こんな疑問に答えてくれたCyclingNewsの記事があったので参考にして見てみよう。
独自の基準で選びだされているが、ポイントの基準として面白いのがレースの格付けによってポイント数を決めている点。
- ツール・ド・フランス 1位250・2位125・3位75・4位50・5位25
- ジロ・デ・イタリア 1位200・2位100・3位60・4位30・5位15
- ブエルタ・ア・エスバーニャ 1位150・2位80・3位40・4位20・5位10
- ワールドツアーレース 1位100・2位60・3位30
- HCクラスレース 1位70・2位35・3位21
- 1クラスレース 1位40・2位20・3位12
最も強いスプリンターを選ぶ基準としてツール・ド・フランスが重視されるのは理にかなっている。
勝利数とUCI獲得ポイントだけでなく、勝利の格とでもいえるポイントのつけ方は面白いものがある。
これらによって導き出されたランキングで今年最強だったスプリンタートップ5を見てみよう。
1.カレブ・ユアン(Lotto Soudal)10勝 2,420ポイント
今年、Lotto Soudalに移籍したポケットロケットことカレブ・ユアン。
アンドレ・グライペルの代わりにエーススプリンターとなったユアンだったが、今シーズンの活躍は目覚ましい。まず、ジロ・デ・イタリアでの2ステージの獲得。
ツール・ド・フランスでは3勝をあげた。
1月から9月まで一貫して良い走りを見せ、22のワールドツアー表彰台を獲得。ツール・ド・フランスでの勝利には、逃げ屋のトーマス・デヘントやジャバー・デブイストなどの存在が大きい。
とくに、トーマス・デヘントは大きな逃げもせず、ひたすら集団先頭で牽引していた姿はとても印象に残っている。
来シーズンは、これにフィリップ・ジルベール、そしてジョン・デゲンコルプも加わる。更に強力なトレインに守られたカレブ・ユアンの活躍は大いに期待できるところだ。
2.エリア・ヴィヴィアーニ( Deceuninck – Quick Step) 11勝 1,957ポイント
昨年は17勝をあげ、グランドツアーでの勝利は7勝と突出していたたエリア・ヴィヴィアーニ。
今年は、9つのワールドツアーレースで優勝。ジロ・デ・イタリアでは斜行による失格処分となり未勝利に終わった。
だが、ツール・ド・フランスにおいて初めてのステージ優勝を飾った嬉しいシーズンでもあった。
昨年獲得したイタリアチャンピォンジャージは失ったがヨーロッパチャンピオンジャージを着て来シーズンは走ることになる。
また、来シーズンはオリンピックでのタイトル防衛のために、ジロ・デ・イタリアは出場せずツール・ド・フランスで調整を図る予定だ。
3.パスカル・アッカーマン(BORA – hansgrohe) 13勝 1,936ポイント
パスカル・アッカーマンはジロ・デ・イタリアに出場。みごとにポイント賞ジャージを獲得。UCI獲得ポイントでは7位とスプリンターの中では最上位に入っている。
サム・ベネットがチームから去るので、活躍の場が増える可能性があるかと思われたが、サガンが来シーズンはジロ・デ・イタリアにも参戦ると発表したので、彼のグランツールでの活躍の場は限られるだろう。
毎年成長しているが、チームに強いスプリンターがいると中々思うようにレースに出れないのも事実。来シーズンは、ブエルタ・ア・エスバーニャに出場するようになるかな?
4. サム・ベネット(BORA – hansgrohe)13勝 1,932ポイント
グランツールの出場はブエルタ・ア・エスバーニャまで待たなければならなかったサム・ベネット。
だが、きっちりとブエルタで2勝をあげた。
チームには、ツール・ド・フランスの英雄、サガンがいる。ドイツ人のパスカル・アッカーマンもいては、アイルランド人のサム・ベネットは出られない。
チームにいては、サム・ベネットがジロやツール・ド・フランスに出場するチャンスが訪れることはないだろう。
ようやく、チームとも決別となったサム・ベネット。移籍先がDeceuninck – Quick Stepとなれば最強トレインを組んでくれてツールで活躍出来るサム・ベネットが見れることになるはずだ。
ひょっとするとキャリア最大の成績を収めることになるかもしれない。
ディラン・フルーネウェーヘン(Team Jumbo-Visma)15勝 1,727ポイント
15勝と勝ち星は多いのだが、そのうち10勝はワールドツアー以外の勝利。ツール・ド・フランスでは1勝をあげたが、昨年ほどの輝かしい活躍はみられなかったように思う。
ディラン・フルーネウェーヘンは、純粋なスプリンターといった感じで平坦ステージではバツグンの強さを誇るが、登りに弱いのが弱点だ。
来年のツール・ド・フランスは、山岳だらけでスプリンターのためのステージが少ない。さらに、来シーズンは、移籍してきたトム・デュムランがツールに出場するだろう。
そうなると、ディラン・フルーネウェーヘンのためのスプリントトレインに人数はかけられないだろう。まさか、出場出来ないことはないとは思うが、どうだろうか?
6位から10位のスプリンター
6位のサガンはちょっとびっくりなシーズンだった。過去3年は14・12・8勝と勝っていただけに今年の4勝は寂しく思える。
フェルナンド・ガビリアは、シーズン序盤の膝のケガが痛かった。終盤には復調してきており来シーズンは巻き返しを図ってくるだろう。
ファビオ・ヤコブセンも若いながら勝利を重ねてきた。
来シーズンは、またこの順位がシャッフルされるのだろう。移籍するライダーが活躍することになるのか、新たなスターが生まれてくるのか楽しみにしておきたい。
コメント