バーレーン・メリダは、ツール・ド・フランスで不可解なリタイヤをしたローハン・デニスを契約解除した。
10月1日でバーレーン・メリダのGMとなったロッド・エリングワースはローハン・デニスの契約は継続したいと考えていたことを明らかにした。
来シーズンからのチームの戦いにかかせないと考えられていたローハン・デニスの解雇は、エリングワースの計画に大きな狂いを生じさせることになってしまう。
バーレーン・メリダの誤算
🤗 Our Aussie riders @RohanDennis and Heinrich #Haussler received visit of their families at the start of today’s stage. pic.twitter.com/s8mXULZRZa
— Team Bahrain Merida (@Bahrain_Merida) January 19, 2019
ローハン・デニスは、7月のツール・ド・フランスで装備を取り巻く問題に不満を抱き、レースの途中でリタイヤした。
その後レースに参加することはなかったが、2019世界TTのタイトルを獲得。エリートロードもオーストラリア代表で出場した。
ロット・エリングワースは4月にチームイネオスから離れ、休暇を取ったあとに10月1日から正式にバーレーン・メリダのGMとして着任した。
ロット・エリングワースは、チームスカイ時代からコーチとして世界一のチームを作り上げた立役者だ。
ローハン・デニスの解雇の日は9月13日。エリングワースがチームに来る前に決定していた。
「私はローハン・デニスに留まってほしかった。彼は間違いなく私の長期計画の一部であり、彼が解雇されたことには失望した」
と英国の新聞に語っている。
ロット・エリングワースの構想は、移籍したヴィンチェンツォ・ニバリの代わりにミケル・ランダをツール・ド・フランスのエースとすること。
チームイネオスで言えば、ミハウ・クフィアトコフスキなどのタイムトライヤルも強く山岳も強いアシストの存在。
ユンボ・ヴィズマでいえば、世界TTを3回獲得しているトニー・マルティンのように一人で3人分の平坦を引きまくるような存在だ。
ローハン・デニスは、タイムトライヤルの能力だけでなく、山岳でもエガン・ベルナルにくいつくほどの登坂力も持ち合わせている。
ツール・ド・スイスでは総合2位。
今年の世界TTのコースも決して平坦ばかりでなかった。それでも2位のレムコに1分以上の大差をつけて圧勝するのだから、計り知れない力を秘めている。
平坦も引けて、山岳でもアシスト出来るオールラウンドに強いローハン・デニスを失ったことはロット・エリングワースにとっては痛恨だっただろう。
ミケル・ランダをアシスト出来る強力なライダーを一人失ってしまったのだから。
ロット・エリングワースの構想によると、チームイネオスから移籍したワウト・プールスは1週間のステージレースのエースとして起用される。
来年から、マクラーレンのスポンサーをうけるバーレーン・メリダ。
チームに近い情報筋の1人は、F1レベルの分析をサイクリングに適用する計画があり、チームとして
「IneosのDarth Vaderに対するHan Solo」
という野望があると述べた。
このロット・エリングワースの野望の一コマであったローハン・デニスを失ったチームの損失は計り知れない。
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