ヨナス・ヴィンゲゴーが、プロ入りする前に、魚市場で過酷な労働とロードトレーニングを組み合わせていたことは良く知られている。
その身体能力だけど、最大酸素摂取量はサイクリング史上2番目に高い97だと言われている。
史上最高の値、97.5を記録していたノルウェーのオスカル・スヴェンセンは、2014年に20歳で引退を決意している。Vo2maxだけが全てを決める訳でもない。
だが、ヨナス・ヴィンゲゴーは、その身体能力の高さで、2023ツールで有名な山岳の登坂記録を塗り替える走りを見せている。
進化の途中か
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今年のツールのスピードは過去3番目に速いものだった。山岳の多さを考えると凄いスピードだ。そして、高速化は避けて通れない流れとなっている。
- 2022 | 42.026 km/h
- 2005 | 41.654
- 2023 | 41.427
- 2021 | 41.160
- 2017 | 40.995
- 2003 | 40.940
- 2006 | 40.784
- 2014 | 40.662
- 2019 | 40.575
- 2004 | 40.553
- 2013 | 40.542
- 2008 | 40.492
- 2009 | 40.315
- 1999 | 40.276
- 2018 | 40.206
- 2001 | 40.070
この頂点に君臨したのがヨナス・ヴィンゲゴーだ。
さらに、ヨナス・ヴィンゲゴーは、ツール・ド・フランスの神話的な登りの記録を、4つも打ち破っている。
山岳ポイント | これまでの記録 | 新記録 |
---|---|---|
ロズ峠 (11.2 km) | ミゲルアンヘル・ロペス (2020) 33:55 |
ヨナス・ヴィンゲゴー (2023) 33:01 |
モンブラン (7 km) | クリス・フルーム (2015) 19:09 |
ヨナス・ヴィンゲゴー |
ツェルマット (16.8 km) | トミー・ロミンゲル、 ゼノン・ヤスクワ (1993) 45:50 |
ヨナス・ヴィンゲゴー タディ・ポガチャル (2023) 45:37 |
マリーブランク (7.9 km) | プリモッシュ・ログリッチ、 タディ・ポガチャル (2020) 22:27 |
ヨナス・ヴィンゲゴー (2023) 20:58 |
ピュイ・ド・ドーム (4km) | ペドロ・デルガド (1988) 15:21 |
タディ・ポガチャル (2023)14:21 |
ヨナス・ヴィンゲゴーと並んで、記録を作っているのがタデイ・ポガチャル。この二人は突出しており、来シーズン以降も記録を更新していくことは容易に想像がつく。
機材の進化、トレーニング方法など、過去と比べるのも難しいかもしれない。だが、二人の天才が、これからも我々を楽しませてくれるのは間違いない。
コメント
ロゼ峠のヴィンゲゴーは撮影車トラブルがあってもこのタイムだから、何事もなければ32分代前半もあり得たんですよね・・・
個人的には第16ステージのドマンシー峠の登り、TTバイクなのに2番目に速かったのも意味が分かりません。
ヨナス・ヴィンゲゴーのタイムは驚嘆するしかないですね。確かに、個人タイムトライヤルでTTバイクのまま乗っても速い。
全ては、タイム短縮のためでしょうけど、最もクライミング能力があるライダーと言えるでしょうね。