ワウト・ファンアールトは、Team Jumbo-Vismaのライダーとして、出場したシクロクロス6レースすべてで勝利を収め、現在、フィールドの頂点に君臨している。
だれも、ワウトを止めることは出来ない状態だ。だが、1月30日のフェイエットビルで開催される世界選手権にも乗るかどうかは未定だ。
ファンアールトが世界選手権を見送り、ロードシーズンに向けて最適な準備をすることもあり得る。
Peter HespelとJan Bourgoisの2人の運動生理学者は、Het Nieuwsbladのインタビューで、これが重大な選択肢である理由を説明している。
スケジュールの問題
KUルーヴェンの運動生理学者であるピーター・ヘスペル(Peter Hespel)は、過去にDeceuninck-Quick-Stepのゼネク・スティバルのトレーナーを務めていた。
ゼネク・スティバルはシクロクロス世界選手権を3度制しているが、シクロクロス世界選手権とロードキャンペーンの準備との間で選択を迫られた。
ピーター・ヘスペルは、そうした選択がいかに難しいかを知っている。しかし、ヘスペルによれば、ワウト・ファンアールトの現状は違うと言う。
ゼネク・スティバルが春のクラシックで成功するとは誰も予想していなかった。そして、彼が「その場しのぎ」で2014世界選手権に出場した時も、誰も彼が世界タイトルを取るとは思っていなかった。
だが、ワウトは違うんだ。
どこに出場しても、勝たなければならない。シクロクロス世界選手権は、ワウト・ファンアールトにとって決して中途半端な大会ではない。
そして、アスリートがあらゆる場所で肉体的にも精神的にもトップになることは不可能なんだ。
準備期間の必要性
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ヘスペルの同僚でヘント大学に勤めるヤン・ブルゴワ(Jan Bourgois)はこう付け加える。
ファンアールトは、春からほぼ6週連続でベストのレベルに到達しなければならない。それは、非常に大きなベースがあってこそ可能なことだ。
それが、ワウトの春を左右することになる。そして、ベースを作るには何キロも走らなければならない。
ファンアールトが現在行っているシクロクロスのプログラム(ほぼ毎日レース)では、そのトレーニング量を達成することは不可能だ。
いずれにせよ、クロスシーズン中は失速していく。今年は、クロスカントリーに特化した準備も少ししてきたようだが、今の彼のレベルでは、それはほとんど不可能だ。
ワウトがシクロクロス世界選手権にターゲットを絞れば取ることは可能だろう。その後、1週間は休養を取ることになる。
特定の競技ブロックの基礎固めに6週間必要となると、2月26日のオンループ・ヘットニュースブラッドには間に合わない。
その点は考慮されたスケジュールにはなっており、昨年同様に3月5日のストラーデビアンケからロードシーズンを開始する。
それならば、シクロ世界選手権も出場しても良いような感じがするけど、どうなんだろう。まあ、これでも6週間と考えるとギリギリのスケジュールとはなりそうだけど。
ワウト・ファンアールトの2022年の目標はツールのグリーンジャージも含まれている。
ロードをメインと考えると、トレーニング量が不足するのは致命的になる。難しい判断となりそうだけど、4度目のワウト・ファンアールトのシクロクロスタイトルは見られるのか微妙なところだ。
マチュー・ファンデルプールの出場も難しそうだ。腫れがある場合、治療方法は難しく、キャリア全体に問題を与えることにもなりかねない。
せめてワウト・ファンアールトには出場して貰いたいところですよね。
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