ツール・ド・フランス第3ステージはカレブ・ユアンのスプリント勝利で幕を下ろした。
今大会初めてと言って良い、純粋なスプリンターによる戦いだった。
その中で、カレブ・ユアンの卓越した戦術は見事の一言。しかも、忍者のような走りで勝利を獲得している。
もうひとつ気になったのは2位となったサム・ベネットの走り。これについて皆さんはどう思いましたか?
第3ステージゴール前スプリントの様子
数少ないスプリンターステージの争い。ラスト1kmからは両側のバリケードのためか道幅も狭くなり危険な香りがプンプンする展開となった。
ラスト1kmのゲートをくぐった時点で、カレブ・ユアンはチームメイトのジャスパー・デブイストに引かれていた。
だが、カレブ・ユアンは一度後方に下がる。強い向かい風があったからだ。
ラスト200mを切ってもカレブ・ユアンの姿は見えない。
カレブ・ユアンとスプリントしたことのある選手が良く使うフレーズに、「ユアンは矢のように飛んできた」という表現がある。
まさに、今回もかなり後ろからジャンプしてきた感じだ。上の画像はすでにゴールまで150mを切っている。
サガンが早掛けして失速する中、サム・ベネットが先頭に出る。カレブ・ユアンは失速したサガンをフェンス際から抜き去る。
サガンは真っすぐ走っており、フェンス際にユアンを追いやったりしない。
サガンを抜き去ったユアンは、先頭のサム・ベネットをまくりにかかる。先頭のサム・ベネットの位置に注目だ。
カレブ・ユアンはサム・ベネットを抜き去ったが、ベネットの位置は端から真ん中まできているのがわかる。
カレブ・ユアンが接触しなかったから良かったものの、落車でもしてたら失格だろう。
ツール・ド・ポローニュ第1ステージでディラン・フルーネウェーヘンがフェンス際にファビォ・ヤコブセンを追いやったことを忘れてはいけない。
スプリントに入ったら、先頭ならば絶対ライン変更してはいけないのだ。
こちらはラスト1kmからの映像。下がっていくユアンも映っている。その後現れるのはラスト200mを切ってからだ。
カレブ・ユアンはこれでツール・ド・フランス通算4勝目。昨年のツールでのスプリント勝利はフロックではないことを証明した。
卓越した戦術と野生的な走りによる位置取り。特に今回はチームメイトのフッリップ・ジルベールにジョン・デゲンコルプの二人のチームメイトを欠いている。
スプリントトレインに守られていた訳ではないのだ。
カレブ・ユアンはグリーンジャージは狙わないと言っているが、残りステージで勝ててポイントが近くなれば考えると言っている。
だが、ゴールのシャンセリゼにたどり着けるのかが問題となるだろう。もし、最終ステージまで残ったら、スプリンターの祭典での勝負が待っている。是非、生き残って欲しい。
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