2023年6月16日は、ジーノ・マーダーの命日としてサイクリングの歴史に刻まれる日となるだろう。
あまりにも、早すぎる死は、才能あるクライマーの未来をも奪ってしまった。
悲しみが去ることはないかもしれない。
ジーノ・マーダー Bahrain Victorious
🙏🏻 Gino, thank you for the light, the joy, and the laughs you brought us all, we will miss you as a rider and as a person.
❤️ Today and every day, we ride for you, Gino.
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— Team Bahrain Victorious (@BHRVictorious) June 16, 2023
ジーノ・マーダーは、1997年1月4日に、スイスのFlawil の小さな村で生まれている。
スイス北東部のザンクト・ガレンとボーデン湖の近くで、シクロクロス、トラック、ロードサイクリングを組み合わせていた。
ジーノ・マーダーは、2015スイス選手権ジュニア王者を獲得。2018年にツアー・オブ・ハイナンの第6ステージでスイス代表のアマチュアとしてステージ優勝している。
2018世界選手権U23で4位となり、2019年からTeam Dimension Dataでワールドツアーデビュー。
2020年は、手首の骨折で長くレースに出れなかったが、初めてのグランドツアーとなった2020ブエルタでは、第17ステージでダディ・ゴジュに続いて2位。
総合でも20位に位置しており、当然NTTでは最高順位だった。これから、更に強くなるのは間違いない選手なのに何故か、NTTは延長契約しなかった。
ワールドツアーでの勝利
ジーノ・マーダーは、2021パリ~ニースで、ワールドツアー初勝利を目前としていた。
ジーノ・マーダーは、119kmのステージの早期離脱の最後の生存者。残り10kmではケニー・エリッソンド(Trek – Segafredo)とニールソン・ポーレス(EF Education – Nippo)しか残っていなかった。
そしてラスト5kmからは、一人でフルガスで走り続ける。
ゴールは目の前だった。だが、無情にも総合トップのプリモッシュ・ログリッチはゴール手前20mで、マーダーを抜き去ってしまう。
この時、ジーノ・マーダーは泣きそうになったと。
だが、ワールドツアー初勝利は、すぐにやってくる。2021ジロ・デ・イタリア第6ステージで逃げ切り勝利した。この時には、パリ~ニースでプリモッシュ・ログリッチに抜かれたことを思い出しながら、走ったという。
続く、ツール・ド・スイス最終ステージでも勝利をあげている。
環境保護
Rest in peace my dear friend. My deepest condolences to all your family and friends.
We will miss you ♥️ @maedergino 🤍 pic.twitter.com/eIe3EUk1G1— Tadej Pogačar (@TamauPogi) June 16, 2023
ジーノ・マーダーは、心優しき人だ。2021ブエルタ・ア・エスパーニャでは、自分が上回ったライダーの数を一人1ユーロとして環境団体に募金する活動を行った。
熱心な気候変動活動家でもあり、地球温暖化を阻止し、氷河の融解を防ぐために戦った。小さなころには、スイスの氷河を見て育ったそうだ。それが失われていると。
2021年のブエルタでは、総合5位でゴール。新人賞も獲得。寄付金額は4529ユーロ(約59万円)となった。
その活動は2022年のブエルタでも続いた。
今シーズンも、パリ~ニースでは総合5位。これから世界のトップに旅立つ準備が出来ていたのに、本当に残念な結果となってしまった。
安らかに眠って貰いたい。
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