男子ロードレースは、リチャル・カラパスが、TTに強いブランドン・マクナリティという絶好のパートナーと組んで逃げだした。
バウケ・モレマのアタックを吸収した後で、後続にチームメイトのタデイ・ポガチャルがいたこと。誰もワウト・ファンアールトの追走に手を貸さないこと。かなりの要素が重なって最後はカラパスの独走勝利を生み出した。
さて、続く女子ードでは日本から、金子広美と与那嶺恵理 の2選手が出場する。与那嶺選手には上位入賞の可能性もある。
どんなレースを見せてくれるだろう。
武蔵の森公園~富士スピードウェィ 137km
コースは男子コースの短縮版と言った感じになっている。富士スピードウェイサーキット周辺は男子と同じように周回するが、三国峠などの後半の登りはない。
道志みちと籠坂峠で決定的な差がつかない限り、富士サーキットでのスプリントで決着となりそうだ。
- 道志みち 4.3km・6.1%
- 籠坂峠 2.2km・4.7%
獲得標高は、2,692m。137kmのコースに67名が挑む。
オランダ勢中心に展開か
Dag 1 in Tokio. Tot en met vrijdag staat er elke dag een uitgebreid interview met een Nederlandse olympiër op @NUsport. In aflevering 1 regerend olympisch kampioene @AnnavdBreggen, die bezig is aan haar afscheidstournee. https://t.co/iXeEsxhVxq
— Daan de Ridder (@daanderiddernu) July 19, 2021
オランダ勢4人が女子ロードの主導権を握るだろう。その中で前回リオ王者のアンナ・ファンデルブレッヘンが有力視される。2018・2020世界王者。
UC!ランキング2位であり、負けることのほうが少ないほどの選手。31歳だが、今シーズン限りの引退を表明しており、最後の花道を飾るつもりだ。
同じくオランダチームのアネミエク・ファンフルーテン。2019年世界チャンピオン。その練習量は凄まじく、こちらでも記事にしたことがある。
38歳だが、UCIランキング1位。最後の花道となるか。
オランダチームの一員。マリアンヌ・フォスのニックネームはカンニバル。
2006、2012、2013ロード世界チャンピン。シクロクロスでは、2006、2009、2010、2011、2012、2013、2014と7回の世界チャンピオンとなっている。
彼女も一度記事にしている。オランダチームは怪物級のライダーが4人揃っており、全員が金メダル候補だ。
「1年越し」のオリンピックの意味|與那嶺 恵理/Yonamine Eri @YonamineEri #note#今日のエリNote #今日のエリさん https://t.co/VxiBdC0BWq
— eri yonamine (@YonamineEri) June 23, 2021
日本のエース。海外レースを転戦しており、独走力のある選手だ。外腸骨動脈内線維症を患っており、コンデション調整に苦労している。
日本の地で上位に食い込んで貰いたい。
コロナの影響は2020年から全くUCIでの成績は残っていない。2019日本選手権2位の選手だ。乗鞍ヒルクライムでも活躍するクライマーだ。
武蔵の森公園をスタート。
最強チームのオランダが最前列でウォーミングアップ。スペシャライズドに乗ってますね。アネミエク・ファンフルーテンはモビスターなのでCANYON。
男子と同じように、神社の中を走り抜ける。今日も巫女さんがスタンバイ。
ファーストアタック
0kmアタック!
