STRAVAは多くのサイクリストが使っているアプリでトレーニングの記録を残しておくには最適だ。
その中でも、KOMを目指すユーザーには、とても励みになるリーダーボードを提供してくれている。
無料ユーザーには、トップ10の表示しか出来なくなったので、随分と残念な改定とはなっているけれど。
以前は、その日のトップとか、年間トップとかも表示出来ていて面白かったんですけどね。
有料版のサブスクリプションでは、3D視覚効果とか色々と良いアップデートが行われているけど、無料版のユーザーが多いだろうから、記事にはしていない。
それはさておき、STRAVAのKOMを取ることは大変難しくなっていることを皆さんも実感しているはず。
中には、KOMコレクションが減ってきているユーザーの方もおられるだろう。まあ、私は足がないので全然関係ないんですけどね。
STRAVAインフレ
Stravaのリーダーボードは、自己ベストのランキングを提供しており、リーダーボードの上位のライダーがタイムを向上させたり、新しいライダーがリーダーボードに入って下位のライダーを押し出したりすることで、順位が上がっていく。
このメカニズムをStravaインフレと呼んでおこう。
Stravaのトップタイムがどんどん速くなっていくのは驚くことではない。
Stravaのトップスピードがどのくらい速くなっているのか、どのようにしてそのタイムが達成されているのか、トップタイムを出すのがどのくらい難しくなっているのかを調べてみた報告があるのでみてみよう。
アマチュアレースの平均速度が上昇していることを示す事例がある。
これは、より空気力学的に優れたウェア、よりスリムなフレーム、カーボンホイールなどのイノベーションによって拍車がかかっている。
このようなパフォーマンスの向上が平均的なライダーにまで浸透していれば、Stravaのリーダーボードにも反映されるのは当たり前だ。
Stravaの普及を促進する要因として、特定の人が特定の区間を狙ってKOMを取ることに執着することが挙げられる。
そのためには、ドラフティング効果を利用してチームでタイムトライアルに参加したり、区間に戦略的に助っ人を配置したりすることが考えられる。
グループ走をしていたら勝手に自己ベストが出ていたことがあるのは、皆さんも経験しているだろう。
また、天気予報を参考にして、最適な風向きや大気の状態を調べておくことも必要となる。これが静かな交通状況と重なれば、自己ベストの更新も夢ではない。
私も自己ベストを狙う時には、風向きを徹底的に利用してますね。でないと無理だもん(^^;
データからは
上のグラフは、2017年と2019年のロンドンの人気のあるセグメントのトップ1,000人のライダーのスナップショットを撮影したもの。
現在と比較することで、Stravaのベストタイムのインフレについての豊富な情報が得られる。
Stravaのインフレの証拠は、2017年2月に対する2019年4月のリーダーボードの比較で非常に明らかだ。
この区間は54,000人以上のライダーが走っており、KOMの13:51は、起伏のあるサーキットを平均時速46.9km/hで走ったライダーが記録したもの。
また、上位6名のタイムが同じであることから、チームでタイムトライアルを行っていたことがわかる。
ドラフティングで得た利益を考えると、2017年のKOMに6秒しか差をつけられなかったことは、前回のKOMを獲得したライダーのソロ活動をより印象的なものにしているとも言える。
さらに、上位1,000人の平均タイムが35秒短縮されたことで、年間約1.6%のスピードアップが図られていることがわかった。
皆のレベルも上がっているのだ。
更に速く走るには
リーダーボードをさらに分析すると、ほとんどの記録が夏季に達成されていることがわかる。
夏季はジャケットが家に置かれ、サイクリストの体調も良い傾向にある。半そで、半パンの季節だ。
気温が高くなると空気の密度が下がり、寒い冬の日に時速40kmで走るのに必要なパワーが、夏の暑い日には時速41km以上になるということ。
また、日照時間が長くなると、道路の交通量が少ない早朝や夕方に走行する機会も増える。
多くの区間では、最適な風向きを決めるのは簡単で、最も強い追い風を待つだけだ。
Stravaのリーダーボードは、純粋なソロのTT活動をランキングするようには設計されていない。性別、年齢、体重、日付でフィルターをかけることはできるが、チームとソロ、ロードとTTバイク、天候などを区別することは困難だ。
記録は破られるためにあるものなので、トップタイムは常に速くなるものは当然。分析では、2年前と比べて、より速いサイクリストが、より多く存在することがわかった。
だが、多くの人にとって、Stravaの楽しみが少し失われているのではないだろうか?
かつては上位数百人に入る立派なタイムを出すことができたかもしれないが、今は条件が揃わなければならず、少人数のグループでサポートする必要がある。
新しく出来たセグメントでも、あっという間に自動車並みのスピードとなるのは珍しくない。
暖かくなってきたので、風向きが良く、車のいない時間帯を選んでお気に入りの区間でより速いタイムにチャレンジしてみるのも良いかもしれませんね。
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