アントワープ・ポート・エビックは2018年からベルギーのアントワープで始まった1クラスのワンデイレース。
東京オリンピックで落車したマチュー・ファンデルプールが復帰するレースとなる。
これで、どれだけ走れるかでマチュー・ファンデルプールが世界選手権に出場可能かをテストすることになる。
アントワープ~アントワープ 170.25km
アントワープの港の周辺を回るレースで、綺麗な舗装路もあるけれど、47か所の未舗装路(36km)と石畳(28km)のセクションがあるコース。
上のコースマップのグレーの部分が未舗装と石畳のセクションで合計64km。
プロトンは、アントワープ港を通ってアントワープ干拓地まで走る。スタブルク、ベレンドレヒト、ザンドヴリエット、フーヴェネンを通るループが完成し、未舗装の道路と石畳の帯が次々と続く。
注目は、なんといってもマチュー・ファンデルプール。
🔜 Antwerp Port Epic 🤘
It promises to be a spectacular race on Sunday, with a plethora of unpaved and cobbled sections. We’re excited to be part of it with these seven! 👇 pic.twitter.com/UC30OpbOUg
— Alpecin-Fenix Cycling Team (@AlpecinFenix) September 10, 2021
マチュー・ファンデルプールがエースナンバーだけど、ティム・メルリエがゴールで残っていればアシストをするだろう。
Alpecin-Fenixのメンバー
- 21 マチュー・ファンデルプール
- 22 ティム・メルリエ
- 23 ドリース・デポンド
- 24 ジョナス・リカールト
- 25 オスカル・リースベーク
- 26 ギヨーム・ファンケイルスブルグ
- 27 フィリップ・ワルスレーベン
かなり、気合の入ったメンバーだ。ギヨーム・ファンケイルスブルグは2020年までCCC Teamで走っていた。現在は、契約ライダー数の問題もあり開発チームで走っている。
フィリップ・ワルスレーベンは、ブックル・ドゥ・ラ・マイエンヌでアルノー・デマールを破っている。
ワールドチームの参加は、Intermarché – Wanty – Gobert MatériauxとTeam DSMのみ。
スタート前
ドリース・デポンドと並んでいるマチュー・ファンデルプール。腰痛は100%治った訳ではないと言う。今日は目標に向けて、努力しても良いのかテストすると言う。
Team DSMのエースはティシュ・ベノート。石畳も得意だ。ストラーデビアンケで勝ってますからね。
4人の逃げ
ローリングスタートの時に、中央分離帯でドリース・デポンドが落車しそうになる。
スタートして、すぐに4人が飛び出す。
これがすぐに確定。今回はコンチネンタルチームの4人。
- Lars Loohuis(Abloc CT)
- Lucas Carstensen(Bike Aid)
- Stijn Siemons(Evopro)
- Toni Franz( Lviv Continental Cycling Team)
なんと、歩道を走るライダーもいる。だけど、段差があるのでどこで降りるのやら。残り128kmで2分56秒のタイム差。
石畳で滑って、側溝に落ちる選手も。
先頭から、CARSTENSEN Lucas(Bike Aid)がパンクで遅れてしまう。
更に、 FRANZ Toni( Lviv Continental Cycling Team)も石畳で遅れる。
二人のタイム差は21秒まで縮まってきた。
- Lars Loohuis(Abloc CT)
- Stijn Siemons(Evopro)
ティム・メルリエが、未舗装路でアタックをかけている。
今度は、マチュー・ファンデルプールが石畳で集団の先頭を引く。
逃げていた2人もつかまる。
カウンターアタックで新たな逃げが発生。BEAT Cyclingの ピョートル・ハヴィックのハンドル幅に注目だ。
BEAT Cyclingは、ヤン・ウィレム・ファン・チップやダン・ヴィンガムなど、幅の狭いフレアハンドルを使うライダーが多い。見ている側はとても面白い!
