ついに迎えたツール・ド・フランスのクイーンステージ。
タデイ・ポガチャルは、過去にヨナス・ヴィンゲゴーに負けた場所で次々にリベンジを成功させている。
ゴールとなるロゼ峠は、2023 ツール・ド・フランス第17ステージで自転車人生最悪の日を迎えた場所だ。
のぼる方向は違うが、果たしてタデイ・ポガチャルがリベンジとなるのか。ヨナス・ヴィンゲゴーは、またもアタックをかけるのか。究極の戦いを期待せずにはいられない。
第18ステージ ヴィフ~クールシュヴェル ロズ峠

コースマップ photo letour.fr
獲得標高5,399m。今年ツール・ド・フランスに初登場のヴィフからスタート。中間スプリントが1箇所あり、ポイント賞を確実なものにしたいLidl – Trekのジョナサン・ミランは是非とも取りたいところ。
グランノン、マドレーヌ峠と超級山岳を2つ制覇。決勝はロズ峠となる。
超級山岳 ロズ峠

超級山岳ロズ峠 photo letour.fr
超級山岳ロゼ峠。2年前のゴールだった、クールシュヴェル空港を越えると不規則な勾配となり、道路もせまく11%勾配の区間が続く。
ここをトップで駆け上がるのは誰か。クイーンステージで一番勝ちたいと思っているライダーなのは間違いない。

コースプロフィール photo letour.fr
- スプリントポイント ルーペルー
- 超級山岳 グランノン峠 21.7km・5.1%
- 超級山岳 マドレーヌ峠 19.2km・7.9%
- 超級山岳 ロズ峠 26.4km・6.5%
スタート
スタート時の4賞ジャージ着用者は
- 総合 タデイ・ポガチャル UAE Team Emirates – XRG
- ポイント賞 ジョナサン・ミラン Lidl – Trek
- 山岳賞 レニー・マルティネス Bahrain Victorious
- 新人賞 フローリアン・リポウィッツ Red Bull-BORA-hansgrohe
DNSは
- カルロス・ロドリゲス INEOS Grenadiers
残り152.2km。逃げは出来ない。全員スプリントポイントからレースを始めることで同意。
集団はLidl – Trekが引いてコントロール。まあ、誰も邪魔しないか。
スプリントポイント ルーペルー
ここはジョナサン・ミランがトップ通過。
すぐにワウト・ファンアールトが先頭に。
UAE Team Emirates – XRGのティム・ウェレンスもきている。前待ちする作戦だ。
あら、ティム・ウェレンスが行ってしまった。
ジョナサン・ミランは、あとは完走を目指すのみ。
ワウト・ファンアールトが抜け出してティム・ウェレンスを追う。
ティム・ウェレンスは後ろを待っている感じ。
ティム・ウェレンスに4人が追いつく。
- ワウト・ファンアールト Team Visma | Lease a Bike
- ティム・ウェレンス UAE Team Emirates – XRG
- カーデン・グローブス Alpecin-Deceuninck
- ヨナス・ルッチ Intermarché – Wanty
- アレクセイ・ルツェンコ XDS Astana Team
ヨナス・ルッチがはやくも先頭からきれた。
超級山岳 グランノン峠 21.7km・5.1%
追走は6人。多分合流する。
- ベン・オコナー (Team Jayco AlUla)
- テイメン・アレンスマン (INEOS Grenadiers)
- サンティアゴ・ブイトラゴ (Bahrain – Victorious)
- マリウス・マイヤーホーファー (Tudor Pro Cycling Team)
- イバン・ロメオ (Movistar Team)
- マテオ・ヴェルシェ (Team TotalEnergies)
おおっ、なんとプリモッシュ・ログリッチが、マッテオ・ヨルゲルソンのアタックに合わせて先頭集団に向かっている。
すでに前はティム・ウェレンスとアレクセイ・ルツェンコのみ。
プリモッシュ・ログリッチやフェリックス・ガルが前に行ったのでUAE Team Emirates – XRGがコントロールに。
集団からTudor Pro Cycling Teamのマイケル・ストーラーがアタック。
プリモッシュ・ログリッチらの追走は、13人に膨れ上がる。フェリックス・ガルにプリモッシュ・ログリッチもいるので、UAE Team Emirates – XRGは黙ってないだろう。
