2019 ツール・ド・フランス の終了とともに、ロマン・バルデ(AG2R La Mondiale )は自分の成績に幻滅。
そのままシーズンを終了してしまう。チームのエースとして残りのシーズンを全く走らないという考えられない選択だった。
ロマン・バルデはさいたまクリテリウムのために来日。インタービューに答えているが「10月になるまでやる気がなかった」と答えている。
同じことを繰り返さない
ロマン・バルデは何とか立ち直ったが、7月の失望を消化するまでに2,3週間かかったという。
2016年に2位。2017年に3位とツール・ド・フランスで表彰台を獲得したロマン・バルデ。
2018年には6位となり、今年は復活をかけたシーズンでもあった。だが、結果は表彰台をあきらめ山岳賞狙いに変更。
これまでの彼のキャリアの中ではありえないことだった。
これまで経験したことのないものだった。非常に困難なシーズンであり予想をはるかに下回っていた。それまで、自分の進歩はほぼ線形で、毎年前回より少し良くなっていた。
私はそれまでツール・ド・フランスに常に甘やかされていたので、悪い経験を楽しむほどの余裕はなかった。
これによりバルデはシーズンを早期終了を宣言するという驚くべき決断を下している。
チームが拡大し、ランキングポイントがますます重要になる現在では珍しいこと。彼の心情の深い部分は彼にしかわからない。
疲れと失望を感じたが、士気はそれほど低くなかった。私はこのスポーツを深く愛しており、成功する能力への信頼を失ったことはない。
レースで数字を作りたくはなかった。レースでは競争がある。多くのライダーはシーズンを終えていないかもしれないが、レースで50位でフィニッシュする。そんなことはしたくない。私にとっては、「ストップ」と言うのは論理的だったんだ。
とバルデは説明した。
つまり無様な成績で走りたくはなかったということなんでしょうね。
すでに、失望の時間は長い休養で完結したようだ。
私は新鮮だと感じ、来シーズン攻撃する準備ができている。最初のレースであるツアー・ダウンアンダーのオーストラリアに旅行するのが待ち遠しい。
本当の休憩をとるのは贅沢なこと。通常、3週間か4週間しか休みはない。だが自転車から2か月近く離れていた。
10月の初めに再びライディングを始めたので、仕事をするのに多くの時間を与えられた。トラックでいくつかのライディングをしていて、11月にはシクロクロスをする予定だ。
シクロクロスが大好きで、少し低レベルでやってきたが、今年は「パンチ」が本当に不足していたので、私の「パンチ」を再発見するのに役立つことを願っている。
加速することができず、その方法でレースに勝つことはできない。
そのパンチを取り戻す方法を見つける必要がある。
トラックとシクロクロスに加えて、バルデはマウンテンバイクとトレイルシューズを履いており、冬はクロスカントリースキーも行う予定だ。
今年多くのことを学んだ。
私が描いた主な結論は、サイクリングの進歩を続けるためには、自分自身を改革する方法を知っておく必要があるということ。
毎年同じことを繰り返して物事をさらに進めても、必ずしも改善につながるとは限らない。
とバルデはいう。
同じことばかりしてても進歩はないよということなんでしょう。現状を変えるには何かを変えないといけない。毎年同じスケジュールで動いていてはいけないと気付いたんでしょう。
2020年の目標と野心
バルデのコメントからは、2020年の彼の計画では何かを変えたいと思っていることを表している。
バルデは、ジロ・デ・イタリアにデビューしたいという願望を常にもっている。だが、彼はフランス人でありフランスのチームのエースだ。ジロだけに集中することは出来ない。
発表された二つのグランツールのルートは、簡単な決定を下すことは出来ないだろう。
ツール・ド・フランスのルートはロマン・バルデのような攻撃的で本能的なライダーに適した3週間となるはずだ。さらにタイムトライヤルも山頂フニッシュの36kmだけ。
だが、逆にジロ・デ・イタリアのコースでは3回のタイムトライヤルがあり合計58.8kmになる。
だが、バルデはジロのコースについてこう語る。
確かに多くのタイムトライアルあるが、私にとっては問題ではない。今年のジロもたくさんあった。だが、タイムトライアルが得意でないカラパスが優勝した。実際、ジロはツールよりもはるかにオープンだ。
今年はあなたのためのツール・ド・フランスのルートです、と聞いてきたのは3,4年前だ。いつもそうとは限らないからね。
と彼は主張する。
ワンデイレースにも意欲を燃やす
ロマン・バルデの目標はグランドツアーだけではない。ワンデイレースも来年は目指しているという。
ツール・ド・フランスがパリに到着してから6日後の7月25日に東京で開催されるオリンピックロードレースのコースをロマン・バルデはクリス・フルームと一緒に見ている。
9月下旬のスイスでの世界選手権は、同様に丘陵の多いコースを特徴とする。
個人的には、オリンピックと世界選手権に出場したいと思っている。ワンデイレースに対して私は情熱を持っているので、これらは私にとって大きな動機となる。
今でもグランドツアーに非常に意欲的で、来年も2回乗りたいと思っている。クラシックよりもグランドツアーの準備がはるかに難しいが、バランスの取れたカレンダーは両方の面で良い。
ロマン・バルデがツールをスキツプする可能性は低いので、ジロとツールを走ってオリンピック参加となるか、ツールとブエルタを走ってから世界選手権のどちらかになるだろう。
2020年のシーズンはとても厳しい。それは私のシーズンを早く終わらせることのメリットでもある。すでに新鮮に感じているので、本当に大きな2020年シーズンを迎えることができる。
とバルデは語っている。
まずは、2020年1月のツアー・ダウンアンダーでのロマン・バルデの走りに期待してみよう。
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