3人がすぐに飛び出す。先頭は、オーストリアのアナ・キーゼンホファー。
こちらは逃げに入れなかった、セラム・アムハ。エチオピアの選手だ。
男子と同じで最初から逃げが簡単に決まってしまう。
5人の逃げ
こんなに簡単に決まって良いのかというほど簡単に決まった5人。
- 28 コリン・リベラ アメリカ
- 32 カルラ・オベルホルツァー 南アフリカ
- 48 アナ・キーゼンホファー オーストリア
- 49 パウラアンドレア・パティノベドヤ コロンビア
- 54 オメル・シャビーラ イスラエル
追走していた、セラム・アムハにモサナ・デベセイが加勢。エリトニアの選手だ。頑張って追いついて欲しい。
アントリ・クリストフォルー(キプロス)がバイク交換。しかし、シマノのオフィシャルバイクなので、すぐにチームカーからスペアバイクを貰っていた。
まあ、33℃の中で走ったら暑いよねえ~。直射日光だとサイコンの気温計は40℃越えてしまいますからね。
追走の二人は頑張っているけど、集団に吸収されそうだ。
集団から、スルスルと抜け出してきた二人が追走のアフリカ勢を抜いていく。
- 53.アグアマリナ・エスピノラサリナス(パラグアイ)
- 65.カタリナアナイス・ソトカンポス(チリ)
ただ、先頭とは7分離れているので相当頑張らないと追いつかない。
残り100kmを切って集団も登りに入った。そろそろ狩りが始まるころか。
逃げていたエチオピアのセラム・アムハが一気に集団にパスされる。集団先頭はオランダのデミ・フォレリング。
先頭は登りで4人となる。
- 28 コリン・リベラ アメリカ
- 32 カルラ・オベルホルツァー 南アフリカ
- 48 アナ・キーゼンホファー オーストリア
- 49 パウラアンドレア・パティノベドヤ コロンビア
エリトニアのサナ・デベセイの集団に捕まる。
ドイツチームが集団先頭でペースを上げる。ドイツのエースはリザ・ブレナウアー。元世界タイムトライヤル王者。3回目のオリンピックだ。
金子広美が背中に氷。ボトルをポケットに入れて前に上がる。ほんとサポートカーまで下がらないとボトルが取れないので大変だ。
先頭から南アフリカのカルラ・オベルホルツァーが脱落する。
- 28 コリン・リベラ アメリカ
- 48 アナ・キーゼンホファー オーストリア
- 49 パウラアンドレア・パティノベドヤ コロンビア
道志みちの頂上までは、あと半分くらいか。タイム差は10分24秒あるのでどこまで逃げれるか?
追走していた二人は、先頭に追いつくことなく集団に捕まってしまう。
先頭3人は相当良いペースでタイム差もあまり詰まらない。まだ9分20秒持っている。
集団から飛び出ていたナミビアの選手が捕まる。
その後ろで、デンマークのエマセシリエ・ヨルゲルセンの落車に、オランダのアネミエク・ファンフルーテンが突っ込んでしまう。
バイクが絡んでいたけど、なんとか再スタート。
先頭から切れた南アフリカの選手が捕まる。
この瞬間に、デミ・フォレリングがアタック!
ドイツチームが先頭で追いこんでくる。
デミ・フォレリングが捕まると、次にアネミエク・ファンフルーテンが攻撃する。
ベルギーは代わる代わるに波状攻撃を繰り出す。集団後方から少しずつ切れていく。
道志みち 4.3km・6.1%
もう少しで先頭は、頂上につく。これは籠坂峠まで逃げれるかもしれない。まだ、8分以上のタイム差がある。
またもオランダのデミ・フォレリングが攻撃!
一人が捕まると、アンナ・ファンデルブレッヘンがアタックをかける。
日本の与那嶺が切れる。
オランダが厳しいベースを作る。
アネミエク・ファンフルーテンが本気アタックだ。もがきあげている。
これは流石に決まった。誰も見えない。
集団から追う選手はいない。オランダ勢は後方で休憩中だ。
あっという間に集団に45秒のタイム差をつける。先頭まで5分40秒ほど。
誰かが、追うとすぐにオランダのチェックがはいる。これは追走がきかない。
先頭3人は、道志みちを越えている。まだ6分20秒もある。これは~。
アネミエク・ファンフルーテンも道志みちを越えて平坦部分に入っている。50km/hという凄いスピードで爆走している。すでに集団に1分の差をつけた。
集団は米国が先頭。エースのクロエ・ダイガードのために引く。2019世界選手権TT王者だ。
籠坂峠 2.2km・4.7%
ここで、オーストリアのアナ・キーゼンホファーがアタックをかける。
アナ・キーゼンホファーは逃げの二人を振り切った。残り距離があるが一人で逃げ切るつもりか。
先頭は完全に崩壊だ。
先頭は、アナ・キーゼンホファーが単独となる。
現在の並びは
- 48 アナ・キーゼンホファー オーストリア
- 28 コリン・リベラ アメリカ
- 49 パウラアンドレア・パティノベドヤ コロンビア
もう残り36kmしかない。籠坂峠を下ると勝てるのではないかな。タイム差は5分もある。
集団も下りに入ったがタイム差は5分48秒。これは追いつかない可能性が高い。
集団後方に与那嶺がいる。
アネミエク・ファンフルーテンはタイム差を縮められない。逆に集団に追い込まれている。
下りで集団から4人が抜け出している。だが、タイム差は少ない。
アネミエク・ファンフルーテンが捕まってしまう。これで集団は振り出しだ。前の3人を逃がしてしまうと、メダルも獲得出来ない。
先頭のアナ・キーゼンホファーは富士スピードウェイに入った。残り23.9kmだ。これは大金星となりそうだ。
昨年の世界選手権は44位。2019オーストリアロードチャンピオンだ。
30人となった集団も富士サーキットに入った。
2位グループの二人とのタイム差がわからないが、逃げ切れば銀メダルと銅メダルだ。頑張れ~。
タイム差が出た。残り20.4kmで4分34秒。2位と集団は2分44秒ある。ギリギリ2位は逃げ切れるか?
