パロワーズ・ベルギー・ツアー第3ステージで、最後まで逃げを引っ張り続けたBEAT Cyclingのヤン・ウィレム・ファン・チップ (VAN SCHIP Jan-Willem)。
彼の使用するハンドルは、Speeco Aero Breakaway Barの超エアロポジションのとれる革新的なハンドルだった。
このハンドルは、昨年の冬にチームとSPEECOの研究者と共に、空気力学に焦点を当てたハンドルとして発表。
第3ステージが始まる前に、現場のUCIコミッショナーとハンドルの使用許可について話し合いをして、OKを貰っていた。
だが、レースが終わると一転して、ヤン・ウィレムは失格となってしまう。ヤン・ウィレムは敢闘賞まで貰ったのに、悪夢のような結果となってしまった。
Speeco Aero Breakaway Bar
😍 Aero. Breakaway. Bar.
We gaan historie schrijven. pic.twitter.com/wdHldyBnEV
— BEAT Cycling (@beatcyclingclub) June 11, 2021
Speeco Aero Breakaway Barは、70mmのステムと長いリーチ。このリーチ部分に腕を乗せて無理なくエアロポジションが取れるハンドルだ。
前からみると、手の位置はTTボジションのように狭くなっている。
しっかりと、ブレーキは握っており、UCIが禁止するハンドルバーに腕を乗せて見えないTTバーポジションとなっている訳ではない。
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— BEAT Cycling (@beatcyclingclub) June 11, 2021
リーチに腕を乗せた場合が危ないということか? 上の動画を良くみるとブレーキは握ってない。これがいけない?
Speeco Aero Breakaway Barハンドルの発売以来、UCIとは話あっており、このハンドルバーがUCIから許可されないとは通知されていない。
第3ステージの開始前にも、現場のUCIコミッショナーとこのハンドルバーで乗ることを確認もしている。
UCI規則のセクション2.2.025は、次のようになっている。
タイムトライアルを除いて、ハンドルバーのサポートポイントとして前腕を使用することは禁止されている。
今回の場合には、前腕がハンドルのリーチの上に乗っていることがルールに抵触したと考えられる。
ならば、レースで使用する前に禁止を通知しておくべきだっただろう。
ヤン・ウィレムがSpeeco Aero Breakaway Barハンドルをレースで使用するのは、これが初めてのこと。
これまでは、ハンドル幅の狭いフレアハンドルを使用していた。
これまではフレアハンドル使用
2018年Roompot – Charlesのプロチームで乗っていた時の写真。スヘルデプライスで逃げの時に撮影されている。
ハンドルは上部が300mmで、下部が380mm。もの凄く極端な例だ。日本の日東のランドヌールモデルを使用している。
ヤン・ウィレムはトラック出身選手で身長は194cmもあるがテクニックがあるので乗れる。
最近は、多くのプロ選手がフレアハンドルでブレーキバーを内側に傾けて、少しでもエアロポジションに近くなるようにセッティングして乗っている。
レムコ・エヴェネプール、ヴィクトール・カンペナールなどもフレアにして、逃げを有利に行えるようにしている。
UCIは、今度はブレーキバーの位置まで言い出すことがなければ良いのだけど。もう、このSpeeco Aero Breakaway Barハンドルがレースで見られることがないのは、とても残念。
会社は大損害だと思うけど。
BEAT Cyclingは反論
BEAT Cyclingは公式サイトで、今回のハンドルバーの詳細について述べている。
リーチは長いが、ステムは70mmでハンドルレバーの位置は変わらないと。上記の写真でも隣のバイクと比べて少し長い程度に見えるくらいか。
視界が妨げられることもなく、ブレーキレバーを握るので安全性にも問題はないと。
もう少し、議論をしようではないかと問題提起している。
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