集団は49秒差に。
UAE Team Emirates – XRGのパヴェル・シヴァコフがチェーン落ち。
こちらは第2集団。もう非常に多くの選手が集団から抜け出している。
- ジョーダン・ジェガット (Team TotalEnergies)
- クリスティアン・ロドリゲス (Arkéa – B&B Hotels)
- エンリク・マス (Movistar Team)
- フランク・ファン・デン・ブルック (Team Picnic PostNL)
- パブロ・カスティーリョ (Movistar Team)
- ルーク・プラップ (Team Jayco AlUla)
追走からエンリク・マスが切れた。モン・ヴァントゥの疲れか。
なんとエンリク・マスはリタイヤ。これについては別記事で。
先頭は14人。Decathlon AG2R La Mondiale Teamのブルーノ・アルミライルがフェリックス・ガルのために引いている。
Bahrain Victoriousのレニー・マルティネスも先頭集団に。山岳賞を狙いたい。
追走にIsrael – Premier Techのウッズも加わっている。
レニー・マルティネスは、きつそうだ。先頭から脱落しそう。
頂上まであと2km。先頭は集団から1分54秒離れた。
ティム・ウェレンスはメカトラでバイク交換。
ここはレニー・マルティネスが頑張ってトップ通過。
- レニー・マルティネス Bahrain Victorious 20ポイント
- テイメン・アレンスマン INEOS Grenadiers 15ポイント
- マッテオ・ヨルゲルソン Team Visma | Lease a Bike 12ポイント
- グレゴール・ミュールベルガー Movistar Team 10ポイント
- ブルーノ・アルミライル Decathlon AG2R La Mondiale Team 8ポイント
- フェリックス・ガル Decathlon AG2R La Mondiale Team 6ポイント
- エイネルアウグスト・ルビオ Movistar Team 4ポイント
- プリモッシュ・ログリッチ Red Bull – BORA – hansgrohe 2ポイント
集団は1分54秒差で通過。
下りでテイメン・アレンスマンとマッテオ・ヨルゲルソンが抜け出した。32秒差。
超級山岳 マドレーヌ峠 19.2km・7.9%
さあ、マドレーヌ峠に。
2人のリードが7秒となり後続が見えてくる。
ワウト・ファンアールトが集団けん引。タイム差は3分8秒。
先頭の二人に追走が追いつく。8人だ。
Arkéa – B&B Hotelsのケヴィン・ヴォークリンが遅れている。
プリモッシュ・ログリッチが先頭にたつ。
タデイ・ポガチャルはヨナス・ヴィンゲゴーの攻撃を待つ。
ティム・ウェレンスは、ヴィクトール・カンペナールツに抜かれていく。
すでに少人数に。
セップ・クスの引きで、Red Bull – BORA – hansgroheのフローリアン・リポウィッツが切れた。
Team Picnic PostNLのオスカー・オンリーも追いつかない。
ここでヨナス・ヴィンゲゴーのアタック!
すぐにタデイ・ポガチャルが反応。
2人はすぐに先頭集団を捕まえる。
ヨナス・ヴィンゲゴーのアタックで、先頭は一気に捕まった。
マッテオ・ヨルゲルソンがひくとテイメン・アレンスマンは切れて行った。
ここに総合3位のフローリアン・リポウィッツはいない。
- タデイ・ポガチャル UAE Team Emirates – XRG
- ヨナス・ヴィンゲゴー Team Visma | Lease a Bike
- マッテオ・ヨルゲルソン Team Visma | Lease a Bike
- プリモッシュ・ログリッチ Red Bull – BORA – hansgrohe
- ベン・オコナー Team Jayco AlUla
- エイネルアウグスト・ルビオ Movistar Team
- フェリックス・ガル Decathlon AG2R La Mondiale Team
フローリアン・リポウィッツは31秒差。これは厳しい。
ヨナス・ヴィンゲゴー先頭でクリアー。
- ヨナス・ヴィンゲゴー Team Visma | Lease a Bike 20ポイント
- タデイ・ポガチャル UAE Team Emirates – XRG 15ポイント
