4年に一度しかないオリンピックの個人タイムトライヤルを制覇したレムコ・エヴェネプール。
ツール・ド・フランスが終わってから1週間しかない状態で、ベストに仕上げるのは難しいと思われた。
それでも勝利したのだから本当に凄いことで、これで名実ともに現代の最高のタイムトライヤルスペシャリストとなった。
全てのタイムトライヤルをクリアー
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レムコ・エヴェネプールは、オリンピックTTの金メダルでキャリア57勝目。このうちタイムトライヤルでの勝利は14回目となる。
記録に含まれていないのは、2018世界選手権ジュニアでのロードとタイムトライヤルでの2冠。
ジュニア選手権は、満17歳から満18歳の選手で争われる。
レムコ・エヴェネプールが自転車を始めたのは、なんと前年。ヨーロッパのエリート自転車選手のほとんどが、幼少の頃から自転車をしているのとは大違い。
5歳からサッカーチームのアンデルデヒトに入団。サッカーでも才能を発揮して、U15ベルギーで4回、U16で5回プレーをしている。
メッシやロナウドの大ファン。2016年に大ケガをしてしまってサッカーの道は断念。
自転車に転向したのは2017年だ。彼は2018年のヨーロッパのジュニアロードサイクリング選手権でTTとロードレースの両方を獲得。 ロードレースでは、2位のライダーとの差は実に9分44秒だ。
自転車を始めた当初から、抜群のスピードと独走力を持っておりジュニアの枠に収まる選手ではなかった。
プロでのタイムトライヤル初勝利は2019欧州選手権タイムトライルだ。
この後の活躍が凄い。最後の残っていたオリンピックでのタイムトライヤルも獲得。
これで、制覇するタイムトライヤルの目標は全てクリアーだ。
- 2024 パリオリンピック個人タイムトライヤル
- 2024 ツール・ド・フランス個人タイムトライヤル
- 2023 世界選手権個人タイムトライヤル
- 2023 ジロ・デ・イタリア 個人タイムトライヤル 2勝
- 2022 ブエルタ・ア・エスパーニャ 個人タイムトライヤル
- 2022 ベルギー選手権個人タイムトライヤル
- 2019 欧州選手権個人タイムトライヤル
今回のパリオリンピックでは、1週間前までツール・ド・フランス参戦。その夜は打ち上げで朝の5時半まで。月曜日は夕方に起きて食事に。
新鮮な気持ちになったのは前日だというから、本当に奇跡的だ。イツリア・バスクカントリーでの鎖骨骨折から、ツール・ド・フランス、そしてオリンピック。
過酷な状況から勝ち取った金メダルは値千金だ。これでロードレースも獲得したら…。
凄いことになりそうだ。
コメント
あのカンチェラーラですら成し遂げていなかった偉業を若干24歳で成し遂げるとは…。(確かカンチェラーラはジロでのステージ優勝はなかったハズ。そもそも出場してないだけでしょうけどw)
ツールではカルロスロドリゲス以上に登れてましたし、ワンデーレースにも強く、TTでは世界最強の一角。
ポガチャルが異次元なだけで、レムコも理不尽すぎる強さしてますねw
ほんと、世界最高というか史上最速のTTスペシャリストなのかも。このTT能力を磨かないのは、少しもったいないような。
グランツールでは、生きている時代が悪いかも。歴史に残るライダーと同じ世代にいるのは厳しいですね。これはパトリック・ルフェーブルも言っているけど、あまりにも二人が突出している。
ただ、これに追い付いたら、本当に凄いこと。来年のツールをすでに楽しみにしてます。