第12ステージは風で始まり、あっという間に逃げグループが出来てしまった。
逃げ切ったのは、サガンがリタイヤしたBORA-hansgroheのニルス・ポリッツ。チームに勝たせたいスプリンターがいなくなると、逃げで勝つしか勝利の道はなくなる。
第13ステージも絶好のスプリンターステージだけど、スプリントで勝ちたいチームが少ないと追うのも大変だ。
30人くらいが逃げに乗ると、数人で対応するのは難しい。
Deceuninck-Quick-Stepはマーク・カヴェンディシュの4勝目を狙いたいだろうけど、他に協力してくれるチームがいないと集団スプリントに持ち込むのは難しいかもしれない。
第13ステージ ニーム~カルカソンヌ 219.9㎞
ニームをスタートして219.9kmと長いステージ。
今日の山岳ボイントは1か所。スプリントポイント1か所。
- 4級山岳 コートデュピクサンリュー 5.5km・3.6%
- スプリントポイント フォント
問題は、200km以上あるステージでDeceuninck-Quick-Stepが逃げをコントロール出来るかだ。スプリンターが活躍出来るのは残り3ステージ。
マーク・カヴェンデッシュはエディ・メルクスの記録に並ぶチャンスが巡ってくるだろうか?
スタート前
Groupama-FDJもアルノー・デマールがリタイヤして残り4人しかいない。昨日シュテファン・キュングが逃げに乗ったけど登りで遅れて4位となっている。今日は誰が逃げる?
Bahrain Victoriousも残り5人しかいない。ソンニ・コルブレッリがスプリントを狙うならばコントロールに入るかな。
ワウト・ファンアールトのスプリントが見たいけどなあ~。Team Jumbo-Vismaも5人しかいないので、ヨナス・ヴィンゲゴーのアシストが大事かな。
全く存在感のない元世界チャンピオンのマッズ・ピーダスン。そろそろ逃げに乗ってアピールして貰いたいところ。
タデイ・ポガチャルは、ブエルタ出場が決定。だが、このツールでも保守的に走ることはないようだ。残りのピレネー山脈で攻撃すると警告している。皆が粉砕されるのかな。
さあ、今日は集団スプリントとなるだろうか。今日勝てばエディ・メルクスのツール通算34勝に並ぶ。ウルフパックのトレインが機能すれば残り150mからスプリントすればOKだ。
第13ステージ スタートでの4賞
- 総合 タデイ・ポガチャル(UAE Team Emirates)
- ポイント賞 マーク・カヴェンディシュ(Deceuninck-Quick-Step)
- 山岳賞 ナイロ・キンタナ(Team Arkéa-Samsic)
- 新人賞 ヨナス・ヴィンゲゴー(UAE Team Emirates)
新人賞は2位のヨナス・ヴィンゲゴーが着用。
レースは3kmのクラッシュルールが4.5kmに変更されている。これにより、マシントラブル、落車などで遅れてもトップと同タイムで計測される。総合勢の順位を守るための無駄な走りも必要なくなる。
リチャル・カラパスは、リアルスタートになる前からバイクを何かいじっている。
アタック合戦25km
リアルスタートとなったけど、ガツンとはアタックはかからず。流石に皆疲れているのかな。
ロットも少ない人数で、何回も先頭に立つけど決まらない。
3人の逃げ
25kmのアタック合戦の末に3人が逃げを決めた。
- 33. Omer Goldstein(オマール・ゴールドシュタイン)Israel Start-Up Nation
- 193. Sean Bennett(ショーン・ベネット)Team Qhubeka NextHash
- 201. Pierre Latour(ピエール・ラトゥール)Team TotalEnergies
先頭には、ウルフパックが前面に出て、誰も出さない体制となる。これで決まりだ。
集団から一人追っている。2分以上離れてしまったが追いつくかな。
218.Georg Zimmermann(ゲオルク・ツィンマーマン)Intermarché-Wanty-Gobert
結局追いつかなかった。
後方はまだ落ち着いてなくて、トレックのジャスパー・ストゥイヴェンが果敢にアタックをかける。そのたびにDeceuninck-Quick-Stepがチェックに入って逃げさせない。
このカルカソンヌに向かうコースは、例年スプリントでは決着がつかない。皆それを知っているので何としても逃げに入りこもうとする。
2018ツールではマグナス・コルトニールセンがカルカソンヌで逃げ切っている。今年はEF Education-Nippoから出場だ。
ここで、タデイ・ポガチャル。ウルフバック、Alpecin-Fenixも前に出てフタをする。なんとしてもスプリントで決着をつけるつもりだ。
タデイ・ポガチャルは明日の山岳に向けてチームを休ませたいのだろう。
4級山岳 コートデュピクサンリュー 5.5km・3.6%
3人はタイム差を4分に広げて、4級山岳に。
Alpecin-Fenixが先頭に牽引メンバーのペトル・ヴァコッチをいれてきた。これはウルフパックにとっては援軍だ。これでコントロールするチームが2つになる。
4級山岳はピエール・ラトゥールがトップ通過。前半戦は総合で6位まで上がっていたのだけど、現在は51位。少しは良い所を見せておかないとね。
スプリントポイント フォント
スプリントポイントの800mも手前から、ショーン・ベネットがアタック!