- マッテオ・ヨルゲルソン Team Visma | Lease a Bike 12ポイント
- フェリックス・ガル Decathlon AG2R La Mondiale Team 10ポイント
- プリモッシュ・ログリッチ Red Bull – BORA – hansgrohe 8ポイント
- ベン・オコナー Team Jayco AlUla 6ポイント
- エイネルアウグスト・ルビオ Movistar Team 4ポイント
- テイメン・アレンスマン INEOS Grenadiers 2ポイント
フローリアン・リポウィッツは50秒遅れ。マッテオ・ヨルゲルソンのペースよりも遅い。前にテイメン・アレンスマンが見えてきた。
下りで先頭が割れた。
- タデイ・ポガチャル UAE Team Emirates – XRG
- ヨナス・ヴィンゲゴー Team Visma | Lease a Bike
- プリモッシュ・ログリッチ Red Bull – BORA – hansgrohe
- フェリックス・ガル Decathlon AG2R La Mondiale Team
前に3人。
- マッテオ・ヨルゲルソン Team Visma | Lease a Bike
- ベン・オコナー Team Jayco AlUla
- エイネルアウグスト・ルビオ Movistar Team
テイメン・アレンスマンとフローリアン・リポウィッツが追走に追い付く。
フェリックス・ガルがここでアタック。何故ここなのか。
追いついたフローリアン・リポウィッツがアタック。あれだけ単独で前を追っていたのに~。
フローリアン・リポウィッツが前で、プリモッシュ・ログリッチをアシストなのか。ちょっと意味がわからない。
残り27.6km。追走のフローリアン・リポウィッツとは1分2秒差。
超級山岳 ロズ峠 26.4km・6.5%
先頭はロゼ峠に。
猛烈な勢いでTeam Picnic PostNLが引く追走が、タデイ・ポガチャルら集団を飲み込んでいく。
先頭3人。フローリアン・リポウィッツ、集団という形に。
フローリアン・リポウィッツは先頭まで51秒。
タデイ・ポガチャルには、アダム・イェーツ、ヨナタン・ナルバエス、マルク・ソレルのアシストが戻る。
先頭からマッテオ・ヨルゲルソンが切れた。
集団はマルク・ソレルが引く。後ろはサイモン・イェーツ。タイム差3分30秒。
マルク・ソレルは集団けん引からきれて、Team Visma | Lease a Bikeのサイモン・イェーツが引き出す。
総合4位のオスカー・オンリーも戻っている。
総合5位のプリモッシュ・ログリッチとは38秒差。このステージでプリモッシュ・ログリッチはオスカー・オンリーを抜けるか。
フローリアン・リポウィッツがマッテオ・ヨルゲルソンに追い付いた。
マッテオ・ヨルゲルソンは引かないので、タイム差は1分23秒と拡大。
カルロス・ロドリゲスがいなくなり総合10位に上がったTotalEnergiesのジョーダン・ジェガットが切れてしまう。
追走からマッテオ・ヨルゲルソンは切れた。フローリアン・リポウィッツが単独3位に。
残り16.1km。サイモン・イェーツが引く集団は3分2秒差と変わらない。すでにアシスト陣はかなり疲れているのでは。
先頭からベン・オコナーがアタック。
残り15.4km。ベン・オコナーは単独で勝利を狙う。
マッテオ・ヨルゲルソンは、集団までもどりすぐに最後尾に。
残り13km。ベン・オコナーのリードは3分20秒に。サイモン・イェーツのペースよりも速い。
集団はヨナタン・ナルバエスが引き出した。プリモッシュ・ログリッチが少し切れていたけれど復帰。
またArkéa – B&B Hotelsのケヴィン・ヴォークリンが遅れた。
フローリアン・リポウィッツは集団に追い付かれた。アタックがあるとついていけないだろう。
残り6.3km。3分16秒のリードがある。これはクイーンステージを取ったか。
フローリアン・リポウィッツは厳しい。この後、切れてしまう。
ヨナタン・ナルバエスが引き終わりアダム・イェーツが引き出す。
フェリックス・ガルも厳しいか。
フローリアン・リポウィッツは、総合3位が厳しくなる。
プリモッシュ・ログリッチが厳しいか。
残り2km。ベン・オコナーは大金星となりそう。
プリモッシュ・ログリッチとフェリックス・ガルが少し離れている。
ここでヨナス・ヴィンゲゴーがアタック!
