Team Jumbo-Vismaの経営陣に、2019年に誰が最高のドメスティックなのかを尋ねると、トニー・マルティンという名前が帰ってくる。
4度の世界タイムトライヤルチャンピオンは、Katusha Alpecinでの停滞した2シーズンのあとに、オランダのチームでキャリアを復活させた。
2019年シーズン、マルティンはチームタイムトライヤルで重要な役割を果たし、ツールとブエルタで一人で3人分の働きをした。彼の姿は常にプロトンの先頭にあったのだ。
2年間の停滞の原因は?
トニー・マルティンは、2019ツール・ド・フランスではルーク・ロウの進路を妨害したとして失格処分で退場。
ブエルタでは、ひどいクラッシュでリタイヤ。
トニー・マルティンはJumbo-Vismaに来て第二の人生が始まったと語っている。
QuickStepとHTCで多くのレースに勝った後、Katushaで少し荒れ地にいた。キャリアの中で多くの希望を持ってここに来た。私はもはや大きな結果をもたらすことができる男ではないことに気づいたが、それでも大丈夫だ。
まだここで大物を助けることができるチームにいることに気づいた。それは私に多くの満足を与えてくれる。大きな勝利がなくても、それは大成功だった。
マルティンは2016年に世界選手権TTで4度目のタイトルを勝ち取ったため、Katusha Alpecinに移った。
しかし、2017年と2018年のシーズンは以前の基準を大きく下回ってしまう。
彼はクラシックでミスファイアし、タイムトライアルでは疲れた姿を見せ得意なTTでも勝利に届かない。
トニー・マルティンはKatusha Alpecinに欠けているものを尋ねられた時に、チームの構造からやる気と優れたリーダーシップまで全てだと答えている。
どこに行くべきかという指示はない。だが、それは重要なことだろ。チームはその指示がどこから来て、どこで戦うべきかを知る必要がある。
プロとしての成績は逃したが、成功したチームとそうでないチームの違いを見るのに役立った。
消滅してしまうチームとはこんなものかもしれない。まあ、スポンサーも見つからず将来に不安があっては戦略も何もないですよね。やる気がなくなるのも無理はない。
Jumbo-Vismaはマルティンにキャリアを再構築する機会を提供してくれた。チームは彼が失った自信を取り戻し、彼を世界最高のドメスティックの一人になる方向に向かわせた。
彼はグランドツアーに出場し、チームタイムトライアル戦略の中心的プレイヤーとなり、チームのリーダーのアシストとして信頼されることになる。
必要だったのはチームとしての正しい戦略と方向性、そして将来の透明度だったようだ。
今は自分の役割がわかっている。チームに来たとき、誰がどの方向に進むのか本当に知らなかった。チームは私を必要としているのかわからなかったが、ゆっくりとロードキャプテンの役割に滑り込むことが出来た。
そのチャンスをくれたチームに感謝している。
トニー・マルティンは自分の役割を理解し、チームのドメスティックになることをいとわない。ロードキャプテンとして必要とされる喜びで走っていると言ってもよいだろう。
世界チャンピオンともなると、普通はプライドが邪魔して自分がエースとして走りたいと思うのが普通じゃないかと考えてしまうが、受け入れている所が素晴らしいと思う。
再び世界チャンピオンを目指す
2020年はツール・ド・フランスを走ることだけでなく、スイスでの世界選手権TTも狙っている。
オリンピックは彼のプログラムの一部ではない。
正直な所、トニー・マルティンはすでに自分がそれほど速く走れないことを自覚している。
だが、それは若い男たちが強くなっているだけであって、自分に合ったルートならば最高の状態で走れるとも考えている。
5位になると思っているならば狙わない。5度目のタイトルを獲得するためにスイスに行くのだ。
3人のGCライダーを保護することについて
Team Jumbo-Vismaは、2020ツール・ド・フランスで3人のGCライダーを出場させることを発表している。
3人を保護しなければならない責任について、トニー・マルティンは彼とチームメイトで対処できる挑戦だと考えている。
トニー・マルティンは、この問題を処理したチームイネオスから学ぶことが出来ると言う。
2019ツールでも、ディラン・フルーネウェーヘンとワウト・ファンアールト。そしてステフェン・クライスヴァイクの3人を保護する必要があった。
ワウト・ファンアールトは個人TTでクラッシュして失ったが、ディラン・フルーネウェーヘンはスプリントで勝利し、ステフェン・クライスヴァイクは総合3位を勝ち取っている。
つまり、同じことは2020年ツールでも出来ると考えているのだ。トニー・マルティンは2020年シーズンもチームの最高のドメスティックとして活躍することになるだろう。
彼自身の野望と共に。
コメント