ジロ・デ・イタリアも残るレースは7ステージ。
第14ステージのゾンコランでは、27%の急勾配に対応出来たライダーだけが生き残ったと言っても良い。
エガン・ベルナルとサイモン・イェーツという両雄の対決が初めてみられた山岳となった。残る4つの山岳ステージでも同じような展開となることも予想される。
明日のクイーンステージ前に、ライダー達は丘陵ステージに向かう。皆が休めるステージとはなりそうもないと思っていたがジャコモ・ニッツォーロがリタイヤしたことで大きく変わるだろう。
第15ステージ グラド〜ゴリツィア 147㎞
ジロは、イタリアから隣接するスロベニアに一部入るコースを設定。
スタートは沿岸の街グラドから。橋の上を走り33kmほど平坦路を走る。その後31kmの周回コースを回るが問題は4級山岳。
1.7kmと短いが平均勾配は8.5%。最大勾配は15%の部分がある。ここを越えないとスプリントに参加できないので注意だ。
そして、ゴールがまた難しくて危険。
上の図のように直角以上のカーブが何箇所もある。
ゴール手前4.3kmにスプリントポイントがあり、そのまま最大勾配14%の1kmの登りに突入。1kmなので一気に越えてしまうだろう。
全開で頂上を越えるとゴールまでに3か所のカーブ。そしてゴール手前に一部石畳もある。
これだけ、スピードがあがったゴール付近にカーブがあったら落車がおこらないほうが奇跡かもしれない。選手のケガがないように願いたい。
スタート前
クイックステップのアルメイダ。ここまで総合14位。昨年総合4位だが、ここまでレムコ・エヴェネプールのために献身的にアシストしている。
不満も漏らしていたが、レムコから自由に走って良いとコメントがある。自分の走りのために動いてくるだろう。
今日の気温は17℃。ゴールは14℃で雨の予報。第15ステージスタートでの4賞は
- マリア・ローザ(総合) エガン・ベルナル(Groupama-FDJ)
- マリア・チクラミーノ(ポイント賞) サガン(BORA-hansgrohe)
- マリア・アッズーラ(山岳賞) ジョフリー・ブシャール(AG2R Citroën Team)
- マリア・ビアンカ(新人賞) アレクサンドル・ウラソフ(Astana-Premier Tech)
今日変わりそうなのはポイント賞かな。サガンの順位次第だ。
スタート前から、逃げる気満々のヴィクトール・カンペナールツ。先頭に位置している。
レース中断
ヴィクトール・カンペナールツが0kmアタック!
チームメイトのマキシミリアン・ヴァルシャイドもすぐに追いつく。これはチームメイトののジャコモ・ニッツォーロがリタイヤしたことも関係あるだろう。
なんとしても勝てるステージは狙う気概が溢れている。
すぐに今日の離脱メンバーが決まったようにみえたのだけど~。
なんと、レースは止められてしまう。
後方で大落車が発生!
ユンボ・ヴィズマのヨス・ファンエムデンは立てない。
これはいけない多くの選手がケガをしている。
BORAのエマヌエル・ブッフマンも落車。
山岳賞のジョフリー・ブシャール(AG2R Citroën Team)も巻き込まれていたようだ。
こちらは復帰しているイネオスのジョナタン・カストロビエホなど4人。
レースは完全にストップ。
落車したライダーは、わかっているだけで13人
- サムエーレ・バティステッラ (Astana – Premier Tech)
- ナトナエル・ベルハネ (Cofidis, Solutions Crédits)
- マウロ・シュミット(Team Qhubeka ASSOS)
- ヨス・ファンエムデン (Team Jumbo-Visma)
- ジェムス・ノックス (Deceuninck – Quick Step)
- レミ・カヴァニャ (Deceuninck – Quick Step)
- マティアス・ブランドル (Israel Start-Up Nation)
- ジャンニ・フェルメールシュ(Alpecin-Fenix)
- マルトン・ディナ (EOLO-Kometa)
- エマヌエル・ブッフマン (BORA – hansgrohe)
- ルーベン・ゲレイロ (EF Education – Nippo)
- トビアス・フォス (Team Jumbo-Visma)
- エドアルド・アッフィニ(Team Jumbo-Visma)
そして、この場でリタイヤしたライダーは3人。
- エマヌエル・ブッフマン(BORA – hansgrohe)
- ナトナエル・ベルハネ (Cofidis, Solutions Crédits)
- ヨス・ファンエムデン (Team Jumbo-Visma)
なんと、総合6位のブッフマンがリタイヤしてしまうとは。明日のクイーンステージの活躍が期待されていただけに残念。
この後、18km走ってルーベン・ゲレイロ(EF Education – Nippo)もリタイヤしている。
走れる選手が治療を終えるまでみんなで待っていた。
再スタート
20分ほどして、ようやく再スタートが切られるが、かなりの距離をニュートラルで進む。
再スタートで、ヴィクトール・カンペナールツとマキシミリアン・ヴァルシャイド(Team Qhubeka ASSOS)が先ほどと同じようにアタック!