だが、これはあまりにも早すぎてオマール・ゴールドシュタインに抜かれてしまう。
後続は4位争いの13ポイントを目指してスプリント。
- オマール・ゴールドスタイン 20ポイント
- ジョージ・ベネット 17
- ピエール・ラトゥール 15
- ソンニ・コルブレッリ 13 計151
- マイケル・マシューズ 11 計173
- ミケル・モルコフ 10
- ジャスパー・フィリップセン 9 計151
- マーク・カヴェンデッシュ 8 計229
カブの圧倒的リードは変わらない。
昨日優勝したニルス・ポリッツは、今日はボトル運び。
先頭はペトル・ヴァコッチ。2019年まではウルフパックだったから、昔のチームメイトと集団を引いていることになる。
おっと、フィリップ・ジルベールがアタックだ。
あ~、だがすぐにDeceuninck-Quick-Stepに捕まってしまう。
ここで先頭からオマール・ゴールドスタインがアタック!
先頭交代のタイミングで、ピエール・ラトゥールがアタック!
これに、ショーン・ベネットはついていけない。
メイン集団は逃げようとするライダーの攻撃が止まらない。
あっと、ここで大きな落車だ。
崖下にもライダーが落ちている!
多くのライダーが落車してしまった。手前はワウト・プールスだ。隣はロットのロジャー・クルーゲ。
先頭にいるはずのティム・デクレルクも落車している。サイモン・イェーツは横たわっている!
なんと崖下から、 Team DSMのセーアン・クラーウアナスンが上がってくる。ここでリタイヤしたのは、ロットのロジャー・クルーゲ。ケガの様子はわからない。
メイン集団先頭はワウト・ファンアールトがペースを上げる。
先頭では、オマール・ゴールドスタインがアタック!
ピエール・ラトゥールが追走。
ピエール・ラトゥールは追いつくと、カウンターアタック。しかし、決まらない。後ろにもう集団が迫っている。
落車したサイモン・イエーツもなんとか走っている。だが、後にリタイヤしてしまう。そして、ルーカス・ハミルトンもリタイヤ。Team BikeExchangeは二人も失ってしまった。
アタックをジュリアン・アラフィリップとスイスチャンピオンのシルヴァン・ディリエがつぶしていく。
落車したグループが前を追う。ワウト・プールスにゲラント・トーマスもいる。
逃げていた二人は、残り53kmで捕まる。
残り44.7kmでB&B Hotels p/b KTMのカンタン・パシェがアタック!
これは単独なので集団はスルーか。
ジュリアン・アラフィリップは先頭で逃げが出た場合に備えている。誰も、もう逃がさない体制だ。
マーク・カヴェンデッシュはパンクなのか、バイク交換。集団のペースが上がっていないと良いけど。
Intermarché-Wanty-Gobertのヤン・バークランツがアタック!
