クリス・フルームは、タイムトライアルバイクやグラベルがプロのロードレースにふさわしいかどうか疑問を呈している。
これについて、フルームは最新のYouTube動画で自信の考えを披露。
フルームは、最近起こった2つの出来事、すなわちボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシアナのオフロード山頂フィニッシュをめぐる論争。
そして、エガン・ベルナルが命にかかわるようなタイムトライアルバイクでのクラッシュについて言及している。
タイムトライヤルバイクは禁止?
エガン・ベルナルが、バスに衝突したことについて、トム・ピドコックも、タイムトライアルバイクでのトレーニングの安全性に疑問を呈している。
しかし、フルームはさらに一歩進んで、レースでの使用を禁止するべきだとまで言い出した。
フルームは、自分の勝利の多くがタイムトライヤルによって築かれたものだと認めている。
だが、2019 クリテリウム・デュ・ドーフィネでタイムトライアルコースの偵察を行った際に足と腕を骨折し、キャリアを棒に振った経験もしている。
この時には、鼻をかんだ時に突風が吹いたとツイッターでも再度証言。
タイムトライアルは芸術であり、技術であり、実に微妙なもので、プロサイクリストとして多くのことを知る必要があるものなんだ。
グランツールレースの魅力のひとつは、純粋なクライマーとタイムトライアルができる選手とのバランスだ。
しかし、今朝、TTバイクに乗ってみて、最近の出来事を考えると、TTバイクは、タイムトライアルのために必要な乗り方をしてはいけないということがわかった。
ツール・ド・フランスで1時間のTTがあるとしたら、TTバイクに乗って、そのシミュレーションをしなければならない。
交通量も標識も信号もない、文字通り閉ざされた道路を1時間走れる道がどれだけあるだろうか?
そんな条件は、現実の世界には存在しないんだ。
スキーに乗るとブレーキがないので、座っていなければならず、安全とは言えない。
閉鎖された道路でのレースと、交通量が多く道路を横断する人々のいるオープンロードでは、恐ろしい事故が起こる可能性がある。
Can we talk about time trial bikes? 😬#cycling #timetrial https://t.co/2JI7xU6avi pic.twitter.com/lyW1LEGNWl
— Chris Froome (@chrisfroome) February 12, 2022
さらにフルームは、タイムトライアルバイクはレースだけでなくトレーニングでも禁止されるべきかどうかについても言及している。
安全面だけでなく、機材が成績に与える影響も指摘し、大予算チームと低予算チームの間の不公平の可能性も強調した。
ロードバイクでタイムトライアルを行う方が、より均一化されるのではないだろうか?
そうすれば、研究開発、エアロダイナミクス、風洞での時間、TTの準備のようなプロジェクトにかかる資金などではなく、個々のライダーのスキルが問われ、より公平な競争の場になることは間違いないだろう。
個人的には、UCIがこのスポーツをより安全にするために、バイクで使えるポジションを制限するようなことを導入しているのは非常に皮肉なことだと思う。
バイクポジションは、ハンドルに肘を載せてTTスタイルで走ることを禁止したUCIのことを言ってますね。
ステージレースにグラベルは?
フルームはまた、ロードレースにおけるグラベルセクターの話題にも触れている。これは、レムコ・エヴェネプールも言っていることだ。
さらにマッティオ・トレンティンも。
ツール・ド・フランスでは近年、ラ・プランシュ・デ・ベルズ・フィルやプラトー・ド・グリエールの頂上でグラベルを使用し、2022年には9年ぶり4回目の石畳セクターが導入される予定だ。
このグラベルをロードレースに取り入れることについてもフルームは言及。
グラベルは、レースに興奮を与えてくれるが、同時に大きなリスクでもある。
リーダーだけでなく、周りのチーム、サポートクルー、投資、リソース、すべてを投入して、文字通りすべてを無にすることができるんだ。
石畳のセクターや砂利のセクター、ホイールの接触、ポジション争い、そしてレース全体が終わってしまうんだ。
エキサイティングな面もあるけど、総合の選手にとってリスクとリターンを考えると、本当にサイコロを振っているようなものだよ。
もし、総合の何人かがいなくなったら、とても残念なことだと思うんだ。
ただ、フルームはグラべルを否定はしていない。あくまで、パリ~ルーベやストラーデビアンケのようなクラシックなどは大賛成なのだ。
それに特化したものならば良いけれど、ステージレースに組み込むのはどうなのかと言っている。ロードレースの魅力だけで十分ファンを満足させていると考えているようだ。
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