33歳になったTeam Arkéa Samsicのナセル・ブアニは、プロライダーとしての活動に終止符を打つことになった。
このフランス人スプリント爆弾は、昨年のツアー・オブ・ターキーで大転倒した後、以前のレベルを取り戻すことはなかった。ブエルタで3勝、ジロで3勝。
ツールのステージを刻むことを夢見てきたフランス人選手。
しかし、2年前のフージェールでマーク・カヴェンディッシュに次ぐ2位フィニッシュを果たしたナセル・ブアニに、その夢が近づくことはなかった。
キャリアに終止符
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ナセル・ブアニは、ツール・ド・フランスとは縁がなかった。
2013年には病気でリタイヤ。2014年にはジロで4勝をあげ、ポイント賞を獲得したのにアルノー・デマールがツールに出場。
彼は、翌年FDJ.frからCofidisに移籍するが、2015年はフランス選手権とオープニング週のケガのためにリタイヤ。
2016年には、ホテルのゲストとケンカして不出場。まあフランスでも道路上のマイク・タイソンと言われるほどの人ですからね。実際、プロボクサーのライセンスも持ってるし。
2017年は出場できたがツールドヨークシャーでの落車が響いてベストではなくトップ10フニッシュで終わってしまう。
2018年と2019年には、Cofidisのツール選考から外されていた。GMのセドリック・ヴァスールとそりが合わなかったためだ。
Cofidisは、ブアニの代わりにクリストフ・ラポルトがエースとして出場。だが、彼がツールで勝てたかといえば、トップ10にも入れず第8ステージでリタイヤという結果。
ブアニとしては納得のいかない不出場だったはずだ。
とにかく、ツール・ド・フランスをベストな状態で走れたことはない。ブアニにとってツール出場でベストな走りを見せることは悲願でもあったのだ。
復活を期していたが、昨年のツアー・オブ・ターキーで、道路を横切る歩行者と衝突したことが、ナセル・ブアニのキャリアの終わりを告げた。
不運なスプリント爆弾は頸椎を骨折し、数ヶ月のリハビリを余儀なくされた。だが、今シーズンも、ナセル・ブアニは次から次へと怪我に見舞われている。
シーズンイン前の、スペインキャンプで落車。
1月末のチャレンジ・マヨルカでは転倒で頭部を負傷。
さらに4月上旬と5月上旬には、2度もアスファルトに激突した。
さらに、アルノー・デマールの加入により、Team Arkéa Samsicにナセル・ブアニの居場所はなくなり、数ヶ月の熟考の末、自転車競技からの引退を決意している。
ナセル・ブアニのInstagramのコメント
親愛なる友人、家族、サポーターの皆さん、私は27年間の自転車競技生活を終えて引退することを発表します。この決断については、数ヶ月前から考えていた。6歳で始めたサイクリングは、あっという間に大きな情熱となった。
70勝🏆、最高、最低、美しい出会い、そうでない出会い、喜び、失望、でも私は最高のものだけを残す。
昨年、首の骨を折る大事故に見舞われ、長いリハビリを余儀なくされた後、私は以前の面影を失っていた。私はベストの状態に戻ろうと心身ともに闘ったが、無駄だった。
人生はそうでないと決めたのだ。皆さんの愛とサポートに心から感謝しています。これからエキサイティングなプロジェクトが控えています🎥
引退したら、プロボクサーになると言っていたナセル・ブアニ。ただ、首を骨折したので、その道も難しいかもしれない。キャリア70勝の記録を残して、ナセル・ブアニは終止符を打つ。
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