ZippはZipp 303 Sホイールを少し前に発表。破格の値段と性能アップで驚かせてくれたばかりだった。
だが、Zippは、2021 Zipp 303 Firecrestでシリーズの完全な更新を発表。
オーバーホールには、前モデルからの値下げだけでなく、チューブレスのみのデザインと最小タイヤ幅28mmへの移行、フックレスリムの採用にハブの更新も含まれている。
2021 Zipp 303 Firecrest
新しい303 Firecrestバージョンはディスクブレーキ専用であり、より広いタイヤだけでなく、チューブレスの特定のより広いタイヤにも最適化されている。
今月の初めにリリースされた303Sと同様に、これはZippがすべてのロードバイクを目指す方向であり、チューブは過去のテクノロジーとなるだろう。
多くの変更点があるので特徴をまとめておくと
振動効率の向上
Zippではトータルシステム効率(Total System Efficiency)に取り組んでいる。
- 風の抵抗
- 重力
- 転がり抵抗
- 体の振動損失
この中でも、実際にライダーが乗った場合の振動効率に注目してみたい。
右が、2021 Zipp 303 Firecrestの場合。
2021 Zipp 303 Firecrestの場合、ワイドリム化によりワイドタイヤのリメットが生かせる。さらにチューブレス対応のタイヤの場合には空気圧も下げることが可能だ。
右側が、タイヤの空気圧が低い状態。スローで見ると良くわかるが身体への衝撃が少なくなっていることがわかる。特に腕を見ると違いがわかる。
衝撃がすくなければ、損失も少なく、結果的にエネルギーを節約できる。表やグラフで何ワット削減したとか言われても頭ではわかるが、感覚的に理解出来ない。
実際に、こうやって目で見てわからせてくれると説得力がある。
ころがり抵抗の向上
ころがり抵抗に関しては、タイヤの設置面積によって変わってくる。圧力=ある領域に分布する力であり、簡単に言うと、面積=力/圧力となる。
太いタイヤのほうが、ころがり抵抗が低いという事実は何度か記事にしてきたので参考にしてもらいたい。
Zippでも、この理論に基いてワイドリムの採用を進めており、必然的にころがり抵抗も良くなっている。
フックレスリム採用
リムにフックがない。リムフックはカーボンホイールを作成する上で難しい加工であり、このフックがないことで製造工程も容易となり、なによりも軽量化もはかれる。
Zippは風洞実験のデータを公開していないが、フックレスリムの採用によりタイヤとリムの一体化がはかれる。
フックレスには空力的なメリットもあり、タイヤとリムの間のインターフェースに厚いフックがないと、リムとタイヤケーシングの間の移行がよりスムーズになることを示してくれている。
2021 Zipp 303 Firecrestでは、ハブもドイツ設計で更新されている。
多くのホイールは同じ方向に向かって進化を続けており、ワイドリムにチューブス化の流れはトレンドとなっている。
Zippの場合には、前モデルよりも価格の低下も加わっているのが良い点だ。
日本での価格は、フロントが114,100円、リアが120,000円となっている。
詳しくは公式サイトでどうぞ。
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