Jumbo-Vismaのウィルコ・ケルデルマンは、ブエルタ・ア・エスパーニャ第4ステージのゴール前4.2kmの落車に巻きこまれた。
総合9位から総合38位までおちてしまったが、この時には大きなケガが伝えられていなかった。だが、ウィルコ・ケルデルマンは、この落車でで小指を骨折していたことがブエルタが終わってわかっている。
結局、骨折したままブエルタを走り切ったというのだから凄い精神力と忍耐力だ。
骨折したまま完走
ゴール手前4.2kmの落車では多くのライダーが巻き込まれた。安全地帯の外側で落車しており係員などが配置されていれば起こらなかった事故かもしれない。
- ブライアン・コカール (Cofidis)
- サンティアゴ・ブイトラゴ (Bahrain – Victorious)
- カミル・マウェツキ (Bahrain – Victorious)
- フランソワ・ビダール (Cofidis)
- コービー・ホーセンス (Intermarché – Circus – Wanty)
- ウィルコ・ケルデルマン Jumbo-Visma
ウィルコ・ケルデルマンは、小指に副木を付けまま走り切っている。写真を拡大して見てみると黒いサポーターのようなものが見えた。
元々Jumbo-Vismaの構想では、ウィルコ・ケルデルマンも総合順位を維持するつもりだった。しかし、骨折してしまっては、それも難しい。
これについて、チームのスポーツディレクター、メリン・ゼーマンはブエルタが終わってから認めている。
「ヨナス・ヴィンゲゴーとプリモシュ・ログリッチに加えて、我々にはセップとウィルコもいたが、彼らはおとりとしてもプレーできると分かっていた…。
そしてヨナスとプリモシュはその恩恵を受け、我々は相手をさらに難しくする。残念ながらウィルコはドロップアウトしたが、セップはドロップしなかった。」
転倒してもケルデルマンはJumbo-Vismaのリーダーとしての仕事を止めず、そのうちの3人がマドリードで最後の表彰台に立った。
ワウト・プールスが優勝した最後から2番目のステージでは、ケルデルマンもその日の逃げに乗っている。
ウィルコ・ケルデルマンは、最終的には総合25位まで戻してマドリードでゴールした。ウィルコ・ケルデルマンはリーダー役を務めることも出来る。
- 2014 ジロ・デ・イタリア総合7位
- 2017 ブエルタ・ア・エスパーニャ総合4位
- 2020 ジロ・デ・イタリア 総合3位
- 2021 ツール・ド・フランス 総合5位
こんな選手が骨折しても走り切り、チームを支えるのだからJumbo-Vismaは強いはずだ。
ケガだらけの選手生活
ウィルコ・ケルデルマンほど、ケガの多い選手もいない。分かっているだけでも
- 2014年12月23日:トレーニング中に鎖骨骨折
- 2015年6月8日:クリテリウム・デュ・ドーフィネでの転倒による手首の負傷
- 2015年6月13日:ドーフィネのクイーンステージで、早めの転倒により氷に沈む
- 2015年7月2日:トレーニング中に軽度のクラッシュが発生
- 2015年7月13日:ツアーデビュー戦で何度もクラッシュ。背中の問題に悩まされる
- 2016年3月21日:ツアー・オブ・カタルーニャでの体調不良について
- 2016年7月23日:ツール・ド・フランス第5ステージでの遅めの転倒による打撲傷
- 2017年3月7日:ストラーデビアンケでの指の骨折で1ヶ月間欠場
- 2017年5月14日 : ジロ・デ・イタリアでのバイクとの衝突で指を骨折
- 2017年8月22日 : 第4ステージのブエルタ・ア・エスパーニャで転倒
- 2017年10月22日 : ツアー・オブ・グォンシィでのクラッシュで腕に深い傷を負った
- 2018年3月11日 : ティレーノ〜アドリアティコで転倒し、鎖骨骨折
- 2018年4月5日 : 鎖骨骨折の合併症による長期欠場
2018年7月1日 : NKサイクリングでの事故後、肩を調査 - 2019年3月29日 : カタルーニャ州での転倒による頸椎骨折、鎖骨骨折
- 2019年7月22日 : 背中のトラブルでツール・ド・フランスを離脱
- 2021年1月16日 : トレーニング中の事故による椎骨骨折と脳震盪
- 2021年9月1日 : ベネルクスツアー第3ステージ落車 骨盤・肋骨、手の骨折
- 2023年8月28日 : 落車により小指骨折
これだけケガしていたら、復帰する時間のほうがかかってしまいそうだ。
今年はツール・ド・スイス総合4位、ツール・ド・フランス総合18位、ブエルタも総合25位で完走し、十二分にチームに貢献している。
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