逃げは15人もいる。最後尾はバウケ・モレマ。今日も逃げている。明日のクイーンステージはいいのかな。
- バウケ・モレマ (Trek-Segafredo)
- クインテン・ハーマンズ (Intermarché-Wanty-Gobert)
- ラース・ファン・デン・バーグ (Groupama-FDJ)
- ダニオ・カタルド (Movistar Team )
- アルベルト・トレス (Movistar Team )
- ハーム・ファンフック (Lotto-Soudal)
- ステファノ・オルダーニ (Lotto-Soudal)
- ニキアス・アルント(Team DSM)
- ドリース・デポンド (Alpecin-Fenix)
- オスカル・リースベーク(Alpecin-Fenix)
- ヴィクトール・カンペナールツ (Team Qhubeka-Assos)
- マキシミリアン・ヴァルシャイド(Team Qhubeka-Assos)
- ルーカス・ヴィシニオウスキー (Team Qhubeka-Assos)
- フアン・モラノ (UAE Team )
- シモーネ・コンソンニ(Cofidis)
最もタイムが良いのはバウケ・モレマの41分42秒遅れ。
ポイント賞争いに絡むライダーもいないので、サガンも追わない。集団は今日はお休みだ。
7分差となったところで、フィリッポ・ガンナが集団を引き始める。後ろのほうに新城幸也の姿も見える。
先頭集団は分類のない登りを上がっている。残り110kmで7分45秒。この中から今日のステージ優勝が出るのではないかな。
イネオスは、サルバトーレ・プッチョとフィリッポ・ガンナのイタリアコンビが引いている。すでに先頭とは8分開いた。
1回目スプリントポイント
先頭集団は1回目のスプリントポイントへ。ドリース・デポンド(Alpecin-Fenix)だけが、スパートをかける。
ドリース・デポンド(Alpecin-Fenix)が、1位通過で12ポイント獲得。他のライダーはひたすらゴールだけ狙うので、平和なものだ。
逃げには、ロットから2人が乗っている。3人しか残ってなくて今日はトーマス・デヘントは逃げていない。いつ狙うのかな。
1回目の4級山岳
1回目の4級山岳に登る。
スロベニアに入ると応援が凄い。スロベニアの国旗が振られている。
1位通過はドリース・デポンド(Alpecin-Fenix)。全部取っていくのかな。
集団では、ジャンニ・モスコンとベルナルが話しながら走っている。
まるで、ツールのような感じで観客が沢山いる。もう1回ここを通るのでもっと人数が増えるかも。
2回目の4級山岳
2回目の4級山岳に先頭はさしかかる。残りは49km。タイム差は11分もある。
先頭は、マキシミリアン・ヴァルシャイドがずっと引いている。ドリス・デポンドは2回目の山岳ポイントも狙っているようだ。
1位通過はドリース・デポンド(Alpecin-Fenix)。これで2回共トップ通過。
登りで渋滞が発生して、集団最後尾は少し立ち往生。幸也は最後尾に下がっている。下りで復帰するだろう。
最初の落車に巻き込まれていた、山岳賞のジョフリー・ブシャール(AG2R Citroën Team)は最後尾。足や腕にケガの包帯とかはない。
オスカル・リースベーク (Alpecin-Fenix)のアタックに、ヴィクトール・カンペナールツが反応。すぐに下りになったので捕まってしまう。
そろそろ逃げ切りを狙って先頭でも勝負が始まった。
ヴィクトール・カンペナールツがステファノ・オルダーニに向かって何か怒っている。
ドリース・デポンド (Alpecin-Fenix)がアタックをかけるが決まらない。
ヴィクトール・カンペナールツが後ろでヒラヒラして溜めている。
ヴィクトール・カンペナールツが後ろから勢いをつけてアタックだ!
