェンセンも前にくる。

 

ミハウ・クフィアトコフスキがトム・ピドコックがきているか確認。

 

残り40.4km。集団は大きいまま。

 

おっと、危ない。観客が前を横切った。

 

Alpecin-Deceuninckが前を固める。マチュー・ファンデルプールは3番手。

 

クイントン・ヘルマンスがパンクから復帰して先頭を引いている。

 

BORA-hansgroheのマキシミリアン・シャフマンは集団後方。調子悪いのか。

 

Eyserbosweg (1.1 km・7.6%)　

タイム差は16秒。

 

マチュー・ファンデルプールは、クイントン・ヘルマンスが引き終わったらアタックするのだろうか。

 

先頭から ルイス・フェルファークが切れた。

 

クイントン・ヘルマンスが仕事を終えてきれた。マチュー・ファンデルプールは、集団2番手。

 

ミッケルフレーリク・ホノレ先頭で二人は逃げ続ける。

 

集団から、UAE Team Emiratesのマルク・ヒルシがアタック!

 

マルク・ヒルシ、バウケ・モレマ、ヴァランタン・マデュアス、ロジャー・アドリアが抜け出す。

 

後方が人数を増やして先頭二人に迫る。

 

追走には、トム・ピドコック、ティシュ・ベノートもいるがマチュー・ファンデルプールがいない。

 

先頭の2人が追走に飲み込まれる。

 

ティシュ・ベノートが仕掛ける。

 

4人が抜け出した。

 

先頭に追走が迫る。

 

先頭が合体。12人に。

 

Bahrain Victoriousのペッリョ・ビルバオも先頭にいる。

 

トム・ピドコックも先頭で回す。40秒のタイム差がついた。

 

集団からUno-X Mobilityのオドクリスティアン・エイキングがアタック。

 

残り20.2kmで44秒差に。

 

UAE Team Emiratesのマルク・ヒルシが登りで攻める。

 

Cauberg (0.8 km・6.6%) 　

カウベルグでマルク・ヒルシが攻める。これは勝ち逃げとなりそうだ。

 

集団は34秒差に。

 

マチュー・ファンデルプールは、まだおいかけない。

 

先頭はSoudal – Quick Stepのマウリ・ファンセヴェナント。

 

残り1周

マチュー・ファンデルプールは、集団内にいる。すでにアシストはいない。

 

先頭集団ではペッリョ・ビルバオが下りで仕掛けている。

 

トム・ピドコックが下りで追いつきそうだ。

 

ペッリョ・ビルバオ、マルク・ヒルシ、トム・ピドコックが前に。

 

ティシュ・ベノートも加わる。

 

集団はEF Education-EasyPostが引いているが追いつかない。

 

先頭は4人。

1.  ティシュ・ベノート　Team Visma | Lease a Bike
2. トム・ピドコック　 INEOS Grenadiers
3. マウリ・ファンセヴェナント　Soudal – Quick Step
4. マルク・ヒルシ　UAE Team Emirates

 

EF Education-EasyPostは、ベン・ヒーリーが引いている。

 

EF Education-EasyPostが必死で引くが、他チームの協力がなくタイム差は広がる。

 

Bemelerberg (1 km・4.4%) 　

先頭4人は最後の登りに。

 

ベン・ヒーリーが捨て身で引く。スプリントになればマライン・ファンデンベルフで勝負だ。

 

トム・ピドコックがアタック。

 

トム・ピドコックは逃げ切れるか。

 

トム・ピドコックは追いつかれる。マウリ・ファンセヴェナントが遅れた。

 

マウリ・ファンセヴェナントが追いついた。

 

集団でEF Education-EasyPostのマライン・ファンデンベルフが落車。これはEF Education-EasyPostにとっては痛い。

 

残り3km。この4人の中から優勝がでそうだ。

 

残り2.3km。もう仕掛ける場所もない。

 

残り1.3km。牽制となるか。

 

牽制だ。スプリントが強いのは～。

 

マウリ・ファンセヴェナントが行くか。

 

いや、マウリ・ファンセヴェナントは前に出されてしまった。

 

集団ではマチュー・ファンデルプールは、沈黙。2019年の再現とはならなかった。ロンド・ファン・フラーンデレン、パリ～ルーベ、アムステルゴールドを同一年で勝利した世界王者はいなかったのだが、その偉業を達成することはなかった。

 

マウリ・ファンセヴェナントが先頭でスプリントを開始。

 

トム・ピドコックが2番手。

 

トム・ピドコックが先頭に立った。

 

トム・ピドコックが粘る。

 

トム・ピドコックがゴール手前から勝利を確信して手を離している。

 

トム・ピドコックがゴールを駆け抜けた～!

