イツリア・バスクカントリー第4ステージでは、1級山岳下りから6人が抜け出し追走集団に49秒のタイム差をつけて逃げ切った。
逃げ切ったライダーは以下の6人。
- エスデバン・チャベス(Team BikeExchange) 19→15位
- ペリョ・ビルバオ (Bahrain – Victorious) 8→4位
- エマヌエル・ブッフマン(BORA – hansgrohe) 14→4位
- ヨナス・ヴィンゲゴー(Team Jumbo-Visma) 8→3位
- ヨン・イサギレ(Astana – Premier Tech) 18→9位
- ブランドン・マクナリティ(UAE-Team Emirates) 3→1位
6人は逃げ切ることによって、総合順位も大きくジャンプアップさせる。
総合首位だったプリモッシュ・ログリッチはスタート前に、タデイ・ポガチャルに対して20秒。ブランドン・マクナリティに対しては30秒のタイム差でリードしていた。
逃げが決まった段階で、ここまでリードを許してゴールするとは誰も思っていなかっただろう。
これについて、タデイ・ポガチャルとブランドン・マクナリティは「彼らが何を考えていたのかわからない」と正直にコメントしている。
これは見ていた誰もが思った疑問でもある。
結果的には最高の成果
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UAEのブランドン・マクナリティが最後の1級山岳エライツ峠でアタックをかけることはレース前に決まっていた。
峠からの下りでの逃げも、作戦通りだったようだ。だが、目標はあくまでステージ優勝を狙い。結果的には、考えていた以上のタイム差で逃げ切ることによって総合まで勝ち取ってしまった訳だけど。
これについてブランドン・マクナリティは
今日はステージ勝利が目標だったが、ここで黄色いジャージが手に入るとは思っていなかった。
ログリッチが続くことが想像できた。彼は世界で最も強い男の一人だ。だが、なぜギャップが開いたのかはよくわからない。しかし、私はそれについて文句を言うつもりはない。
全体的な勝利を勝ち取るためにできる限りのことをするつもりだが、それを実現できない場合でも、ポガチャルが残っている。それは私たちにとって良いスタートポジションとなる。
更に、タデイ・ポガチャルはリーダーのために働くという珍しい立場にたった。
会議で最初にブランドンと試してみると言ったが、彼はそれを成し遂げた。私たちは素晴らしい仕事をしたと思う。チームワークにとても満足している。
彼ら(ユンボ・ヴィズマ)は今日、黄色いジャージを失ったので、確かに戦術にいくつかの間違いをおかした。
しかし、私たちにとって、これは彼らがこのようにレースしたいのであれば完璧だ。たぶん彼らにとっても大丈夫だろうが、彼らが何を考えていたのかわからない。
私たちはレースに参加し、次の日に最高のものを期待している。
結果的には、想像以上の成果を上げることができた。
第5ステージは平坦なので総合は動かない。全ては最終ステージの登りにかかっている。だが、2枚のカードを持っているUAEが有利なのは間違いないだろう。
ヴィズマはヨナス・ヴィンゲゴーに期待
Team Jumbo-Vismaのヨナス・ヴィンゲゴーは本物だ。イタリアの1クラスのステージレース、コッピ・エ・バルタリで総合優勝を飾っており、今大会の山岳での強さも際立っている。
特に、最後の1級山岳で、ブランドン・マクナリティとミケル・ランダの逃げを一人で引いて捕まえたのは称賛に値する。
その後も、下りでアタックをかけたブランドン・マクナリティをすぐにチェックに入るのは当然の動きではあるけれど、普通はあれだけ登りで引いていたら追いつけるものではない。
ただ、これでプリモッシュ・ログリッチは重要なアシストを失ってしまう。下りで、チームメイトのパスカル・エーンクホーンが復帰したが、前を単独で追う力は残っていない。
チームは、ヨナス・ヴィンゲゴーのステージ優勝に、この時かけたのだろう。だが、ステージ優勝のボーナスタイムを獲得しても、総合トップには届かないことはわかっていたはず。
しかも、山岳で力を使い切っており、逃げ集団では最後尾に位置して足をためていたが、それでも最後は4位となってしまう。
総合では3位となったが、あくまでエースは23秒差でトップを追うプリモッシュ・ログリッチだ。
最終ステージでログリッチが逆転出来るかはわからないが、かなり難しい状況に追い込まれていることは確かだ。
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