あらためてプリモッシュ・ログリッチは、よくブエルタを制したと言える。Red Bull-BORA-hansgroheのメンバーは食中毒と思われる症状で3人がリタイヤ。
実は、プリモッシュ・ログリッチも最終ステージの個人タイムトライヤルの日には、20回以上トイレに行っている。詳しくは言えないと言っているが、間違いなく腹痛だったはず。
それでも、ステージ2位の走りを見せるのだから凄いことだ。
プリモッシュ・ログリッチがブエルタに至るまでの練習内容と、来年の目標についてトレーナーのマーク・ランバーツが明かしている。
ブエルタに至るギリギリの調整
The most interesting insights from 🇧🇪 Marc Lamberts, the coach of 🇸🇮 Primoz Roglic. (HLN)
✔️ Daily power output = +4 w/kg average each stage
✔️ Alto de Moncalvillo = equalling highest ever power output
✔️ Preparation = Only 3 weeks with 28-30 hours of training
✔️ Level of form… pic.twitter.com/1apx0ZnlT8— Domestique (@Domestique___) September 9, 2024
トレーナーのマーク・ランバーツのコメント
今回のブエルタは、ベストではないにせよ、彼のこれまでのベストパフォーマンスのひとつだ。
そしてそれは、困難な準備の後のことだった。実際、ログリッチはツールでの落車で脊椎横椎を骨折している。
ログリッチは、ツールをあきらめた後、1週間バイクから離れ、ザルツブルクのRed Bullパフォーマンス・センターで3日間のリハビリを受けた。
その後、シーズンを中断した方がいいのではと迷ったが、整形外科医と医師から、痛みはあるがサイクリングは可能だというお墨付きをもらった。
その後、ティーニュのホルデボルダーで3週間の高地トレーニングを行ったが、最初の1週間は横突起を牽引していたため、強度はかけていない。
高地トレーニングの2週目と3週目だけは、高強度インターバルトレーニングをこなすことができた。
合計すると、それでもその高地トレーニング中は28~30時間の3週間をこなすことができたが、常に痛みを伴っていた。ブエルタでもその痛みは消えなかったが、パフォーマンスを発揮するためには耐えられるようになった。
だが、それでも途中腰の痛みで攻撃できないことも。
データによれば、ログリッチが優勝した過去3回のブエルタよりも、今回のブエルタのほうが過酷だった。
- 1日のパワー出力 = 各ステージ平均+4 w/kg
- アルト・デ・モンカルビージョ = 過去最高のパワー出力に匹敵
- 準備 = わずか3週間、28~30時間のトレーニング
- スタート時のフォームレベル = 95~97%
しかも、すべてが順調に進んだわけではない。
実際、Red Bull-BORA-hansgroheのスタッフやライダーの何人かが、最終週末に体調を崩した。
ログリッチは、症状は出なかったが、最終日は20回以上のトイレに。だが、ここまで来たからには、最後まで走りきらなければならなかった。
来シーズンの驚きの計画
According to @Gazzetta_it, 🇸🇮 Primoz Roglic will be at the start line of the World Championships in Zürich! 🤯
🇸🇮 Primoz Roglic AND 🇸🇮 Tadej Pogacar in one team? Good luck to their competitors! 🥵#Zurich2024 🇨🇭 pic.twitter.com/CG3n6G3tYs
— Domestique (@Domestique___) September 10, 2024
トレーナーのマーク・ランバーツは、来シーズンのプリモッシュ・ログリッチの目標についても語っている。
まず、5度目のブエルタ・ア・エスパーニャの制覇には、今のところ、あまり興味がないとも。
では、ツール・ド・フランスはどうか。ログリッチは2020年ツールでは総合優勝に近づいたが、第20ステージで、タデイ・ポガチャルにマイヨジョーヌを奪われた。
その後、ツール・ド・フランスを走り切ることはない。2021年、2022年、そして2024年のツール・ド・フランス出場も、常に落車でリタイヤとなっている。
トレーナーのマーク・ランバーツのコメント
まず、ツールで勝つこと。しかし、おそらく成功することはないだろうと、彼はますます悟っている。
では、第2の目標は?
ツール・ド・スイスで勝つこと。そうすれば、プリモシュはワールドツアーレベルの1週間の大きなステージレースをすべて制覇したことになる。
来シーズン、彼は間違いなくそれに取り組みたいと思うだろう。もっとも、彼は最近、3つのグランツールを1シーズンに1度走りたいとも言っていたし、そうなるとツール・ド・スイスは合わないのだが……。
しかし、たとえ残りの2つか3つの目標がうまくいかなくなったとしても、彼はすでに驚異的なキャリアを歩んできたと言うことができる。
すでに歴史に乗るライダーに
Primoz Roglic joins an elite club of riders who have won five or more Grand Tours pic.twitter.com/8UZuVDEgDt
— Harold Sadler (@HaroldSadler9) September 10, 2024
プリモッシュ・ログリッチは、現役ではクリス・フルームの7度のグランドツアー制覇に続く5度目のグランドツアーを制覇している。
すでに歴史上の偉大なライダーに並ぶ功績を残しているのだ。来シーズン、3度のグランドツアー出場。是非、目指して貰いたい目標だ。
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