これは決まったか?
3人となったが、これは良くない。アルベルト・トレスは後ろにダニオ・カタルドがいるので先頭交代を拒否している。
- アルベルト・トレス (Movistar Team )
- オスカル・リースベーク (Alpecin-Fenix)
- ヴィクトール・カンペナールツ (Team Qhubeka-Assos)
4級山岳
アルベルト・トレスは交代せずに、2番手で先頭交代を邪魔する。これはヴィクトール・カンペナールツはたまらないだろう。
ヴィクトール・カンペナールツは登りを一人で引き切った。一時36秒までタイム差を開いたが23秒まで縮められる。これは逃げ切れないだろう。
雨も降ってきたし落車のないようにしてもらいたい。
ヴィクトール・カンペナールツは、必死の引きでモビスターのアルベルト・トレスを頂上手前で引き離した。2人の逃げが決まるか?
土砂降りの中、二人は先頭交代して逃げる。あと15kmだが逃げ切れるか? タイム差は28秒だ。
- オスカル・リースベーク (Alpecin-Fenix)
- ヴィクトール・カンペナールツ (Team Qhubeka-Assos)
ヴィクトール・カンペナールツが下りでアタックだ。
しかし、決まらない。ゴールまで8.5km。ヴィクトール・カンペナールツは雨のカーブで滑りながら走っている。
後ろが14秒まで迫ってきた。残り6.6km。
残り5.4km。あまり二人で牽制していると追いつかれてしまう。
最後の登りに入りオスカル・リースベーク (Alpecin-Fenix)がアタック!
ヴィクトール・カンペナールツは少し遅れてついていく。
ヴィクトール・カンペナールツが渾身のアタックだ!
ラスト1.5km。少しだけヴィクトール・カンペナールツがリードしているが~。
おついかれて、二人はスプリントの体制にはいる。
ヴィクトール・カンペナールツが先頭でゴールに向かう。
オスカル・リースベークが先行してスプリントを開始!
ヴィクトール・カンペナールツがまくる!
おーっ、ついにヴィクトール・カンペナールツが勝利を掴んだ~。Team Qhubeka-Assosは3勝目をジロであげた。
アワーレコードを持っているヴィクトール・カンペナールツは、東京オリンピックベルギーTT代表になれなかったので、今年はロードに力を入れている。
これが見事に実って、今シーズンは何度も逃げに乗っていた。しかし、このジロでステージ勝利出来るとは思わなかった。最後にスプリントになったが、これも勝てるとは思えなかったけど、予想を裏切る素晴らしい追い込みを見せてくれた。
オスカル・リースベークのスプリント開始が少し早過ぎたのが要因だ。
得意のTT能力を生かしたヴィクトール・カンペナールツの新しい走りを見せて貰った。TTスペシャリストからブレークアウェイのスペシャリストとなった。
リザルト
第15ステージ リザルト
Rnk | Rider | Team | UCI | Pnt | Time |
---|---|---|---|---|---|
1 | CAMPENAERTS Victor | Team Qhubeka ASSOS | 100 | 80 | 3:25:25 |
2 | RIESEBEEK Oscar | Alpecin-Fenix | 40 | 50 | ,, |
3 | ARNDT Nikias | Team DSM | 20 | 35 | 0:07 |
4 | CONSONNI Simone | Cofidis, Solutions Crédits | 12 | 25 | ,, |
5 | HERMANS Quinten | Intermarché – Wanty – Gobert Matériaux | 4 | 18 | ,, |
6 | CATALDO Dario | Movistar Team | 15 | ,, | |
7 | MOLLEMA Bauke | Trek – Segafredo | 12 | 0:09 | |
8 | TORRES Albert | Movistar Team | 10 | 0:44 | |
9 | MOLANO Juan Sebastián | UAE-Team Emirates | 8 | 1:02 | |
10 | WALSCHEID Max | Team Qhubeka ASSOS | 6 | ,, |
総合
Rnk | Prev | ▼▲ | Rider | Team | UCI | Time |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | – | BERNAL Egan | INEOS Grenadiers | 20 | 62:13:33 |
2 | 2 | – | YATES Simon | Team BikeExchange | 1:33 | |
3 | 3 | – | CARUSO Damiano | Bahrain – Victorious | 1:51 | |
4 | 4 | – | VLASOV Aleksandr | Astana – Premier Tech | 1:57 | |
5 | 5 | – | CARTHY Hugh | EF Education – Nippo | 2:11 | |
6 | 7 | ▲1 | CICCONE Giulio | Trek – Segafredo | 3:03 | |
