タデイ・ポガチャルは当初予定されていたブエルタ・ア・エスパーニャへの出場を取りやめた。
これについてUAE Team Emirates – XRGのGMマウロ・ジャネッティがブエルタを回避し、ワンデーレース中心に出場する理由について語っている。
タデイ・ポガチャルであること
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タデイ・ポガチャル自身、燃え尽き症候群について口にしており、すでに引退までの年月を数えている。いつまでも今の状態が続く訳ではないと言っている。
あらためて2025年シーズンのタデイ・ポガチャルのレース成績をみてみてると
- UAEツアー 第3・7ステージ優勝 総合優勝
- ストラーデビアンケ 優勝
- ミラノ~サンレモ 3位
- ロンド・ファン・フラーンデレン 優勝
- パリ~ルーベ 2位
- アムステルゴールドレース 2位
- フレッシュ・ワロンヌ 優勝
- リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ 優勝
- クリテリウム・デュ・ドーフィネ 第1・6・7ステージ優勝 総合優勝
- ツール・ド・フランス 第4・7・12・13ステージ優勝 総合優勝・山岳賞
すでに16勝している。全てがワールドツアーレース。参加した7つのワンデーレースのうち4勝。 モニュメント獲得2回。普通の選手ならばキャリアハイの成績以上だ。というよりも無理な話だ。パリ~ルーベとツールも同じトップで走るというのは信じられないこと。
最も悪い成績がミラノ~サンレモの3位というのが凄い。また、この間も歴史を作り続けている。
ここまでの成績をあげるとブエルタでも簡単に勝つだろうと誰もが思ってしまう。しかし、それは本人にとってどれほどプレッシャーとなるか。
何故、ステージレースをさけてワンデーレースに終盤集中したのかをマウロ・ジャネッティが説明している。
マウロ・ジャネッティのコメント
タデイ・ポガチャルであることは素晴らしいが、簡単ではない。 彼はレース中、大きなプレッシャーを感じている。
誰もが彼に強さ、勝利、そして素晴らしいパフォーマンスを期待している。だから、私たちがそれに対処することが重要となる。彼は単なるレーサーではないのだから。
彼はクラシックレースを全て制覇している。ストラーデ、フランドル、ルーベ、アムステル、リエージュ。これは本当に、本当に大きな挑戦だった。
チーム外の人は、パリ〜ルーベを単なるワンデーレースだと思っているので、その価値をあまり理解していないのかもしれない。
しかし、1週間のステージレースよりもライダーへの影響ははるかに大きく、春のクラシックレースを全て走るのはグランツールを走るよりも過酷だ。
つまり、肉体的にも精神的にも非常に大きな挑戦なので、彼がブエルタに出場することは全く現実的ではなかった。
彼は非常にストレスの多いツールを経験した。特に体力面で非常に過酷なツールだった。乗り換えも多く、タデイという選手にとっては大変なことだった。
彼はとても率直な性格で、毎日注目の的になるのは疲れるほどだった。彼は皆と同じように疲れていたが、ツールに勝利した。笑顔で勝利し、モンマルトルでの最終日にはワウト・ファンアールトと素晴らしいショーを披露した。
彼は集団の真ん中で静かに待つこともできただろう。しかし、彼はレースに加わり、自分自身、タデイ・ポガチャル、そしてツール・ド・フランスとライバルたちに敬意を表したかったのだ。
だからツール・ド・フランス最終日に彼がとった行動、ずっと笑顔だったこと。それが、これまで起こったことすべてに対する答えだったのだ。
人々の期待に応えること。これがタデイ・ポガチャルの思いだ。ただ、フランスファンのために待つことを強いられた第3週は楽しくなかったはず。特にずっと前を引かされた第19ステージに至っては疲れも精神的にもピークだった。
これからもタデイ・ポガチャルであり続けるために、ブエルタ回避は正解だ。カナダで調整し、世界選手権は優勝候補の筆頭としてスタート。
そして、イル・ロンバルディアではファウスト・コッピの通算5勝という記録に挑むことになる。
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