ジロ・デ・イタリア第12ステージで最も攻撃的だったジュリアン・アラフリップ。
シーズン序盤はストラーデビアンケでの落車で左腓骨を骨折しており、明かさぬままにクラシックを走っていた。これを言い訳にしたくなかった訳だ。
ジュリアン・アラフリップは、2020年、2021年の世界チャンピオン。今回ジロ・デ・イタリアに初出場してステージ優勝を果たした。これで、ツール・ド・フランス6勝、ブエルタ・ア・エスパーニャ1勝に続いて3部作も達成した。
これは新たな偉業の達成となる。
元世界王者として
📊🏆 🌈RR + 🇮🇹🇫🇷🇪🇸 in palmares | #Giro
20x🚴♂️ | ALAPHILIPPE, R.Altig, M.Basso, Bettini, Bugno, Cavendish, Cipollini, Gilbert, Gimondi, Hinault, Hushovd, Maertens, Merckx, F.Moser, M.Pedersen, P.Sagan, Stablinski, Valverde, Van Looy, Van Steenbergen
— ammattipyöräily (@ammattipyoraily) May 16, 2024
ジロ・デ・イタリア、ツール・ド・フランス、ブエルタ・ア・エスパーニャの3大グランドツアーで全て勝利したライダーの数は非常に多い。
だけど、世界選手権を制して全てのグランドツアーでステージ優勝したライダーとなると少なくなる。
ジュリアン・アラフリップは、世界選手権と3部作を達成した20人目のライダーとなった。
20人にはレジェンドばかりが並ぶ。ここにジュリアンも仲間入りだ。
- ピーター・サガン
- アレハンドロ・バルベルデ
- マーク・カヴェンディシュ
- エディ・メルクス
- ベルナール・イノー
- マリオ・チッポリーニ
- ルディ・アルティヒ
- マリノ・バッソ
- パオロ・ベッティーニ
- ジャンニ・ブーニョ
- フィリップ・ジルベール
- フェリーチェ・ジモンディ
- トル・フースホフト
- フレディ・マールテンス
- フランチェスコ・モゼール
- マッズ・ピーダスン
- ジーン・スタブリンスキー
- リック・ファン・ローイ
- リック・バンステーンベルヘン
もっとも近年で達成していたのは、Lidl – Trekのマッズ・ピーダスンだ。2019年の世界王者で、2023ジロでステージ優勝して19人目となっている。
苦難を乗り越えて
Le voyage est souvent plus beau que la destination.
Merci à tout l’équipe et aussi a mon companion du jour @mircomaestri9 pour cette journée avec le coeur, la tête et les jambes 🙌
Merci aussi à tous pour vos nombreux messages 🙏
La résilience, n’oubliez pas la résilience. pic.twitter.com/2VKSTBBJ2I
— Julian Alaphilippe Officiel (@alafpolak1) May 16, 2024
ジュリアン・アラフリップは、2021年ツール・ド・フランス第1ステージの優勝から3年もグランドツールでの勝利はなかった。
2017年にブエルタで、2018年にツール・ド・フランスで2勝。そして、アラフィリップが世界チャンピオンになったのは2020年。ジロでのステージ優勝だけが欠けていた。
2度目の世界王者となってからはアルカンシェルの呪いにかけられたのかと思うほど勝利から遠ざかる。
さらに、2022リエージュ〜バストーニュ〜リエージュで、肩甲骨の骨折、2本の肋骨の骨折、肺の虚脱の大けが。
この大けがから復帰して勝利したのは、2022 ツール・ド・ワロニー第1ステージのユイの壁での勝利。ジュリアン・アラフリップ健在かと思われた。
復帰はしたけれど、2023年シーズンは2勝に留まっている。
まず、フランスのプロレース、2023 フォーン=アルデシュ・クラシックで勝利。今シーズンの復調を期待させてくれたのだが。
2023 クリテリウム・デュ・ドーフィネ第2ステージで勝利。この時には、静まれポーズでゴール。
勝利のないジュリアン・アラフリップに対して、チームのGMパトリック・ルフェーブルは容赦ないコメントを何度も発していた。これにより2024年でチームとの契約が切れるアラフリップは間違いなく移籍だと思われていた。
2024 ストラーデビアンケでも落車し、春のクラシックシーズンは骨折をかかえたまま不調。しかし、今回のジロでは第9ステージの3人逃げで2位。これがジュリアンの走りというのを見せていた。
何度も逃げを見せるジュリアンは、本来の野性味あふれる姿に戻っている。今回のジロもすでに4回の逃げに乗った。
本格的な山岳ステージでは、遅れるけれど丘陵ステージでは凄い力をみせつけてくれる。今回のジロでもさらにステージ優勝を狙う走りは変わらないだろう。
マチュー・ファンデルプール、ワウト・ファンアールトと並んでクラシック3強と言われていた時の強いジュリアンが帰ってきた。はやくも来シーズンのクラシックでの走りを期待させてくれる。
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