英国のプレミアムブランドFactorが、空気力学の常識を書き換える、とんでもない一台を発表した。
その名は新型「Factor ONE」。 彼らが掲げたキャッチコピーは強烈だ。
世界最速のUCI公認ロードバイク。 これまでエアロロード界を支配していた競合他社を突き放す、Factor史上最も急進的なエアロダイナミクス・ロードバイクと宣言している。
Factor ONE
Factor ONEはすでに2025 クリテリウム・デュ・ドーフィネで見られていた。
Israel – Premier Techのジェイク・スチュアートが第5ステージでスプリント勝利しており実績を証明済みだ。ジェイク・スチュアートによると時速50kmを超えると、「バイクが勝手に進んでいく感覚(リフト感)がある」という。
新型ONEのビジュアルで最も目を引くのが、ヘッドチューブ下部から突き出したChin Fairing(チン・フェアリング)だ。
フロントタイヤが回転することで生まれる激しい乱気流。この「アゴ」がタイヤとフレームの隙間を埋める整流板の役割を果たし、ダウンチューブへとスムーズに空気を流してくれる。
UCIの寸法規定緩和をフル活用し、フォークの脚を極限まで薄く、そして前後に長く広げた。これにより、ホイールとフォークの間を抜ける空気抵抗を劇的に削減している。
UCIの基準はクリアーしているようだ。
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Factorが公開した風洞実験のデータは刺激的だ。
- Specialized Tarmac SL8より22% 空気抵抗が低い
- Factor OSTRO VAM 2.0より8% 空気抵抗が低い
- 2024 Cervelo S5より15%より空気抵抗が低い
- 横風に異常に強いく、他社のエアロロードが失速する中で、ONEは推進力を維持し続ける
実験の詳しいデータは公式サイトにはない。通常Factorは時速48km/hで測定している。自社の風洞実験と第三者機関による検証でそれが証明されたと主張している。しかし、Tarmac SL8より22%も低いとは本当なんだろうか。
空力だけでなく、ポジション出しも現代風に進化している。 流行の狭いハンドル幅、ブラケットを内側に傾けるポジションに対応しつつ、剛性を確保。ステム・ハンドル一体型となっている。
まるでColnagoのY1Rのようだ。
最近のプロは極端な前乗りポジションをとるため、重心が前に移動しがち。ONEはBBドロップやトレール量を調整し、高速コーナーでもふらつかない安定性を確保している。
Factor ONE Spec
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- フレーム: 900g(サイズ54)
- フォーク: 540g バヨネットデザイン、ダクト付きチンフェアリング
- コックピット: 210g統合システム(サイズ3)
- シートポスト: 230g、セットバックは0mmと30mm
- タイヤクリアランス:実測34mm(最適化約28mm)
- シフト:電子式のみ
- クランク最適化: 165~170mm
- コックピットオプション:サイズに応じたリーチ相当の標準およびHi-Rizeシステム
- 塗装オプション:オニキスブラック、ニンバスグレー、ブラッシュ、シルバーストーン
- 価格 : 7,599ドルから(約150万円)



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