今年のツール・ド・フランスを占う上で重要なステージレースがやってきた。
最強の男達が再びスペインの地で戦うことになる。2020ツール・ド・フランスで逆転劇を演じたタデイ・ポガチャルとプリモッシュ・ログリッチが今年初対決するのだ。
ボルタ・ア・カタルーニャで総合優勝を飾ったアダム・イェーツにリチャル・カラパスも登場する。さらに、テイオ・ゲイガンハートもエントリーしており、2020年のグランドツアー優勝者が3人激突することになる。
ツール・ド・フランスで上位に入ってくるだろう、ミケル・ランダ( Bahrain – Victorious)にギヨーム・マルタン(Cofidis, Solutions Crédits)も出場する。
ミケル・ランダのアシストとして、新城幸也も登場するので注目だ。6ステージで行われるレースを見ていこう。
なお、Qhubeka ASSOSはセルジオ・エナオがコロナ陽性患者と濃厚接触したので出場していない。チームは6人で戦う。エースはファビオ・アルだ。
第1ステージ ビルバオ〜ビルバオ 13.9㎞
スペインのバスク地方で行われるステージレースは、2016年までは、ブエルタ・アル・パイス・バスコ、日本ではバスク1周と呼ばれていた。
最多優勝をほこるのはアルベルト・コンタドール(2008、2009、2014、2016)とホセ・アントニオ・ゴンザレス(1972、1975、1977、1978)で、4回ずつ総合優勝している。
昨年はコロナで中止。それ以前は以下のようになっている。すでにプリモッシュ・ログリッチは総合優勝を1回飾っている。スペインのレースなので当然アレハンドロ・バルベルデも優勝している。
- 2019 : ヨン・イサギレ
- 2018 : プリモッシュ・ログリッチ
- 2017 : アレハンドロ・バルベルデ
- 2016 : アルベルト・コンタドール
- 2015 : ホアキン・ロドリゲス
- 2014 :アルベルト・コンタドール
アレハンドロ・バルベルデは20か月振りの勝利をグラン・プレミオ・ミゲル・インドゥラインであげており、調子をあげているので上位には顔を出してくるだろう。
ビルバオからスタートする13.9kmの個人タイムトライアルは、最初から7.3%で2.4 kmの登りを上がらないといけない。
途中の最大勾配は11%となっており、大きくタイム差がついてくるはずだ。しかも、ゴール手前は19%の劇坂が待っている。初日から登りで始まるTTとは厳しい。
プリモッシュ・ログリッチ
🥳 @rogla -k hasi du erlojupekoa!
🥳 ¡@rogla ya ha empezado la contrarreloj!@BancoSabadell pic.twitter.com/A0Mz0yWWBm
— Itzulia Basque Country (@ehitzulia) April 5, 2021
放送が始まる前に、すでにプリモッシュ・ログリッチは走っていた。いきなりのトップタイムをたたき出している。
17分17秒でトップタイムだ。
最後の19%の劇坂を上がるスピードが他の選手とは際立って違っていた。
あとからスタートするライダーは、ログリッチの記録を抜かないといけないが当分更新するライダーはいないだろう。
ここまでの2位は、イタリアの1クラスのステージレース、コッピ・エ・バルタリで総合優勝したヨナス・ヴィンゲゴー(Team Jumbo-Visma)で、17分35秒。
暫定ながら3位もトビアス・フォスでチームメイトだ。Team Jumbo-Vismaはここまで上位3位までを独占。
リチャル・カラパス
イネオスのリチャル・カラパス登場。この大会では使用するギアが示されているのが面白い。
カラパスは58×42のフロントで、リアは11×30。下りがあるので58Tが装着されているのだろう。
カラパスは下りでは70km/hを出して走っている。上の写真の時には61km/hだけど。カラパスは18分2秒でゴール。
ヨセフ・チェルニー
ヨセフ・チェルニー(Josef Černý)は、Deceuninck-Quick StepにCCC Teamから移籍。
TTスペシャリストで、ジロ・デ・イタリア第1ステージTT6位。最終ステージでも5位に入る実力者だ。ボルタ・ア・カタルーニャのTTでも8位に入っている。
チョコ選手権TTチャンピオンなので白いジャージを着ている。
テイオ・ゲイガンハート
2020ジロ・デ・イタリア覇者のテイオ・ゲイガンハート登場。パリ~ニース第4ステージの下りで落車してしまいリタイヤ。
それ以来のレース出場となる。TTは得意でないので無難にまとめないといけない。
テイオ・ゲイガンハートは8分11秒66と大きく遅れてしまう。TTの改善をもう少ししないといけない。
マルク・ヒルシ
マルク・ヒルシは疲れ切ってゴール。17分54秒。
マルク・ヒルシはUAEに移籍してからのレース出場が遅れている。ボルタ・ア・カタルーニャでは本領を発揮できずにいた。
シーズンデビューが遅れた理由は以下を参考までに。
ブランドン・マクナリティ
ボルタ・ア・カタルーニャ第2ステージのTTでは4位。総合では少し調子を崩したが13位となっている。今回は、タデイ・ポガチャルのアシストに回る。
マクナリティのギアは、フロント58×42、リアは11×28。
ブランドン・マクナリティは、中間地点でプリモッシュ・ログリッチの記録を5秒上回る。これは良いタイムが期待できそうだ。
あ~、なんとブランドン・マクナリティは、2秒プリモッシュ・ログリッチに届かない。7分42秒82でゴールだ。
彼は間違いなく、総合エースとしてUAEを背負っていく男の一人となるだろう。
アダム・イェーツ
UAEツアー総合2位。ボルタ・ア・カタルーニャ総合優勝。絶好調でバスクに乗り込んできたアダム・イェーツ。
間違いなく上位に進出するだろうが、まずはTTでのタイム差を押さえないといけない。ただ、ボルタ・ア・カタルーニャのTTでも7位となっているので大きく遅れることはないだろう。
中間地点を4位で通過したアダム・イェーツは、最終5位でフニッシュ。17分49秒32。プリモッシュ・ログリッチとは28秒差だ。
タデイ・ポガチャル
タデイ・ポガチャル登場。ギアは58×42。リアは11×28だ。さあ、プリモッシュ・ログリッチの記録を抜くのか、それだけが焦点となる。
中間タイムは、2位。チームメイトのブランドン・マクナリティには2秒及ばないがプリモッシュ・ログリッチには2秒勝っている。
間違いなく、ログリッチを抜くかと思っていたら~。
なんと、タデイ・ポガチャルのタイムは17分45秒01で第5位となった。プリモッシュ・ログリッチとは、28秒のタイム差となっている。