あら~、ヤン・バークランツは行ってこいになってしまった。ウルフパックはティム・デクレルクが帰ってこないので、ドリス・デヴェナインスとジュリアン・アラフィリップが先頭を引く。
マーク・カヴェンデッシュは先頭に復帰。
これだけジュリアン・アラフィリップが引くと、ゴール前は引けないかな。
落車から集団に復帰できていないのは、ティム・デクレルク、セーアン・クラーウアナスンの2人。
カンタン・パシェは、1分20秒から50秒まで縮められる。昨年のツールでも逃げに乗って第8ステージ7位。第12ステージ4位。第16ステージ9位と結果を残している。
Team Qhubeka NextHashのカルロス・バルベロとセルジオ・エナオが、仲間同士で絡んでしまう。
ジュリアン・アラフィリップが最後尾まで下がる。あれだけ引いて、アタックに対応していたら限界だろう。
カンタン・バシュが捕まってしまう。残り19kmなので、ここからの逃げは潰される。
ジュリアン・アラフィリップが完全に切れてしまう。これはウルフパックにとっては痛手だ。
イネオスが先頭を固める。ソンニ・コルブレッリも自ら先頭を引いていた。
タデイ・ポガチャルの回りにはUAEのメンバーは見えない。これでいいのか?
シュテファン・キュングがパンク。これは追いつかないだろう。
ワウト・ファンアールトが先頭を引いている。スプリントしないのかな。後方ではリッチー・ポートも切れている。
マーク・カヴェンデッシュは前方にいるが、トレインは作れそうにない。これはピンチだ。
登りを集団は48km/hで上がる。残り8.2kmだ。
AG2R Citroënのオリバー・ナーセンが60km/h近いスピードで引き続ける。
マーク・カヴェンデッシュがようやく、ウルフパックのトレインにジョインした。
マティア・カッタネオが先頭を引く。
ラスト1.5kmでカスバー・アスグリーンが先頭だ。61km/h出ている。
カスバー・アスグリーンの引きが長い。さすがスビードマンだ。
だが、Team DSMにカーブで被られてウルフパックのトレインが崩れる。
先頭はTeam DSMだ。
Team DSMの引きはゴールまで遠くて、一度先頭を譲る。ここでDeceuninck-Quick-Stepのダヴィデ・バッレリーニが先頭に立つ。
ダヴィデ・バッレリーニは、そのままスパート。
ダビィテ・バッレリーニをモビスターのイバン・ガルシアが追う。
ダヴィデ・バッレリーニが失速してきた。
ダヴィデ・バッレリーニが外れたところで、イバン・ガルシアが先頭に立つ。
イバン・ガルシアがスプリントでゴールを狙う。後ろはミケル・モルコフ、そしてマーク・カヴェンデッシュ。ジャスパー・フィリップセンはその後ろだ。
ミケル・モルコフの後ろから、マーク・カヴェンデッシュが伸びる!
ジャスパー・フィリップセンもまくりに入る。
あ~、マーク・カヴェンデッシュが先頭でゴールだ~!
凄いマーク・カヴェンデッシュ。ツール4勝目で、エディ・メルクスツール通算34勝に並んだ~。
なんという強さ。トレインが崩れても人数が減っていても、しっかりと勝ってしまうとは凄い。これで記録更新に大手だ。
明日の山岳ステージを乗り切れば第3週に突入できるだろう。なんとしても、明日のタイムアウトを乗り切る必要がある。
こうなったら、記録更新してパリのシャンセリゼも取ってしまえ!
リザルト
第13ステージ リザルト
Rnk | Rider | Team | UCI | Pnt | Time |
---|---|---|---|---|---|
1 |
CAVENDISH Mark
|
Deceuninck – Quick Step | 25 | 5:04:29 | |
2 |
MØRKØV Michael
|
Deceuninck – Quick Step | ,, | ||
3 |
PHILIPSEN Jasper
|
Alpecin-Fenix | ,, | ||
4 |
GARCÍA CORTINA Iván
|
Movistar Team | ,, | ||
5 |
VAN POPPEL Danny
|
Intermarché – Wanty – Gobert Matériaux | ,, | ||
6 |
ARANBURU Alex
|
Astana – Premier Tech | ,, | ||
7 |
LAPORTE Christophe
|
Cofidis, Solutions Crédits | ,, | ||
8 |
GREIPEL André
|
Israel Start-Up Nation | ,, | ||
9 |
CORT Magnus
|
EF Education – Nippo | ,, | ||
10 |
STUYVEN Jasper
|
Trek – Segafredo | ,, |
強いぜ、マーク・カヴェンデッシュ!