7 | 8 | ▲1 | EVENEPOEL Remco | Deceuninck – Quick Step | 3:52 | |
8 | 9 | ▲1 | MARTÍNEZ Daniel Felipe | INEOS Grenadiers | 3:54 | |
9 | 11 | ▲2 | FOSS Tobias | Team Jumbo-Visma | 5:37 | |
10 | 12 | ▲2 | VALTER Attila | Groupama – FDJ | 7:49 |
エマヌエル・ブッフマンがリタイヤしたことで、順位が変わっている。
ポイント賞
Rnk | Prev | ▼▲ | Rider | Team | Points |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | – | SAGAN Peter | BORA – hansgrohe | 135 |
2 | 3 | ▲1 | CIMOLAI Davide | Israel Start-Up Nation | 113 |
3 | 4 | ▲1 | GAVIRIA Fernando | UAE-Team Emirates | 110 |
4 | 5 | ▲1 | VIVIANI Elia | Cofidis, Solutions Crédits | 86 |
5 | 14 | ▲9 | DE BONDT Dries | Alpecin-Fenix | 51 |
6 | 6 | – | AFFINI Edoardo | Team Jumbo-Visma | 50 |
7 | 7 | – | MARENGO Umberto | Bardiani-CSF-Faizanè | 45 |
8 | 8 | – | MOSCHETTI Matteo | Trek – Segafredo | 44 |
9 | 9 | – | GAVAZZI Francesco | EOLO-Kometa | 42 |
10 | 10 | – | PASQUALON Andrea | Intermarché – Wanty – Gobert Matériaux | 41 |
山岳賞
Rnk | Prev | ▼▲ | Rider | Team | Points |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | – | BOUCHARD Geoffrey | AG2R Citroën Team | 96 |
2 | 2 | – | BERNAL Egan | INEOS Grenadiers | 57 |
3 | 3 | – | MOLLEMA Bauke | Trek – Segafredo | 53 |
4 | 4 | – | FORTUNATO Lorenzo | EOLO-Kometa | 40 |
5 | 6 | ▲1 | DE BONDT Dries | Alpecin-Fenix | 30 |
6 | 5 | ▼1 | TRATNIK Jan | Bahrain – Victorious | 26 |
7 | 7 | – | CICCONE Giulio | Trek – Segafredo | 20 |
8 | 8 | – | GAVAZZI Francesco | EOLO-Kometa | 17 |
9 | 9 | – | COVI Alessandro | UAE-Team Emirates | 17 |
10 | 10 | – | ALBANESE Vincenzo | EOLO-Kometa | 16 |
ヤングライダー賞
Rnk | Prev | ▼▲ | Rider | Team | Time |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | – | BERNAL Egan | INEOS Grenadiers | 62:13:33 |
2 | 2 | – | VLASOV Aleksandr | Astana – Premier Tech | 1:57 |
3 | 3 | – | EVENEPOEL Remco | Deceuninck – Quick Step | 3:52 |
4 | 4 | – | MARTÍNEZ Daniel Felipe | INEOS Grenadiers | 3:54 |
5 | 5 | – | FOSS Tobias | Team Jumbo-Visma | 5:37 |
6 | 6 | – | VALTER Attila | Groupama – FDJ | 7:49 |
7 | 7 | – | ALMEIDA João | Deceuninck – Quick Step | 8:32 |
8 | 8 | – | FORTUNATO Lorenzo | EOLO-Kometa | 28:33 |
9 | 9 | – | COVI Alessandro | UAE-Team Emirates | 44:14 |
10 | 10 | – | RUBIO Einer Augusto | Movistar Team | 46:52 |
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