ワールドチームの最小人数は27人。Soudal – Quick Stepは、ようやく27人目の契約者発表となった。
Il Trattore、トラクターと呼ばれるAstana Qazaqstan Teamのジャンニ・モスコンだ。これはティム・デクレルの後任と考えて良いのだろうか。
イタリアの怪童と呼ばれた、トレンティーノ出身の農家の息子は29歳となっている。
1年契約
Happy to announce that Soudal Quick-Step and Gianni Moscon have reached an agreement for next season 😃
Welcome, “Il Trattore” 🚜 pic.twitter.com/wglkEu0ui8
— Soudal Quick-Step Pro Cycling Team (@soudalquickstep) November 9, 2023
ジャンニ・モスコンは、2016年からTeam SKYに所属。チームには6年間在籍。
6年通算で11勝は、彼の実力からすると少ないと思う。メンバーのレベルが高く、クラシックに強いジャンニ・モスコンでもエースとして走れるチャンスは多くはなかった。
更に問題だったのは度重なる問題行動。最近では、2020クールネ〜ブリュッセル〜クールネで落車の腹いせで、人の自転車をぶん投げている。
これまでも2017年に黒人選手に対して人種差別的発言をして6週間の停止処分。2017世界選手権で落車のために、カーペーサーを長くして復帰。あとで失格。
2018年には、ツール・ド・フランスで、ライバルチームの選手をレース中に殴り失格処分。
事件のたびに、チームはコンプライアンスの問題でモスコンとの契約を打ち切る話が出ていた。強くても、何をするかわからないのでツール・ド・フランスなどに出場はさせられない。
だが、2021年は、ツール・ド・アルプスで得意の逃げ切りでステージ2勝。
さらに2021ジロ・デ・イタリアではエガン・ベルナルのアシストとして献身的に走り、自らも総合24位と存在感を示す。
スイスのワンデイレース2021Axion SWISS Bank Gran Premio Città di Luganoでも優勝。しかし、2021年は3勝したが、Astana Qazaqstan Teamに移籍となっている。
低迷した2年 復活出来るのか
Astana Qazaqstan Teamでは、期待されながらも2年間勝利はなかった。
まず、気管支炎で2022年のデビューが遅れる。
さらに、コロナ感染と細菌感染症が発覚。治療によりレース復帰となっている。
翌年、2023年もツアー・ダウンアンダーで鎖骨骨折。
2023ジロ・デ・イタリア、2023ツール・ド・フランスと連続出場したが、いたのかというほど全く走れていなかった。マーク・カヴェンディシュのアシストをしている姿は良く見られたけれども。
2年間の低迷は大きい。そして、出場停止となる行動を起こす可能性もある。ウルフパックでは1年契約だけど、複数年滞在できるのかはモスコンの走りにかかっている。
ジャンニ・モスコンのコメント
Soudal – Quick Stepは世界でも最も大きなチームのひとつで、ここ数年、クラシックでこのチームとレースをしていて、常に要注意チームであり、適切な瞬間に適切な場所にいて、レースを難しくするチームであることを実感していた。
プロになったとき、いつかSoudal – Quick Stepで走ることが目標のひとつだったし、来シーズンそれが実現することを嬉しく思っている。
キャリアの中で困難な2年間を経てここに来ることができたことは、僕にとって大きな意味があるし、僕を信頼してくれたみんなに感謝したい。
クラシックは大好きだし、このチームのレースも大好き。僕は常にベストを尽くし、バイクでやることに全力を尽くしている。ウルフパックの一員になれると思うと、とてもワクワクするんだ。
コメント
脚質はクイックステップと相性が良いし、クラシックではウルフパックのエースになれるだけの才能もある。
かつての調子を取り戻して、問題行動にさえ注意すれば大幅なチーム強化になりそうですね。
そうですね。どこまで過去の力を取り戻すかになりそうですね。
主力級の選手を多数放出したので、モスコンが相当頑張らないと。