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UAEの「人工山」が2028年世界選手権を揺るがす?

海外情報
Image credit: chan
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アラブ首長国連邦(UAE)が、巨大な人工山を作っている。このプロジェクトが、2028 世界選手権ロードに決定的な影響を与える可能性があるとして、サイクリング界で大きな議論となっている。

これを最初に提議したサイクリストはSoudal – Quick Stepのティム・メルリエだ。2023年にUAEツアーの平坦コースに変化をつけようとして作られたアル・アスバ(Al Wathba)が年々大きくなっていると。

信じられないことにUAEは人口の山を更に大きくしているのだ。その理由とは?

 

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2028世界選手権狙い?

 

この人口山は、単なるインフラ整備を超え、レース戦略、選手のコンディション、そして国際大会の開催基準にまで影響を及ぼすとして注目されている。

 

まずティム・メルリエが言うには

ボクシングではライト級がヘビー級と対戦することはない。しかし自転車競技のグランツールではそれが起こる。このスポーツの美しさでありながら、ある意味非論理的でもある。

本当に70キロ以下の選手だけが未来を持ち、純粋なスプリンターが消えるようなコースへ向かっているのだろうか?それは残念なことだ。

どの世代のスプリンターにも、世界タイトルを争う真の機会が少なくとも一度は与えられるべきだ。その機会が自分には永遠に来ないのではないかと恐れている。

2028年アブダビ世界選手権は、当初は平坦なコースと想定されていたが、正反対のものになる可能性がある。彼らは、サーキットの隣に人工山を作っているんだ。そして、UAEツアーで毎年その姿が大きくなっている。

 

このプロジェクトは、元々2023年のUAEツアーで設けられた、わずか1.4kmの小規模な人工の登り(最大勾配9%)からスタートした。

しかし、計画は急激に拡大し、現在アブダビのアル・ワスバ地区で建設中の構造物は、以下の特徴を持っている。

  • 現在の規模: 全長約2km、累積標高差92m。最大勾配は約11%
  • 2028年の計画: 最終的には全長約3.8km、平均勾配6.5%、最大勾配13%に迫る本格的な登坂路となる予定

この人工山は、砂漠から採取した化石砂を基礎とし、ジオテキスタイル層と、高温に耐える特殊なアスファルトで構築されている。

これは、平坦な砂漠の真ん中に手作業で造形された地形を作り上げるという、前例のない試みだ。なんのために??

もう、これは2028 世界選手権ロードのためでしかない。まだ、コースは決定していないけれど、この上りが加われば誰が有利になるのかは簡単にわかる。

ただ、自転車選手にはスプリンター、クラシックハンター、クライマー、オールラウンダーと様々なタイプの選手がいる。

ティム・メルリエのいうように人生で一度も世界選手権タイトルを争うことが出来ないのは残念なことだ。スプリンター対決となったのはサガンが勝った2017年にさかのぼる。

2026年のモントリオール、2027年のオートサボアもクライマー有利。これに2028年も人口山が登場するとスプリンターに勝ち目はない。今年の世界選手権のようにパンチャーは参加しないかも。

UAEは、屋内自転車競技場ヴェロドロームや常設サーキットなど、ハディリヤット島でのスポーツインフラ整備も並行して進めている。以下の公式サイトで見られるが、これに人工山まで作ってしまう。

なんとも、コースまでお金で作り上げるとは凄いとしかいいようがない。ただ、UCIもノーとはいえないでしょうね。そうなるとタデイ・ポガチャルが勝ってしまうシナリオが出来上がる。ちょっと面白みはなくなりそうだ。

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