INEOS Grenadiersのフィリッポ・ガンナは、スイスのグレンヘンにある Tissot Velodromeで記録に挑戦。
チームのコーチであるダン・ビンガムのもつアワーレコードに挑戦した。
機材等については、ダン・ビンガムが使用したもので記録に対する優位性はすでに示されていた。あとは、ガンナの記録がどこまで伸びるかに焦点が当てられていたと言ってもいい。
アワーレコード樹立
In his own words 🗣️
Hear what @GannaFilippo has to say about the challenge of the #UCIHourRecord and his approach to this evening’s big event. pic.twitter.com/MeF6yLoefK
— INEOS Grenadiers (@INEOSGrenadiers) October 8, 2022
オリンピックパーシュートの金メダリストであり、2020・2021世界選手権個人タイムトライヤルチャンピオンで第一人者。
バイクはガンナのために3Dプリントされてつくられた最新のPinarello Bolide F HR 3。
機材において、現在最高のものを使用してチャレンジしている。
ガンナのスプリットタイムは
- 5km +1.372秒
- 10km +3.682
- 15km +2.236
- 20km -1.604
- 25km -6.826
- 30km -15.307
- 35km -24.710
- 40km -38.824
- 45km -54.611
- 50km -1.08.506
- 55km -1.17.266
最初の1周でダン・ビンガムの記録を2秒上回っていたが、すぐにペースを落とす。後半からペースを上げているのがスプリットタイムから良くわかる。
143周目では、av58.03km/hで走っており最速を記録。最終的に227周を走った。これはダン・ビンガムよりも5周も多い。
The fastest, the furthest.
A history making night for @GannaFilippo ⏱️#UCIHourRecord ✅ pic.twitter.com/gu14NPDRft
— INEOS Grenadiers (@INEOSGrenadiers) October 8, 2022
ガンナは56.792kmを記録。ダン・ビンガムよりも1,244mも多く走ることに成功した。
人類最速
⏱ 56.792 KM ‼️@GannaFilippo has set a new @Tissot #UCIHourRecord 🔥 pic.twitter.com/JgqUwLhW7d
— UCI Track Cycling (@UCI_Track) October 8, 2022
今回の記録は、これまで1996年にクリス・ボードマンがスーパーマンポーズで記録した56.375kmも抜いている。
クリス・ボードマンの記録は、UCIベスト・ヒューマン・エフォートと呼ばれており、エアロハンドルかつモノコックフレームという、記録が出やすい自転車での樹立であるため未公認だった。
この記録も400m以上破っており、歴史上で世界最速の称号を得ることになった。
ガンナは公式サイトで、以下のようにコメント。
「今朝は、記録を1メートル更新しようと考えていましたが、最終的に、新しい統一記録を試してみませんか。この結果は素晴らしいです。56.792キロは悪くない!
次はもっと新鮮な足でシーズンの別の部分に挑戦するかもしれないし、また上に行けるかもしれない。この結果は素晴らしいです。今は回復のことを考えていて、ここにいるみんなと一緒に祝おうとしています。」
今回の記録がどれだけ凄かったのか過去にアワーレーコード保持者だったアレックス・ダウセットが以下のツイートで教えてくれている。
So for perspective if you were to lay over all the hour records simultaneously, ganna has lapped these riders this number of times;
Boardman x1.5
Dan x3
Victor x5
Me 2021 x9
Me 2015 x16#UCIHourRecord— Alex Dowsett (@alexdowsett) October 8, 2022
すべての記録を並べてみると、ガンナが何回ラップしたかがわかる。
- クリス・ボードマン 1.5回
- ダン・ビンガム 3回
- ヴィクトール・カンペナールツ 5回
- アレックス・ダウセット2021 9回
- アレックス・ダウセット2015 16回
ガンナは足がフレッシュな時に、また挑戦すると言っているので、次は57kmを越えてくるでしょうね。ここまで行くと誰も抜けない記録となりそう。
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