タデイ・ポガチャルが少しずつクランクの長さを短く変えているのは誰もが知っている。そして、シッティングアタックでライバルを蹴落とす場面を何度もみてきた。
だけど、短いクランクに変えただけで、このシッティングアタックが完成した訳ではない。
これについてUAE Team Emirates – XRGのパフォーマンスディレクターのジェローン・スワートが教えてくれている。
地道なジムワーク
上記の動画では、ダンシングの時とシッティングの時の体重の使い方から、ショートクランクにした場合のメリットについて詳細に語ってくれている。
例えば、ダンシングは階段をあがるような感じで体重移動により片足に荷重をかけていく。ショートクランクを使うシッティングでは骨盤を安定させる筋力が必要となる。
ダンシングよりも、シッティングのほうが心拍もあがりにくいし、より高強度でペダリングをするのが効果的となる。
シッティングで大きなパワーを安定して維持するために、室内トレーニングで体幹を鍛えて作り上げたと言っている。
How to train like a pro during off season, 🇸🇮 Tadej Pogacar edition 🔥 pic.twitter.com/VRCrbQbE7Q
— Domestique (@Domestique___) December 4, 2024
上記動画は2024年オフシーズンに見られた。プランクだけでなく、更に負荷をかけることでより体幹が鍛えられる。
さらに体重を減らさず、筋力トレーニングを増やしている。また、抵抗バンドを使っての筋トレ、血流制限ストラップなども使っている。
路上では、競輪選手が良く行う上り坂での低ケイデンストレーニングの筋トレも実施。タデイ・ポガチャルのシッティングアタックは、石畳での攻撃の時にも非常に有効だ。重心が低いので滑るリスクも減らせられる。
初出場のパリ~ルーベでもその成果は出ていた。
I remember the backlash I got when I first said that I think Pogačar has changed his attacking style, trading his explosive bursts for sustained 60- to 90-second efforts without even getting out of the saddle🤫
Such an effective way to get separation🤷🏻♂️
— Inside Out (@InsideOut2912) June 13, 2025
上記はタデイ・ポガチャルがヨナス・ヴィンゲゴーを引き離した場面だけど、この完成されたシッティングアタックは地道な努力の積み重ねだ。
110rpm以上の猛烈な加速を駆使し、圧倒的な効果を発揮した。
ダンシングしないことで、心拍は抑えられ空気抵抗も抑えられている。一つ二つの要因だけで可能になった訳ではない。
さらに暑さに対するヒートトレーニング、1時間当たりの炭水化物の摂取量の増加、クラシックから山岳ステージに向けてトレーニングスケジュールの調整も行っている。
動画の最後で、ジェローン・スワートは経験の浅いサイクリストでも筋力を強化してペダリングを改善することでより大きなパワーが出せるようになると言っている。
この動画はわかりやすく解説されるので、シッティングで速く走りたい人には必見だ。
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