2022 英国ヒルクライムチャンピオンシップで2年振りに勝利したアンドリュー・フレーザー。
彼の乗るCannondale SuperSix Evo Hi Modだけど、2年前から更に進化させている。細かい部分だが、軽量かつ効率的に少しずつ変化させている。
2年前の記事では、アンドリュー・フレーザーがプロ並みのVo2 Maxであることも記している。
Cannondale SuperSix Evo Hi Mod
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フレームについては、2019 Cannondale SuperSix Evo Hi Modが引き続き使われている。これはCannondaleが作った最後のリムブレーキSuperSixだ。
バイク重量を考えた場合には、ディスクブレーキはいらない。エベレストチャレンジとかで、何度も登り下りを繰り返すならば、ディスクブレーキは時間と力の節約で必要となる。
だけど英国ヒルクライムチャンピオンシップでは登ることだけ考えれば良いので軽いリムブレーキモデルが主流だ。
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Image credit: LIAM CAHILL
ボトムブラケットには、C-Bearセラミックボトムブラケットが使用されている。
アンドリューがこのバイクについて話してくれたとき、彼は自分のマシンの各部を最適化することが、今年初めて検討したことであると明かしている。
セラミックベアリングは大きな違いをもたらさないかもしれないが、限界まで自分を追い込むときには、わずかでも節約になると思うから使うのだと。
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Image credit: LIAM CAHILL
ボトムブラケットには、Rotorのパワーメーターが装着されている。InSpiderのパワーセンサーは、RotorのAldhuカーボンクランクに接続されている。
アンドリューは今年、チェーンセットを変更し、同じくRotor製の38T 1Xチェーンリングにギアリングを下げている。
チェーンリングを小さくすることで、より良いチェーンラインが得られるというのがアンドリューの考えだけど、彼が効率のために行ったセットアップの微調整はこれだけではない。
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Image credit: LIAM CAHILL
Shimano Dura-Ace 11速11-28Tカセットは、大きなスプロケットをより外側に配置するよう改造されている。
最も小さいギアを2つ取り除き、残ったスペースを28Tギアとホイールの間に置かれたスペーサーで埋めている。これもヒルクライマーが良く使う手だ。
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Image credit: LIAM CAHILL
英国ヒルクライムチャンピオンシップのコースは1.54kmで直線的。
つまり、急な登り坂では、アンドリューはよりストレートなチェーンラインを使い、チェーンで失われるはずのワット数を節約することができるのだ。
シフトを処理するのは、SRAM Red eTap 11スピード。機械式システムは軽量化できるけど、ケーブルをフレームに通す必要がある。eTapのパドルシフトシステムのシンプルさが気に入っているようだ。
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Image credit: LIAM CAHILL
ホイールは、HUNT Hill Climb SL Tubular。ベアリングからグリースを取り除き、ベアリングが可能な限り自由に動くようにコーティングされている。991gと超軽量。
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Image credit: LIAM CAHILL
タイヤは製造されていない22mm Vittoria Crono CSチューブラータイヤ。165gと超軽量。かなり使いこまれているけど、パンクしたらどうするのだろう。
チューブラータイヤの生産は少なくなっており、見つけることが難しくなっている。私も凄く困っている(涙~)。
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Image credit: LIAM CAHILL
登っている時にはブレーキはほとんど必要ないので軽量に限る。Cane Creek EEリムブレーキを使用するライダーは多い。
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Image credit: LIAM CAHILL
Mcfkの27.2mmのシートポストは93g、Schmolke Carbonのサドルは63gと軽量。サドルの下にはExposure TraceRリアライトを装備している。
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Image credit: LIAM CAHILL
すべてのレーサーは、ヒルクライムイベントでフロントライトとリアライトを装着する必要がある。Alpitude Componentsの軽いマウントを介して、フロントにはExposure Traceライトを使用している。
ライトの値段も凄く高い。
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Image credit: LIAM CAHILL
フロントエンドはSchmolkeの42cmバーとMcfkのカーボンステムで仕上げられている。ハンドルバーを切り落としたりとかはしてないですね。
アンドリュー・フレーザーは、来年も間違いなく上位に入ってくるでしょう。バイクの進化も楽しみ。
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