 

すでにゴール手前で手を離している。女子と同じように最後まくられたかと思ったけど、トム・ピドコックはしっかりと勝っている。

少し前のインスタグラムでパリ～ルーベの石畳で痛めた手の平が水膨れになっており治っていないと書いていた。レース前にも、手のひらのひどい状態を見せていたけど、関係なかったようだ。

2021年のアムステルゴールドでは、ワウト・ファンアールとスプリントで写真判定。惜しくも2位だったが、今度は完全勝利だ。

 

トム・ピドコックは、2023ストラーデビアンケ以来の勝利で、キャリア5勝目。2位はマルク・ヒルシ、3位はティシュ・ベノートとなっている。

 

リザルト

トム・ピドコックのコメント

2023年に3位、2021年に2位、そして2024年についに優勝。アムステルゴールドレースでの勝利は解放されたような気分だ。とはいえ、2021年に物議を醸したフォトフィニッシュを引き合いに出さないわけにはいかない。

本当は、ここで2回目の優勝をするのは気分がいい、と言いたいんだけど、言わないよ(笑)。本当にいい気分だよ。今年は大きな犠牲を払い、故郷を離れることも多く、とてもタフな1年だった。

確かに、このレースは僕にとって大きな意味がある。今日はチームが僕のために走ってくれた。ミハウ・クフィアトコフスキ自身もトップだったが、彼もまた私のためにフルに走ってくれた。

チームに報いるべく、3人のスプリント勝負を制しましたね。

自信は半分半分といったところかな。ルーベの後、手のせいでスプリントがうまくいかなかったんだ。グリップをうまく握れなくて、肩が痛かったんだ。だから自信はなかったけど、結果的には良かったよ。

 

マチュー・ファンデルポールは決勝にあらわれませんでしたね。

キューテンベルグの手前で、みんながお互いを見ていたと思う。レースのこの段階では、常に脚が重要なのではなく、適切なタイミングで適切なギアを入れることも重要なんだ。

残りの山岳クラシックも見据えている。まだ何かあるのだろうか？

プレッシャーがなくなったから、いいレースができるし、ベストを尽くせる。本当は、自分たちを楽しむことができると言いたいんだけど、コース上ではそうは感じないかもしれないね。

 

2位のマルク・ヒルシのコメント

2位でフィニッシュできたことを誇りに思う。ようやく調子を取り戻し、アムステルゴールドレースのような大きなレースで上位に食い込むことができた。でも、2位は最初の敗者なんだ。

だから、誇りに思えるけど、ちょっと残念でもあるんだ(笑)。コースはよく知っていたし、よく研究していた。その結果、どこで風が上がり、どこで前に出ればいいかがわかった。

そしてマチューを予測して、何人かと一緒に加速した。大きな集団で前をキープできたので、必要なエネルギーを蓄えることができた。

決勝では、貯めたエネルギーを使ってもう一回アタックしてましたね。

その後、3人がついてくれた。残念ながらブロックされてしまったので、優勝争いはできなかった。でも戦術的には強い走りができた。

ロンド・ファン・フラーンデレンでは、体調が悪くて完走できなかった。そこからどう復帰するかが問題なんだ。今朝もまだ大きな不安があった。

 

3位のティシュ・ベノートのコメント

2022年にここで3位になったことがある。ラスト1キロで、スプリント勝負になることはわかっていた。自分のフィーリングでは、スプリントもうまくいった。長い間ピドコックの隣にいたが、最終的に彼は強すぎた。

反撃で勝ちたかったんだ。しかし、4人の逃げ集団で誰かを驚かせるのは難しい。今にして思えば、この結果には納得できる。気分はいい。

ロンド・ファン・フラーンデレンの後、トレーニングをして回復することができた。E3サクソ・クラシックで負った怪我もすぐに治った。春に不運に見舞われたものの、まだ何かが残っていることを証明できた。これから始まるレースに向けて準備はできている。