UAEツアーは2月23日から29日まで開催される。
なんと言っても注目されるのは長いリハビリを経てロードレースに復帰するクリス・フルーム(Team INEOS)。
彼がレースから遠ざかってすでに250日が経過している。チームイネオスのUAEツアーでのメンバーはすでに発表されているが、クリス・フルームは、アシストに回ると言っている。
UAEツアー
UAEツアーは2回目の開催。ドバイツアーとアブダビツアーが合併して昨年初めて開かれた。
ドバイツアーは、主にスプリンターステージが多く、アブダビツアーは山岳ステージがメイン。
これらが合併して7日間というステージレースに発展することにより、多くの有名ライダーが集結することになり、ワールドツアーに昇格した。
ジェベル ハフィートへの山頂ゴールは今年のステージでは2回登場する。登坂距離10.8kmで平均勾配は5.4%だが、途中10%勾配も出てくるコースで昨年はアレハンドロ・バルベルデが勝利している。プリモシュ・ログリッチと同タイムだけど。
今年のUAEツアーでは山頂ゴールが2ステージ。あとは第2ステージでハッタダムの登りゴールもあるが、昨年はカレブ・ユアンが制したように短い登りなので、これもスプリンターステージと言っても良いかもしれない。
7ステージ中、5ステージはスプリンターが活躍出来るコースとなっている。
初代王者はプリモシュ・ログリッチ( Team Jumbo-Visma)。第1ステージのチームタイムトライヤルから1位をずっと死守することに成功した。
チームイネオスのメンバー
This Sunday marks the start of the #UAETour. We’re excited to announce our team, which features a long-awaited return, a pro debut, plus a brand new signing!@Andrey_Amador @EddieDunbar @chrisfroome @golasmichal @ChristianKnees @SalvatorePuccio @_rccarlos pic.twitter.com/SbK8fssOXH
— Team INEOS (@TeamINEOS) February 20, 2020
ポルトガルで行われているヴォルタ・アン・アルガルヴェのステージレースでは、チームイネオスはまるでグランツールを戦うのかというようなメンバー構成になっている。
だが、こちらのUAEツアーはチームタイムトライヤルがなくなったことで、メンバーの入れ替えが行われたようだ。
メンバーは
プロレースに戻るための2度目のチャンスを貰ったようだと語るクリス・フルーム。
クラッシュ前にドフィーヌに出場していたコンデションでないことは誰もが知っており、本人も認めている。
現在も、まだ右脚のトレーニング量と筋力を高めることに重点を置いているというから、まだ、左右の足の筋力差があるということだ。
フルームは次のように今の現状を語っている。
週ごとの進捗状況を見るのはエキサイティングだ。まだあまり集中していないが、多くのボリュームをやっている。現在はそれが焦点であり、ベースを再び構築しようとしている。
負傷した足の強さにまだ取り組む必要があるが、それはすでに急速に改善している。
まだまだ、距離を乗ることに焦点が当たっているようで、レースモードになっているんだろうか?
力強い走りとなるには、まだ時間がかかるのではないかな?
UAEツアーは、スプリンターステージで平地が多い。ジェベル ハフィートへの山頂ゴールは3ステージと5ステージだ。
ジェベル ハフィートへの山頂ゴールは、登坂距離10.8km、平均勾配5.4%。
強烈な登りではないが、残り6.8kmから2.8kmあたりにかけての平均勾配は8~9%に達し、残り2.8km地点の最大勾配は11%にもなる。
チームオーダーを見ると、エディ・ダンバーだろう。ツール・ド・ラ・プロヴァンスのモンヴァントの登りで見せた最後のスパートは見事だった。
今回ジェベル ハフィートでエディ・ダンバーが生き残れるかはわからない。だが、チームは全力で彼をアシストしるだろう。
ここでのフルームの走りは大変注目される。どこまで回復しているのか? 少しでもチームの先頭で引くことが出来るのか?
第3ステージはUAEツアーの最長ステージだが、最後に登るだけだ。フルームがどこまで回復しているかを見るには最適なコースだ。
モビスターとの契約騒動を解決して、すぐにレース出場だ。アンドレイ・アマドールも登りでの走りが注目される。
モビスターでは近年ずっとアシストとして走っていたが、ここではどうかな。普通ならば33歳のアマドールが24歳のエディ・ダンバーを助けて走るというのが順当だろう。
グランツールでの総合上位に入った実力はあるが、今回のはどうかな?
今回のメンバーでは、今一番登れるライダーではないだろうか?
昨年のジロ・デ・イタリアでバヴェル・シヴァコフを助けアシストしながらも総合22位。
今年は、すでにジロ・デ・イタリアのメンバーにも選出されている。場合によっては、アンドレイ・アマドールを助けることにもなるのか?
ジェベル ハフィートへの山頂ゴールで、トップクライマーにどこまで着いていけるかが課題となるだろう。
特に、ダディ・ボカチャルやアレハンドロ・バルベルデが仕掛けてくるアタックにどこまで対抗出来るのか見ておきたい。
あとは、元チームメイトのワウト・プールスとの対決にも注目しておきたい。
ワールドツアーレースにいきなりネオプロの19歳をデビューさせるとは~。
U23を通りこしてジュニアからいきなりのエリートレース。アルベルト・コンタドールが手掛け、イヴァン・バッソがマネージャーを務めるポーラテック・コメタの出身。
大学行ってるみたいだけど、レース出場していていいのかな? そっちのほうが気になるけど。
チームの期待の表れなのだろうけど、どこまで走れるのか? ステージ全てを完走出来るのかな。スプリンターステージが多いので大丈夫だろうけど。
これで、ステージ上位に入ってきたらびっくりするけど、走れないのに出場させる訳はないので、少しだけ期待しておこう。
チームイネオスの誤算
UAEツアーはローハン・デニスが出場するはずだった。だが、チームタイムトライヤルがなくなり、ローハン・デニスはヴォルタ・アン・アルガルヴェに出場。
もし、第1ステージからTTTならば間違いなく出場していたはずだ。ここでリードを奪うとあとの戦いがとても楽になるし。
TTTがなくなったことで、各チーム共大きくメンバーを入れ替えてきている。
チームイネオスの誤算は、若手の不在の問題もある。まず、ツール・ド・フランスに出場予定だったバヴェル・シヴァコフの体重減による不調。
一気に体重を増やせば良い訳でもない。少し時間がかかるのではないか。その間はレースに出れないし。
そして、もう一人。イバン・ソーサの不在。彼の強烈なクライミング能力があれば今回のレースでも活躍出来ただろう。
さあ~、今回のUAEツアー。チームイネオスは成績を残すことが出来るのか?
クリス・フルームの回復具合はどうなのか? 期待して見ておきたい。
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