カンパニョーロBora WTOはイタリアブランドの最新最速のホイール。
WTOとは、Wind Tunnel Optimized(風洞最適化)の略語。風の抵抗を最小限にするように設計されたホイールでカンパの主力モデルだ。
だが、カンパのスポンサーを受けるカレブ・ユアンは最新のホイールを利用してない。普通プロライダーは最新のホイールをスポンサーの宣伝のためにも使うはず。
古いCampagnolo Bora Oneホイール
カレブ・ユアンは第3ステージと第11ステージを勝利した。そのステージで使ったホイールは古いCampagnolo Bora Oneホイール。
カレブ・ユアンが古い Bora Oneを使った理由は簡単だ。
Bora Oneはチューブラー対応だが、最新のCampagnolo Bora WTO 60はクリンチャーとチューブレス対応のホイールだからだ。
プロライダーは、パンクした際のタイムロスを嫌う。チューブラーはパンクしても一気に空気が抜けることはない。スローパンクの時には、走りながらサポートカーを待つことも出来る。
上の写真でも、チームメイトは新型に乗るがカレブ・ユアンはBora Oneだ。
パンクして復帰する場合にタイムロスは少ないほうが絶対に良い。特にスプリントで全力を出さないといけないスプリンターの場合には、極力いらない力は使わないほうが良いに決まっている。
チューブラーのメリットとして、踏み出しが軽くホイールとの総重量ではクリンチゃーに比べて200g程度は軽くなる。
チューブレスタイヤならば、パンクした際にもメリットはあるはずだけど。
第10ステージでWTOを使っていたら?
カレブ・ユアンは第10ステージでは僅差でサム・ベネットに負けた。
その差は、上の写真を見てもわかるように20cmの差だ。これが最新のCampagnolo Bora WTO 60か、WTO45だったら、結果は変わっていただろうか?
クリンチャーとチューブラーを比べると、ころがり抵抗はクリンチャータイヤのほうが良い。それはBicycle Rolling Resistanaceの実験結果を見てもわかる。
Bora WTOのリム断面の形状は資料がないのでわからない。
だが、古いBORA ONEは、上の図では左側のV-shapeと呼ばれるタイプ。
WTOの場合には、U-shapeと呼ばれるタイプになっているはず。タイヤと一体として考えた場合の空気抵抗は最適化される。
約70km/hで走った場合の空気抵抗の差は大きいはずだ。仮にカレブ・ユアンがWTOホイールを使っていたら勝っていたかもしれない。
アレクサンダー・クリストフはWTOホイールで勝利
ツール第1ステージでアレクサンダー・クリストフ(Team UAE)は、チューブレスヴィットーリアコルサタイヤを備えたカンパニョーロBORA WTO 45で勝利した。
パンクでタイムロスをするというリスクさえ考慮すれば、チューブレスでも勝利できる。
事実、ジュリアン・アラフィリップは第2ステージでクリンチャータイヤで勝利した。Alpinist CLXクリンチャーホイールにSpecializedのクリンチャータイヤTurbo Cottonの組み合わせだ。
ブロの世界でも、クリンチャータイヤやチューブレスを使用するライダーも増えている。カレブ・ユアンもいつの日かWTOホイールを使う日がくるかもしれない。
その時には、間違いなく勝利するはずだ。
コメント
シーラントの記事を書かれているので、TLRの対パンク性能のことはご存知でしょう。
デメリットは、重量が重くなる位です。
それでもWTOを使わないのは、C19の操作性が気に入らないのでは?
自分もエアロ55チューブレスを使用していますがC15ボーラと比べてかなり曲がりにくいと思っています。
鉄のGIOSさん、コメントありがとうございます!
操作性の差ですか。これは使った人でないと比べようがないので貴重ですね。
WTO60までいくと、ロードレースよりはTT向けとなるでしょうしね。
操作性が良くないとなると、カレブ・ユアンの忍者のような横の動きは出来ないかも。
鉄のGIOSさんは、55mmのリムハイトを使っておられますが、横風とか怖くないですか?
私は一時50mmの手組ホイールを使っていたことがあるのですが、横風には悩まされました。
ボーラウルトラtwoの場合、煽られはしますが、怖いと思ったことはありません。
が、エアロ55は、怖い‼️
重量の割にサクサク昇れるし、ブレーキ性能もかなりいいし、耐熱性もいいしスペック上は文句のつけようがないけど、怖い‼️
なので、下りのあるコースのときは、フロントだけシャマルにしています。
なるほど、下りで怖いのは困りますね。ハンドルを急に取られるような感じになるので使えないかもしれない。
ボーラウルトラTwoかなり良さそうですね。