後方に集団が見えるが、300mは離しただろう。
ドリース・デポンドに、ダニー・ファンポッペルも入っている。8人の逃げが出来る。
これに、後方からマチュー・ファンデルプールがアタックをかける。
マチュー・ファンデルプールは、何百mもあるギャップを一人で一気に埋めていった。まるで飛んでいるようなスピードだ。
さあ、マチュー・ファンデルプールが先頭に追いついた。
Alpecin-Fenix主導で逃げのタイム差を開いていく。マチュー・ファンデルプールは、先頭に立って順調にタイム差を広げていく。
後続からも追いついて13人の決定的な逃げとなる。
- マチュー・ファンデルプール Alpecin-Fenix
- ドリース・デポンド Alpecin-Fenix
- ジョナス・リカールト Alpecin-Fenix
- ティム・メルリエ Alpecin-Fenix
- タコ・ファンデルホールン (Intermarché – Wanty – Gobert Matériaux)
- ダニー・ファンポッペル (Intermarché – Wanty – Gobert Matériaux)
-
トビアス・ルンド・アンドレセン(Development Team DSM)
- ラスマス・ティラー(Uno-X Pro Cycling Team)
- トーマス・ジョセフ (Tarteletto – Isorex)
- キャスパー・ファン・ユーデン(Development Team Sunweb)
- ルドヴィク・ロヴェイ(Bingoal – Wallonie Bruxelles)
- スチュワート・キャンベル(Black Spoke Pro Cycling Academy)
- ピョートル・ハヴィック(BEAT Cycling)
Alpecin-Fenixは、ティム・メルリエもいるのでスプリントにかけるのか。それともマチュー・ファンデルプールがアタックをかけて逃げるのか。ただ腰痛では無理をしないほうが良いけれども。
マチュー・ファンデルプールが残り25.1kmでアタック!
ダニー・ファンポッペルと、タコ・ファンデルホールンが追う。
一気に引き離した~。
だが、タコ・ファンデルホールンが後ろから追いついてきた。
逃げが完全に決まるまで、タコ・ファンデルホールンは前に出ないようだ。それか、ダニー・ファンポッペルのためか。
これは、マチュー・ファンデルプールのテストはなんだろう。
二人は、未舗装路を走る。まだ、先頭交代はない。
スプリントとなっても、マチュー・ファンデルプールが負けるとは思えない。ただ、タコ・ファンデルホールンもスプリントで勝っているからどうだろう。
残り10kmでタイム差は1分。まだ、パンクなどのリスクがあるので最後までわからない。
タコ・ファンデルホールンがサングラスをサポートカーに預ける。本気モードの合図か。
残り5.9kmで更に、タイム差が開く。最後はスプリントで決着だ。
二人共、すでに下ハン持ってスプリントに備えている。
タコ・ファンデルホールンがアタックをかける!
だが、すぐに捕まる。スプリントでは勝てないから逃げるしかない。
こうなると、後ろについてなんとかまくるしかない。
さあ、スプリント開始だ。
あ~、だがタコ・ファンデルホールンは、スプリントを諦めてしまう。
まあ、仕方ない。世界最高峰のスプリント力を持っているマチュー・ファンデルプールが相手ではねえ~。
マチュー・ファンデルプールは、見事な復活勝利をあげた。世界選手権は、これよりも距離が長いけど、テストとしては上々だったのではないかな。
Alpecin-Fenixは、しっかりと3位にティム・メルリエが入り最高の結果を得ることができた。
マチュー・ファンデルプールは
勝つことはとても素晴らしいことだ。しかし、不安は完全に消えたわけではない。過去数ヶ月は私にとって重要な目標であり、それらを逃したが、今これを行うことができてとてもうれしい。
今後数日で私がどのように反応するかはまだ分からない。この勝利はすでに非常に素晴らしいものだが、ワールドカップとルーベは別のレースだ。
出場を決めるのは、来週になると思う。様子を見よう。まず、この勝利を楽しむよ。
このレースは家に近く、自分に合ったセクションにあるので、長い間乗りたかった。満足している。
レースの最後は最も難しい部分だった。タコ・ファンデルホールンが最後の1キロまで乗ったのは幸運だった。彼がどのようにレースをしたかを尊重したい。
リザルト
Rnk | Rider | Team | UCI | Time |
---|---|---|---|---|
1 |
VAN DER POEL Mathieu
|
Alpecin-Fenix | 125 | 4:12:03 |
2 |
VAN DER HOORN Taco
|
Intermarché – Wanty – Gobert Matériaux | 85 | 0:01 |
3 |
MERLIER Tim
|
Alpecin-Fenix | 70 | 1:14 |
4 |
VAN POPPEL Danny
|
Intermarché – Wanty – Gobert Matériaux | 60 | ,, |
5 |
TILLER Rasmus
|
Uno-X Pro Cycling Team | 50 | ,, |
6 |
HAVIK Piotr
|
BEAT Cycling | 40 | ,, |
7 |
ROBEET Ludovic
|
Bingoal Pauwels Sauces WB | 35 | ,, |
8 |
JOSEPH Thomas
|
Tarteletto – Isorex | 30 | ,, |
9 |
DE BONDT Dries
|
Alpecin-Fenix | 25 | 1:19 |
10 |
BENOOT Tiesj
|
Team DSM | 20 | 1:30 |
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