オスカー・オンリーが注目されるきっかけとなったのは、2022 CROレース第3ステージの登りゴールだ。最後の登りで先頭にたってゴールを目指す。
ツール覇者のヨナス・ヴィンゲゴーが渾身のスパートを見せたが、最後まで追いすがったのがオスカー・オンリーだ。ここでは僅差の2位。
一度ならば、ステージの中であることだ。だが、2022 CROレースのクイーンステージ第5ステージでも再びヨナス・ヴィンゲゴーを追い詰める。
登りの周回コースでは、ヨナス・ヴィンゲゴーとトップを争い、最後のゴールも僅差での2位。ツール覇者の一流クライマーである、ヨナス・ヴィンゲゴーをここまで追い込む走りを見せたのだ。
しかし、オスカー・オンリーは一気に花開くことはなかった。
実力発揮
Oscar Onley following Vingegaard and Pogačar 🤩🏴#TDF2025 pic.twitter.com/DyIo9YENQV
— ITV Cycling (@itvcycling) July 24, 2025
2023年にはブエルタに初出場。しかし、第2ステージで鎖骨骨折。
2024年シーズンが始まって、2024 ツアーダウンアンダーのウィランガヒルでステージ優勝。総合4位となっていたが、その後のカデル・エヴァンス・グレートオーシャンレースで鎖骨骨折している。
復帰レースのグラン・カミノでは3位。2024 イツリア・バスクカントリー最終ステージでは逃げにのって5位でフニッシュしており、順調に回復していた。
しかし、2024 アムステルゴールドレースで、9か月で3回目となる鎖骨骨折。これでは調子の波にのることも出来ない。
2025年シーズンはここまで
- UAEツアー総合5位
- イツリア・バスクカントリー 総合9位
- リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ 12位
- ツール・ド・ロマンディ 総合16位
- ツール・ド・スイス 総合3位
そして、迎えた2025年ツール・ド・フランスは、ロマン・バルデに代わってエースナンバー。オスカー・オンリーの真価は、長い山岳ステージで遺憾なく発揮された。
特に注目したいのは、クイーンステージとなった第18ステージだ。ここで2度目のアタックをかけたヨナス・ヴィンゲゴーの引きにオスカー・オンリーはついていったのだ。
このツール以外でも、ヨナス・ヴィンゲゴー、タデイ・ポガチャルについていけるライダーはいない。無理をしてついていくと火傷するのだ。
その良い例は、2024 ジロ・デ・イタリア第2ステージでタデイ・ポガチャルのアタックに追従しようとしたTeam Jayco AlUlaのベン・オコナーだ。わずかにつけていたけれど、その後大失速している。
彼は、「太陽に近づきすぎると刺される」というコメントをしている。
オスカー・オンリーは、このツールで堅実な走りをみせ、自身も考えていなかった総合4位という好成績をあげることに成功した。
オスカー・オンリーのコメント
私がやったやり方は本当にうまく管理されていたと思う。チームからのプレッシャーはなかったと思う。チームはそれを本当にうまく処理してくれた。
なぜなら総合を目指すといった瞬間から、より多くの注目が集まると思うからだ。チームは最初から総合優勝を目指す計画は全くなかった。
ただ、レースの流れをみていただけだった。毎日をあるがままに受け入れて余計なストレスはかけないようにした。
ツールはただ走ることとレースすることだけでも、十分にストレスがかかるからだ。私自身とチームが、この3週間をうまくやり遂げたことには本当に満足している。
あの山々で、タデイ・ポガチャルとヨナス・ヴィンゲゴーのホイールに乗ってみてどうでしたか?
ええ、本当に凄いことだし、この最大のレースで最高のコンデションのトップレーサーが出場しているので今後のレースに向けて大きな自信にもなった。
それで、ここで出来るならば、他のレースでも出来ない理由がないだろうと思っている。
オスカー・オンリーは、このツール・ド・フランスで576UCIポイントも獲得。Team Picnic PostNLの今シーズンのUCIランキングを16位から13位まで押し上げた。
さらに2023~2025年の3年間トータルでも、17位から16位にあがり降格争いから抜け出している。引退したロマン・バルデが獲得したUCIポイントは2025年シーズンは380UCIポイント。
オスカー・オンリーが獲得した2025年のUCIポイントは2,677UCIポイントにもなっている。オスカー・オンリーは、チームを救う一流ライダーとなっている。
そして、Team Picnic PostNLのツール・ド・フランスのメンバーのうち6人は開発チームの出身。育成プログラムか大成功している例となった。
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