総合
Rnk | Prev | ▼▲ | Rider | Team | UCI | Time |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | – |
POGAČAR Tadej
|
UAE-Team Emirates | 25 | 52:27:12 |
2 | 2 | – |
URÁN Rigoberto
|
EF Education – Nippo | 5:18 | |
3 | 3 | – |
VINGEGAARD Jonas
|
Team Jumbo-Visma | 5:32 | |
4 | 4 | – |
CARAPAZ Richard
|
INEOS Grenadiers | 5:33 | |
5 | 5 | – |
O’CONNOR Ben
|
AG2R Citroën Team | 5:58 | |
6 | 6 | – |
KELDERMAN Wilco
|
BORA – hansgrohe | 6:16 | |
7 | 7 | – |
LUTSENKO Alexey
|
Astana – Premier Tech | 6:30 | |
8 | 8 | – |
MAS Enric
|
Movistar Team | 7:11 | |
9 | 9 | – |
MARTIN Guillaume
|
Cofidis, Solutions Crédits | 9:29 | |
10 | 10 | – |
BILBAO Pello
|
Bahrain – Victorious | 10:28 |
ポイント賞
Rnk | Prev | ▼▲ | Rider | Team | Points |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | – |
CAVENDISH Mark
|
Deceuninck – Quick Step | 279 |
2 | 2 | – |
MATTHEWS Michael
|
Team BikeExchange | 178 |
3 | 3 | – |
PHILIPSEN Jasper
|
Alpecin-Fenix | 171 |
4 | 4 | – |
COLBRELLI Sonny
|
Bahrain – Victorious | 151 |
5 | 5 | – |
ALAPHILIPPE Julian
|
Deceuninck – Quick Step | 131 |
6 | 6 | – |
BOUHANNI Nacer
|
Team Arkéa Samsic | 126 |
7 | 7 | – |
POGAČAR Tadej
|
UAE-Team Emirates | 103 |
8 | 8 | – |
VAN AERT Wout
|
Team Jumbo-Visma | 100 |
9 | 13 | ▲4 |
MØRKØV Michael
|
Deceuninck – Quick Step | 95 |
10 | 9 | ▼1 |
POLITT Nils
|
BORA – hansgrohe | 70 |
計算上は残り2つの平坦ステージでマイケル・マシューズが2連勝しても1ポイント届かない。マーク・カヴェンデッシュのグリーンジャージはパリまでたどり着けば獲得確実だ。
山岳賞
Rnk | Prev | ▼▲ | Rider | Team | Points |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | – |
QUINTANA Nairo
|
Team Arkéa Samsic | 50 |
2 | 2 | – |
VAN AERT Wout
|
Team Jumbo-Visma | 43 |
3 | 3 | – |
WOODS Michael
|
Israel Start-Up Nation | 42 |
4 | 4 | – |
POELS Wout
|
Bahrain – Victorious | 39 |
5 | 5 | – |
MOLLEMA Bauke
|
Trek – Segafredo | 36 |
6 | 6 | – |
ELISSONDE Kenny
|
Trek – Segafredo | 27 |
7 | 7 | – |
POGAČAR Tadej
|
UAE-Team Emirates | 26 |
8 | 8 | – |
O’CONNOR Ben
|
AG2R Citroën Team | 24 |
9 | 9 | – |
HIGUITA Sergio
|
EF Education – Nippo | 22 |
10 | 10 | – |
ALAPHILIPPE Julian
|
Deceuninck – Quick Step | 20 |
ヤングライダー賞
Rnk | Prev | ▼▲ | Rider | Team | Time |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | – |
POGAČAR Tadej
|
UAE-Team Emirates | 52:27:12 |
2 | 2 | – |
VINGEGAARD Jonas
|
Team Jumbo-Visma | 5:32 |
3 | 3 | – |
PARET-PEINTRE Aurélien
|
AG2R Citroën Team | 24:44 |
4 | 4 | – |
GAUDU David
|
Groupama – FDJ | 30:51 |
5 | 5 | – |
HIGUITA Sergio
|
EF Education – Nippo | 54:59 |
6 | 6 | – |
DONOVAN Mark
|
Team DSM | 1:24:38 |
7 | 7 | – |
MADOUAS Valentin
|
Groupama – FDJ | 1:24:57 |
8 | 10 | ▲2 |
RUTSCH Jonas
|
EF Education – Nippo | 1:30:51 |
9 | 8 | ▼1 |
VAN MOER Brent
|
Lotto Soudal | 1:30:59 |
10 | 11 | ▲1 |
POWLESS Neilson
|
EF Education – Nippo | 1:34:53 |
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