終わってみると、最初のほうにスタートしたプリモッシュ・ログリッチの記録が全く破られなかった。
2位には、UAEのブランドン・マクナリティ。3位にはヨナス・ヴィンゲゴー(Team Jumbo-Visma)。
4位にもTeam Jumbo-Vismaのトビアス・フォスがはいる大健闘だ。若いライダーが伸びているのは凄いことで、チーム力が更に上がっていると言える。
タデイ・ポガチャルとアダム・イェーツは第2ステージからプリモッシュ・ログリッチを追わないといけない。これは厳しい戦いになるだろう。
リザルト
第1ステージリザルト
Rnk | Rider | Team | UCI | Pnt | Time | Avg |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | ROGLIČ Primož | Team Jumbo-Visma | 50 | 50 | 0:17:17 | 48.220 |
2 | MCNULTY Brandon | UAE-Team Emirates | 20 | 30 | 0:02 | 48.127 |
3 | VINGEGAARD Jonas | Team Jumbo-Visma | 8 | 18 | 0:18 | 47.397 |
4 | FOSS Tobias | Team Jumbo-Visma | 13 | 0:24 | 47.129 | |
5 | POGAČAR Tadej | UAE-Team Emirates | 10 | 0:28 | 46.952 | |
6 | YATES Adam | INEOS Grenadiers | 7 | ,, | 46.952 | |
7 | BEVIN Patrick | Israel Start-Up Nation | 4 | ,, | 46.952 | |
8 | SCHELLING Ide | BORA – hansgrohe | 3 | 0:29 | 46.908 | |
9 | ARANBURU Alex | Astana – Premier Tech | 2 | 0:30 | 46.864 | |
10 | SCHACHMANN Maximilian | BORA – hansgrohe | 1 | 0:31 | 46.820 |
総合
Rnk | Rider | Team | UCI | Time |
---|---|---|---|---|
1 | ROGLIČ Primož | Team Jumbo-Visma | 8 | 0:17:17 |
2 | MCNULTY Brandon | UAE-Team Emirates | 17:19 | |
3 | VINGEGAARD Jonas | Team Jumbo-Visma | 17:35 | |
4 | FOSS Tobias | Team Jumbo-Visma | 17:41 | |
5 | POGAČAR Tadej | UAE-Team Emirates | 17:45 | |
6 | YATES Adam | INEOS Grenadiers | ,, | |
7 | BEVIN Patrick | Israel Start-Up Nation | ,, | |
8 | SCHELLING Ide | BORA – hansgrohe | 17:46 | |
9 | ARANBURU Alex | Astana – Premier Tech | 17:47 | |
10 | SCHACHMANN Maximilian | BORA – hansgrohe | 17:48 |
ポイント賞
nk | Rider | Team | Points |
---|---|---|---|
1 | ROGLIČ Primož | Team Jumbo-Visma | 25 |
2 | MCNULTY Brandon | UAE-Team Emirates | 20 |
3 | VINGEGAARD Jonas | Team Jumbo-Visma | 16 |
4 | FOSS Tobias | Team Jumbo-Visma | 14 |
5 | POGAČAR Tadej | UAE-Team Emirates | 12 |
6 | YATES Adam | INEOS Grenadiers | 10 |
7 | BEVIN Patrick | Israel Start-Up Nation | 9 |
8 | SCHELLING Ide | BORA – hansgrohe | 8 |
9 | ARANBURU Alex | Astana – Premier Tech | 7 |
10 | SCHACHMANN Maximilian | BORA – hansgrohe | 6 |
山岳賞
Rnk | Rider | Team | Points |
---|---|---|---|
1 | POGAČAR Tadej | UAE-Team Emirates | 3 |
2 | YATES Adam | INEOS Grenadiers | 2 |
3 | MCNULTY Brandon | UAE-Team Emirates | 1 |
プリモッシュ・ログリッチは、ポイント賞、山岳賞も独占だ。
ヤングライダー賞
Rnk | Rider | Team | Time |
---|---|---|---|
1 | MCNULTY Brandon | UAE-Team Emirates | 0:17:19 |
2 | VINGEGAARD Jonas | Team Jumbo-Visma | 0:16 |
3 | FOSS Tobias | Team Jumbo-Visma | 0:22 |
4 | POGAČAR Tadej | UAE-Team Emirates | 0:26 |
5 | SCHELLING Ide | BORA – hansgrohe | 0:27 |
6 | HIRSCHI Marc | UAE-Team Emirates | 0:35 |
7 | VANSEVENANT Mauri | Deceuninck – Quick Step | 0:41 |
8 | HONORÉ Mikkel Frølich | Deceuninck – Quick Step | 0:44 |
9 | DE BOD Stefan | Astana – Premier Tech | 0:45 |
10 | VAN WILDER Ilan | Team DSM | 0:49 |
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