パリ~ルーベは晴れていても埃とパヴェで、北の地獄と言われるほどの、とても厳しいレース。
だが、今年は2002年以来の雨と風という最も厳しいレースとなった。まず、パヴェはブールとなっており泳げたほどだ(^^;
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— Christof Marien (@ChristofMarien) October 3, 2021
この厳しいレースが開催されるまで903日、実に2年半の期間があいている。それだけ時間があれば新たな技術やトレンドが変わるのは当たり前だろう。
今年のバリ~ルーベの技術トレンドを見てみよう。
ディスクブレーキ
Heading into a wet Roubaix like… @lukerowe1990 pic.twitter.com/fjOVAWExSy
— INEOS Grenadiers (@INEOSGrenadiers) October 2, 2021
イネオスがディスクブレーキに舵をきったので全てのワールドチームがディスクブレーキ一色になってしまった。
ディスクキャリパーが泥で詰まらず、ブレーキが密閉されたシステムであるという事実も、今回のパリ~ルーベではメリットとなった。
さらに、ディスクブレーキは、タイヤの幅とクリアランスを妨げることはない。だが、今回はそんな良い場合だけではなかったようだ。
Laporte Man of the Match pic.twitter.com/VeoEor0Fvy
— Magnus K. Aarre (@magnusaarre) October 3, 2021
ディスクブレーキの場合、パットの選択によってはブレーキが効かなくなる場合もあるということだ。
Deceuninck-Quick-Stepのフロリアン・セネシャルもブレーキの問題で遅れてしまっている。
ただ、大部分のライダーは雨でも停止し、クリアランスの心配もなく走り切っているのも事実。
パリ~ルーベがリムブレーキの最後の砦だったのだけど、プロの世界ではディスク全盛となってしまった。
幅広のタイヤ
幅の広いタイヤはパリ~ルーベの特徴だったが、今年は更に太くなっている。前部に30mm、後部に32mmというパターンが多く見られた。
空気圧を引くくし、パヴェのグリップ力を増す。ディスクブレーキなので、タイヤクリアランスも気にすることはない。
数年前には28mmが最大のタイヤ幅だったが、今年は更に太くなったということだ。
すでに2年前には、28mmチューブラーを使用するプロも多くいた。
だが、次に紹介するチューブレスとなることで低圧で走行するメリットも得られている。
チューブレス
Continentalが新たに発売したGrandPrix 5000 S TRチューブレスタイヤは、多くのチームで使用された。
チューブレスタイヤは、シーズン初期に石畳のレースで使用された。さらに、世界選手権ではフィリッポ・ガンナも使用しており、転がり抵抗が低いと優位に立つことが出来ることを証明している。
また、パンクした場合でも、ロードバイク用のインサートVittoria Air-Liner Roadを使えばパンクしたまま走れる。これも多くのチームが使用した。
パリ~ルーベでは、チューブレスタイヤが増えてきたが、この傾向は来年以降も続いていくのだろう。
エアロバイク
パリ~ルーベでは、258kmの距離があるが、パヴェの区間は55km。フラットなので、平均速度は42.719km/hにも上がった。
パヴェ対策で、2重のバーテープや幅広のタイヤなど通常の対策はしている。
2年の間にバイクと技術は進化し、ほとんどのチームがエアロヘルメットやスキンスーツなど使い、バイクもエアロバイクをそのまま使うチームが増えている。
優勝したソンニ・コルブレッリも市販のメリダ・リアクトだ。ディスクブレーキとワイドタイヤの進化でバイクはエアロバイクが主流となりつつある。
通常のレースで使うエアロバイクを、そのままタイヤなどを変えるだけで使えるのだから、チームにとっても大助かりだ。
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