世界選手権個人タイムトライヤルでは、タデイ・ポガチャルを最後の登りで抜き去ったレムコ・エヴェネプール。
タデイ・ポガチャルに最大の屈辱を与えた素晴らしい走りだった。
レムコは調子がいい。誰もがレムコはロードでも何かやってくれると思っていたはず。だが、結果は銀メダル。しかし、結果だけでは諦めきれないレムコの不運があった。
キガリの不運
🥈 Remco Evenepoel, furia y lágrimas.
Remco es gigante. Talento histórico, nivel histórico y un carácter volcánico que le hace un tipo diferente.
Venía confiado tras la crono, pero la realidad mandó. No estaba con Pogacar, se calentó y salva la plata con recital.#Kigali2025 pic.twitter.com/jgGpRWTPVC
— Eugenio Muñoz Fernández (@eugemf7) September 28, 2025
キガリ山の頂上手前でスロベニアのドメン・ノヴァクが外れてタデイ・ポガチャルが先頭に。この時2番手にいたのはレムコ・エヴェネプール。
ここからガチンコ勝負かと思われた時に、レムコ・エヴェネプールはズルズルと後退してしまった。誰もが目を疑う光景。しかし、その後レムコはサポートを呼ぶ。さらにサドルを追走しながら叩く。
バイク交換というタイムロスを食らってしまう。この不運についてレムコ自身が一番身に染みていたはずだ。ゴール後にうつむいたまま動かなかったレムコの姿がそれを物語っている。
レムコ・エヴェネプールのコメント
レムコ・エヴェネプール、今日は良く戦いましたが銀メダルのために来たんではないですよね。
そうだ。自分がここにきたのは銀メダルのためではない。ダブルを取るためだった。気分は最高だった。う~ん、でもそうだね。今日は運命が違った結果をもたらしたんだ。
バイクの変更について教えて。バイクに何が起こったのですか。無線もなかったし。具体的な瞬間について教えて下さい。
最初の自転車の交換はキガリ山の直前でサドルが完全に落ちてしまったんだ。道路の穴にヒットしてしまった。登りが続くあいだずっと調子が悪かった。
僕のポジションが全く違っていたし、角度も悪かったので脚の裏がつるような感じがした。それで攻撃を受けた時に、遅れてしまった。
数分、いや30秒くらいは彼らを追いかけることができたが、その後は完全に身体がつりそうになったんだ。だから、僕は頂上まで戦うしかなかった。フィードゾーンには、常にバイクが準備されているとわかっていた。
だから、自分はただ戦って、バイクを交換するためにここまで戻ってくるしかなかったんだ。それでチームメイトに、ゴールラインでバイクを交換しないといけないので、とくかく出来る限り速く走るようにと言った。
だから、彼らは完璧にやってくれた。でも、その後バイクに乗った時、そのサドルの角度が同じ勾配ではないような気がして、腰にひどい痛みを感じた。
1周走ったが、1km走るごとにどんどん痛みが増してきたので、バイクも交換しなければならなかった。残念ながら集中砲火が来て、車がくるまでかなり待たなければならなかった。
無線がなかったので、何も言えなかった。事前に知られないようにバイクの上から伝えようとした。う~ん、でも、まあ、いろいろ起きるんだろうね。
今シーズンは不運もありましたが、TTのハットトリック、そして銀メダルで世界選手権を締めくくります。この経験と仕上がりはどうでしたか? シーズンオフではないですが、これからについては?
ええ、進んでいくよ。かなりいいと思う。もちろん言ったように、自分はダブルを取るためにきた。気分は最高だったし、タデイ・ポガチャルと一緒にレースに出れるという予感がしていた。
でも、残念ながら、さっき言ったようにレースではそういう状況が起こってしまう。私たちも、これが機械的なスポーツであること知っているし、世界チャンピオンになるには全てが完璧でないといけない。でも全体的には凄く幸せになる必要があると思う。
スタッフやチームメイトともとても良い一週間を過ごした。あなたのいうようにまだ終わっていない。ヨーロッパ選手権とロンバルディアが待っている。
今のところ、とても調子が良いので、あと2週間この調子を維持できればと思っている。
だから、次の日曜日にタデイ・ポガチャルに対してリベンジする?
あ~、必ずしも彼に対してという訳ではない。レースは再び非常に厳しくなると思う。これは僕が失った唯一のジャージだということはみんな知っていると思う。ヨーロッパ選手権は、リストの中で本当に上位にある。
レムコ・エヴェネプールは、キガリの道にやられた。穴にヒットしてサドルの角度が変わってしまっては仕方ない。しかも無線がないので、中々バイク交換ができなかった。
痙攣がおこるようなことがなければ、キガリ山頂上からタデイ・ポガチャルとのランデブーという最高の舞台、戦いが待っていたはず。実に惜しいレース状況だった。
それでも、腐らず最後まで戦ったのは凄いことだ。
ちなみにレムコは2021 ヨーロッパ選手権ロードでソンニ・コルブレッリにスプリントで敗れており、王者となったことはない。次こそ、タデイ・ポガチャルとのガチンコ勝負が見てみたい。
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