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2022 ツール・ド・フランスをヨナス・ヴィンゲゴーが制覇できた3つのポイントとは

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Stefan SchweihoferによるPixabayからの画像
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2022年のツール・ド・フランスはJumbo-Vismaのヨナス・ヴィンゲゴーが獲得。

史上3番目に早いツールであり、これほど総合で差がつくのも珍しい。

これは山岳でゴール前だけの勝負ではなく、途中からタデイ・ポガチャルが激しく攻撃したことも関係している。見ている側にはとても面白いツールだった。

ヨナス・ヴィンゲゴーは、無敵と思われたタデイ・ポガチャルを打ち負かした。マイヨジョーヌを獲得できたポイントを上げてみよう。

 

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オタカムでの戦い

 

勝負を決定づけたのは第11ステージ。

テレグラフ峠では、Jumbo-Vismaが総攻撃をかけた。そして、プリモッシュ・ログリッチとヨナス・ヴィンゲゴーによる交互のアタック攻撃。

詳しくは以下で。

 

アタックの掛け合いで、プリモッシュ・ログリッチはついに切れてしまう。噂によると落車により椎骨が骨折しているとの情報もあるがヨナス・ヴィンゲゴーのために粉骨砕身働いた。

その後だ。オタカムでは、下りで追いついたプリモッシュ・ログリッチがアタックをかけて散っていく。

だが、ヨナス・ヴィンゲゴーのラスト4.6kmからの渾身のアタックにタデイ・ポガチャルはついていけない。あきらかに、ハンガーノックとエネルギーの使い過ぎだ。

エネルギーには限りがあるが、タデイ・ポガチャルは第5ステージの石畳でも攻撃している。ステージ勝利も獲得しているが、ツールは長丁場だ。

ここぞという時に、力を残していないと勝負所で遅れてしまうことになる。1回のチャンスを見事に生かしたヨナス・ヴィンゲゴーは素晴らしい。

当然、プリモッシュ・ログリッチ、チーム全体のバックアップがあったからこそではある。

 

UAE Team Emiratesの誤算

 

UAE Team Emiratesの大きな誤算はコロナによるメンバーの脱落だ。

1.タデイ・ポガチャル
2.ジョージ・ベネット  第10ステージ DNS コロナ
3.ミッケル・ビョーグ
4.ヴェガールステイク・ラエンゲン  第8ステージ DNS コロナ
5.ラファウ・マイカ    第17ステージ DNS 筋肉損傷
6.ブランドン・マクナリティ
7.マルク・ソレル    第16ステージ OTL 胃腸
8.マルク・ヒルシ

 

4人がコロナでリタイヤ。さらに、ツール・ド・スイスでコロナ陽性となったマッテオ・トレンティンの代わりで参戦したマルク・ヒルシもツール・ド・スイスでコロナ感染。

一応、陰性となりツールに出場したが、全く活躍することはできなかった。マルク・ヒルシは100位以内でゴールしたのは3回のみ。これでは働くことが出来ない。

ラファウ・マイカはマシントラブルで筋肉を損傷。逆転を目指すステージを前にリタイヤしてしまう。これも痛かった。

それでも、TTスペシャリストのミッケル・ビョーグとブランドン・マクナリティは第17ステージで渾身の引きを見せる。

特に、ブランドン・マクナリティはゴールまでタデイ・ポガチャルとヨナス・ヴィンゲゴーを引いた。

 

しかし、その反動は大きく、第18ステージではタデイ・ポガチャルがアタックをかけて以降は、アシストなしで一人で戦わなければならなかった。

ツールという長丁場では、一人では絶対に勝てない。もし、メンバーが揃っていれば作戦の立て方もかわっていただろう。

Jumbo-Vismaのように、前待ちすることも可能だ。UAE Team Emiratesにとって、メンバーのリタイヤは大きなマイナス要因だった。

 

ワウト・ファンアールトの存在

 

第11ステージで、ヨナス・ヴィンゲゴーのアタックを成功させたのは、プリモッシュ・ログリッチとの交互のアタックによる攻撃が要因だった。

そして、第18ステージではなんと言ってもワウト・ファンアールトの驚異的な走りがあげられる。

オタカムまでのステージでの彼の走りは、前代未聞のものだ。

ファーストアタックから攻撃。逃げに入るまでも攻撃を止めない。オタカムに向かうスパンデル峠では、一人で逃げ集団を3人まで絞ってしまう。

そして、最後の上りのオタカムで追いつかれる。ツールの2強に抜かれたら、100回中99回は数十メートルでアタッカーが離さざるを得ない。

しかし、ワウト・ファンアールトは、ヨナス・ヴィンゲゴーとポガチャルのペースを作り、2度のツール優勝者を落とす加速をするのである。こんなの見たことない!

ワウト・ファンアールトには限界がないのかと思うほどだ。だが、ワウトがアシストとしてチームに貢献しているからこそ、いざという時にリザーブになれる。

毎日は出来なくても、必要な時にベストな走りを作り出すことが出来るのだ。

プリモッシュ・ログリッチ、ステファン・クライスヴァイクがいなくても、スプリントからTT、山岳でのアシストも出来るワウトの存在があったからこそ、Jumbo-Vismaの勝利もあったといえるだろう。

タデイ・ポガチャルが遅れたのもエネルギーの使い過ぎ、アシストの不在、疲れの蓄積があったと言える。

それを作り出したのは、タデイ・ポガチャルの攻撃的スタイルもあるけれど、Jumbo-Vismaのチーム力の高さもあった。

ヨナス・ヴィンゲゴーは、チーム、UAE Team Emiratesのアシスト不在などの要因もあり、マイヨジョーヌを獲得した。

だが、マイヨジョーヌを獲得してからのヨナス・ヴィンゲゴーは、大人だった。一度も弱みを見せることなく、最後まで冷静に走り続けた。これも強力なチームがあればこそだ。

ヨナスとタディの登坂力は互角と言って良い。この場合、他の要因、作戦、ミスで決着がつくのは間違いない。

ヨナス・ヴィンゲゴーは、強さに加えてプラスの要因を味方につけて勝利をたぐり寄せた。素晴らしいツール初制覇だ。

 

 

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