ツール・ド・フランス第8ステージは、またもドラマが巻き起こった。
トーマス・デヘント(Lotto Soudal)と、アレッサンドロ・デマルキ(CCC Team )の二人が逃げているのを集団が追っている時だった。
中継カメラが急に上空からの映像に切り変わった。
ゲラント・トーマスが落車している!
ゴールまで15kmの間で、3人いたチームイネオスのアシストは次々とトーマスの前からいなくなる。
集団は、見え始めた時には、ワウト・プールス一人のみ。なんとか追いついた!
落車の原因
マイケル・ウッズ(EF Education First)が見通しの悪いカーブで、右に滑り出し転倒。
マイケル・ウッズにジャンニ・モスコンがからまって落車。
モスコンの自転車は折れてしまった。
ゲラント・トーマスが凄い! なんと、後輪が浮いた状態からすぐに飛び降りて走って回避!
牛若丸か!
— NP (@pimentanuno) July 13, 2019
トーマスは、左側に走って降りてケガはなく、からまった自転車を見つけて飛び乗った。
チェーンも落ちていたが、すぐに直して走り出した。
ジャンニ・モスコンと、ミハウ・クフィアトコフスキのプッシュを受けて前を行く集団を追い始める。
かなりの距離があり、前を走るディラン・ファンバーレ、ジョナタン・カストロビエホが全開で引いてちぎれていく。
相当なスピードだったのだろう。一人一人がフルガス(全開)で走り続けた。
残るのは、ワウト・プールスだけだ。
集団のちぎれた後方に追いついた頃に、ワウト・プールスも力つきた。最後はトーマス自らが集団前方に追いついた。
トーマスはジュリアン・アラフィリップとティボー・ピノのアタックには反応出来ず、二人のフランス人に対して26秒を失った。
トーマスはサンテティエンヌのフィニッシュエリアをまっすぐ走り、追走中に蓄積された乳酸を飛ばすためにローラーでクールダウン。
彼は、墜落事故で怪我をしていないことを確認したが、追走の後に欲求不満のままにされた。
「大丈夫だったが、それだけでイライラしている。明らかにレースの重要な瞬間だった。
ウッズが落車し、ジャンニ・モスコンと私を転倒させた。ジャンニの自転車に絡まって出発するまで少し時間がかかった」
とトーマスはローラーで足を回しながら言った。
エガン・ベルナルは、クラッシュを避けて集団前方におり、そのまま走っていた。
「チームメイトは素晴らしい仕事をした。登りの最後の段階に追いついて、グループをゆっくりと上に移動していた。20か15番のポジションまで上がった時に、彼らがアタックをかけていた。
イライラしたが、同時に戻ってこれたことは、足が良いことを示している。
不必要な時間を浪費したくない。
落車していなければ、彼らに従うことができたが、それは全く別の話だろう。まだまだたくさんのレースがある」
トーマスはピノとアラフィリップが貴重な時間を得ていることを知っていた。
しかし、追走グループはそれに関して何もすることができないようだった。
「自分から正面にたって皆をけん引したくなかった。Team Sunwebには数があり、他の何人かは乗ろうとしていたが、スピードがまったくなかった。
イライラしていた。 私はケガをしたくなったし、追いつくと思ってそこに座っていただけだった。最悪のことはピノが時間を得たということだ」
と彼は締めくくった。
ジュリアン・アラフィリップはジュリオ・チッコーネからイエロージャージを取り戻した。
ティボー・ピノはトーマスより19秒上回って総合3位まで上昇。ティボー・ビノは明らかに調子が良い。
今後の山岳での脅威は、ティボー・ピノだということが分かってきた。
エガン・ベルナルはチーム指示でとどまった
Warming down after a long day in the saddle, there’s no change overall and @Eganbernal will wear the white jersey again tomorrow #TDF2019 pic.twitter.com/JzjpoyTDtL
— Team INEOS (@TeamINEOS) 2019年7月12日
トーマスとベルナルは、どちらもTeam Inoesバスのローラーでクールダウン。
ベルナルは、チームラジオでクラッシュについて聞いていたが、監督のNicolas Portalによってフロントグループに留まるように言われていた。
「Gがクラッシュして、彼が本当に速いスピードで走っていたと聞いた。
私は彼が戻ってくるだろうと思っていた。Gを待つために必要ならば準備ができていたがチームは何も言わず、フロントグループに留まるように言われた」
とベルナルは語った。
ベルナルはこれまでのところツール・ド・フランスに満足している。
「今日は、これまでで最も困難なステージの1つだった。
一日中私たちはフルガスになってました。すべてのステージで調子が良かったので嬉しく思っている」
と彼は締めくくった。
チームイネオスは、プランBにならなくて一安心しているでしょう。ケガで遅れるとかは面白くないですからね。
コメント