日本の金子広美と、与那嶺はしっかりと集団にいる!
集団は、本気の追走をまだ見せない。そろそろ全開で走らないとメダルも取れない。
集団から、フランスのジュリエット・ラプスが飛び出す。
オランダのデミ・フォレリングが全開で追い始める。残り12.8kmだ。
逃げている二人はやばい。結構追い込まれている。なんとか逃げ切れ~。
残り10.4km。タイム差は3分49秒。2位は集団と1分15秒。2位は追いつかれそうだ。
集団から一人逃げている、フランスのジュリエット・ラプスはかなり粘っている。オランダ勢の引きをから耐えている。
オランダが銀メダルを目指して4人で引いている。追いつくか?
残り、5.7kmで40秒。逃げれるか? 逃げ切ればメダルだ。
オランダはフランスのジュリエット・ラプスを捕まえる。メダルに届くか?
あ~、だめだ。逃げている二人の後ろに集団が見えた~。
あ~、逃げていた二人は、捕まってしまった。これでもう集団の銀メダル争いとなる。
さあ、誰が銀メダルとなるか?
少し緩むとすぐにアタックがかかる。
これは決まったか?
アネミエク・ファンフルーテンをイタリアのエリザ・ロンゴルギーニが追う。
アナ・キーゼンホファーは大金星だ。2021オーストリアTTチャンピオン。ロードは6位。30歳で掴んだ人生最大の勝利となった。
しかも、0kmから自分がアタックをかけて全て逃げ切ったのだから、凄い。
レースのファーストアタックをかけたのもアナ・キーゼンホファーなのだから。誰も文句のつけようがない勝ち方だ。来年からどうするのだろう。プロチームに所属している訳でもない。
30歳だが、オファーがあるかもしれない。
銀メダルはアネミエク・ファンフルーテン。銅メダルはエリザ・ロンゴルギーニ。大本命が勝てないところが、これまた面白い。
なんと、2位となったアネミエク・ファンフルーテンは、前にまだ逃げているとは一瞬わからなかったようだ。自分が優勝だと思っていた。まあ、無線も使われてないし、二人捕まえたから勘違いしたんでしょうね。
今回、観客は県民に限り1万人を上限に許可されていたようだ。シャトルバスも出ていたというから見れた人は良かったですね。
リザルト
Rnk | Rider | Team | UCI | Pnt | Time |
---|---|---|---|---|---|
1 |
KIESENHOFER Anna
|
Austria | 600 | 200 | 3:52:45 |
2 |
VAN VLEUTEN Annemiek
|
Netherlands | 475 | 170 | 1:15 |
3 |
LONGO BORGHINI Elisa
|
Italy | 400 | 140 | 1:29 |
4 |
KOPECKY Lotte
|
Belgium | 325 | 130 | 1:39 |
5 |
VOS Marianne
|
Netherlands | 275 | 120 | 1:46 |
6 |
BRENNAUER Lisa
|
Germany | 225 | 110 | ,, |
7 |
RIVERA Coryn
|
United States | 175 | 100 | ,, |
8 |
CAVALLI Marta
|
Italy | 150 | 90 | ,, |
9 |
ZABELINSKAYA Olga
|
Uzbekistan | 125 | 80 | ,, |
10 |
LUDWIG Cecilie Uttrup
|
Denmark | 100 | 70 | ,, |
与那嶺は21位。金子広美は43位。
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