タデイ・ポガチャルが反応。
ヨナス・ヴィンゲゴーの切れがないか。
オスカー・オンリーがついている。
ベン・オコナーがゴールエリアに。
見事な大逃げ。ベン・オコナーがまたも大金星。
クイーンステージを制してみせた。
Team Jayco AlUlaにとっても大きな勝利。ベン・オコナーは29分遅れだが総合10位に上がった。今シーズンの初勝利がツールのクイーンステージ。
ロードでの勝利は2024 ブエルタ・ア・エスパーニャ第6ステージの119kmの逃げでマイヨロホになって以来だ。
ここでタデイ・ポガチャルが逆襲のアタック。
タデイ・ポガチャルはシッティングのまま加速。ヨナス・ヴィンゲゴーはダンシングしても追いつかない。
タデイ・ポガチャルは、さらに加速。
2位のエイネルアウグスト・ルビオを軽々と抜いていく。
タデイ・ポガチャルは、ヨナス・ヴィンゲゴーの2度のアタックを完全に封じこめた。
ヨナス・ヴィンゲゴーは、有言実行だったが9秒遅れの3位に。
4位にオスカー・オンリー。5位にエイネルアウグスト・ルビオ。
フェリックス・ガルは、6位。
リザルト
優勝したTeam Jayco AlUlaのベン・オコナー
今日、何かできるかもしれないと初めて実感したのは、マドレーヌ峠の頂上で、ヨナスとポギが合流して一緒に頂上を越えた時だった。谷に下りるには絶好のチャンスだった。
ロゼ峠も思い出深い登りで、フェリックス・ガルがチームメイトだった時にここで優勝していた。
しかし、他の有力候補から抜け出す必要があった。
タデイとヨナスは一緒に走らなければならなかったので、谷は大本命に差をつけるのに理想的だった。コースのあの部分は間違いなく挑戦する価値があった。
ロゼでは、ルビオとヨンゲンソンを落とすために最も急なセクションを待つ必要があった。それからタイムトライアルモードでフィニッシュすることができた。
最後の5キロは、イエロージャージのグループの選手のことばかり考えていた(笑。
でも、残り3キロで同じ分差でリードしていると聞いた時、大丈夫だと確信した。
ティーニュでのステージ優勝と2021年の総合4位入賞から4年後、オコナーとツールの関係は再び燃え上がった。
世界最大のレースでありながら、最も容赦のないレースでもある。何年も前からステージ優勝を狙っていたが、3位や4位に甘んじることが多かった。誇りに思うべきだ。苦戦していた日々は、このレースに向けて努力を重ねてきた。
3位 Team Visma | Lease a Bikeのヨナス・ヴィンゲゴー
6位 Decathlon AG2R La Mondiale Teamのフェリックス・ガル
第18ステージ リザルト
総合
ポイント賞
山岳賞
新人賞
コメント
各賞ジャージもまだまだもつれそうですね。
山岳賞は
18stレース前レニー・マルティネス60ptで、1つ目のグランドン峠で20pt獲得してるので80ptのはずてすが、公式リザルトでも72ptになってるのです。謎です。マイナス8ポイント分なにかペナルティでも、受けたのでしょうか?ご存知なら教えてほしいです。
ポイント賞は
19stでスタート直後に設置されていた中間スプリント賞がコース変更で無くなってしまったのがミランにとってはポイント上乗せ出来なくて不利なコース変更となりますね。
どちらのジャージも今後のヴィスマの仕掛けるレース展開と、ポガチャルの采配がカギを握りますね、ミランやマルティネスは掻き回してでもジャージ獲得へ向けてレースを面白くしてほしいです笑
それと、総合逆転は難しいとしても、
調子の良さそうなヨナスがガチ山岳バトルでダディを上回るところを、19stで期待したい(個人的願望)笑
レニー・マルティネスは、ステッキーボトルで10秒のペナルティ、500スイスフランの罰金、UCIポイント15ポイント減点、山岳賞8ポイント減点と散々な結果に。
最後のアルプスでは、タデイ・ポガチャルはステージ優勝が欲しいのでは。ただ、21ステージも狙えるので、無理しないかな。UAE Team Emirates – XRGよりはTeam Visma | Lease a Bikeの攻撃のほうが激しいでしょうね。
なるほど、スティッキーボトルでペナルティだったのですね。
何回も連続でやってましたね(^_^;)
最新情報では、中間スプリントポイントは前半に設置されるようです。
修正しました!