骨折を抱えたままグランドツアーを完走する選手は結構多い。Bahrain Victoriousのワウト・プールスは2020ツール・ド・フランスで初日に肋骨骨折したまま走り切った。
また、Jumbo-Vismaのウィルコ・ケルデルマンも2023ブエルタで小指を骨折したけど、走り切っている。
今回は、骨折したことを誰も言わずに、完走したTeam Jayco AlUlaのヤン・マースの話だ。
最後の1週間は楽しくなかったそうだ。肋骨骨折、肺炎、呼吸器感染症を抱えながら、自身初のグランツールを走り切ったのだ。
「誰にも言わなかったけど、最後の2、3日はステージのファイナルでも血を吐いていたんだ。」
レントゲンを撮らない
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初めてのグランドツアー
最初の2週間はチームとしてジェットコースターのような経験をしたけれど、気分は最高だった。
第13ステージの下り坂で壁に激突するまではね。
それ以来、「最高の気分」は、サバイバル/ゾンビモードに変わった。結果を逆にすれば、転倒後の全ステージで私が勝ったことになる。
スタートしたレースを完走することが最優先だった。初めてのグランツールを完走するという決意は、これまで以上に固かった。そして、この旅を続けることは常に自分自身の決断だった。
レース後、まだ気分が悪かったので、病院で検査をすることにした。肋骨を骨折していることがわかった。その上、写真で肺活量の不足を指摘され、さらに検査をした結果、肺感染症にもかかっていることがわかった。
GTはハードですか?そうだね。でも、肋骨を骨折し、3週目には肺活量が1.5になってしまった。それが終わって、脚が動くようになってよかった。自分では気づかなかった体の限界を発見できた。
今は骨折と病気を治し、より強くなって戻ってくるための時間だ。Wを取るために結果を覆す必要はない。そして、素晴らしいサポートをありがとう!❤️
ヤン・マースはポットキャストでは以下のように話している。
バイクの上ではゾンビのようだった。最初の2週間はうまく走れていたんだけど、第13ステージのオービスクの下りで転倒したんだ。
肋骨を折ってしまったんだ。肋骨を折ったことは知っていたけど、写真を撮られたくなかったんだ。
医者か組織か、はたまた誰に言われるのかわからなかったけど、”ブエルタは完走できない “って言われるのが怖かったんだ。だから、できる限りタフにブエルタを走り切ろうとしたんだ。
咳
肋骨の骨折にとどまらず、2日目の休息日にはTeam Jayco AlUlaに病魔が襲いかかった。3人の選手がレースを去り、そのうちの1人はコロナにかかった。
残った3人は、その時は陽性反応は出なかったけど、みんな咳をしていた。肋骨が折れていたり、打撲していたりすると、あまりいい気分ではない。
最後の数日間、マースは “老人 “だったという。
誰にも言わなかったけど、最後の2、3日はステージの決勝でも血を吐いていた。これは行き過ぎではないか?誰にも勧めないし、今は自分でもやらない。でも、あの瞬間は……自分自身に証明したかったんだと思う。
もし諦めていたら、カモにされた気分だっただろう。マドリードに着いた翌夜、マースは眠れなかった。
「仰向けに寝るとずっと血を吐いていたので、とにかくパニックだった。」
そのため、月曜日に病院を訪れ、咳で肺胞が傷つき、常に血まみれになっていることが判明した。また、写真から2つの骨折があることがわかり、さらに検査を進めると、コロナとインフルエンザ・ウィルスの両方と闘っていることがわかった。
「一方は肺を直撃し、もう一方は気道を直撃する。もしブエルタをあきらめていたら、ただバカにされた気分だっただろう。
肋骨が折れていただけで、疲労のためにあのように悪化しており、負け犬のような気分になっていただろうから。それくらい、僕の頭の中は最悪だったんだ。」
ヤン・マースは2022年からTeam BikeExchange – Jaycoで走っている。27歳と遅咲きなので、どうしてもブエルタを完走したかったのだろう。
それにしても、骨折の上、インフルエンザにコロナ感染して良く走れたものだ。
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