白い道での戦い、ストラーデビアンケはマチュー・ファンデルプールの力強い2度のアタックが決まり独走勝利を見せてくれた。
印象に残ったのはマチューの力強さだけではない。イネオスの二人の若者の戦いにも目を見張るものがあった。
一人は、ツール・ド・フランス覇者のエガン・ベルナル。復帰にかける今シーズンだが、ツール・ド・ラ・プロヴァンスでは総合3位。トロフェオ・ライグエーリアでは2位に入る活躍をみせる。
そして、初出場となったストラーデビアンケでは3位。この結果には本人も驚いたが、誰も想像していなかったのではないだろうか?
攻撃をしかけるベルナル、そしてトム・ピドコックもエースナンバーをつけての5位は素晴らしい走りだったと言える。
タデイ・ポガチャルにも先着
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ベルナルはこのレースで最も強力なライダーの1人だった。ツール・ド・フランスの元優勝者は、残り24kmでマチュー・ファンデルプールが初めてアタックしたときに、後輪を追いかけて追いつくことができた2人のうちの1人だった。
ディフェンディングチャンピオンのワウト・ファンアールト(Jumbo-Visma)と追撃グループを寄せ付けないように、3人はフロントで交代していたが、フィニッシュまでの短い上り坂では、マチューの強さとアグレッシブさには勝てないことが明らかになっていた。
ベルナルにとって、この結果は彼のキャリアの中で重要な瞬間であり、少なくとも2021年のシーズンは、怪我のないシーズンとツール・ド・フランスへの挑戦に向けての出発点でもあった。
私はワンデイレースのスペシャリストではないので、マチューやジュリアンと一緒に表彰台に上がれたことは私にとって大きな名誉だ。本当に驚いているし、次の目標に向けてモチベーションが上がっている。
僕は良いライディングをしている。この2人と一緒に表彰台を獲得できたことは、僕にとって名誉なことであり、それに満足しなければならない。
クラシックスペシャリストではないので、彼らに勝つことは難しい。この表彰台を楽しんで、次の大きな目標に向かっていきたいと思う。
ダートロードの最終セクターを乗り越えて、自分のカードを出したかった。でも、自分の脚に何が残っていたかが全てだった。今日は強いライダーが勝った。
マチューや世界チャンピオンと並んでいたので、表彰台に上がれたことに満足している。
とベルナルはシエナでのフィニッシュ後に語った。
ただ、忘れてはいけないのは後塵には昨年のツール覇者タデイ・ポガチャルもいる。将来的にライバルとなる彼に先着したのは凄いことだ。
ポガチャルは昨年もこのコースを走っており経験がある。しかし、ベルナルは初出場だ。しかも、ダートや石畳を走るベルナルはあまり見たことはない。
ジロのためのダートの経験という感じでの出場だったのだが、レースを楽しむという原点に返ることが出来、自信も持てたのではないだろうか。
現時点では、身体の痛みは走りに関しては感じられない。強いベルナルの復活と言ってもよいだろう。
トム・ピドコックはパンクからの復帰
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チームの中ではベルナルだけでなく、トム・ピドコックも5位でゴールしている。
3人を追う、第2集団にピドコックがいたことはベルナルが逃げ切れたことにも大きく関係している。前を追うワウト・ファンアールトにとっては厄介な存在だっただろう。
トム・ピドコックは集団のペースが上がる前にパンクしており、サルバトーレ・ブッチョにホイールを借りて無事に集団に復帰している。
シクロクロスの1時間のレースでは命とりだが、ロードはチーム戦だ。
とても楽しかった。ハードな一日だった。
パンクしてしまったが、それを挽回することができて、とても良かった。イーガンは表彰台を獲得した。優勝を目指していたが、自分の走りには満足している。
一緒に走るライダーたちが世界の6大ライダーで、僕もそこにいたというのは、それはとてもクールだった。
ただ、これ以上速く走れる脚力がなかった。文句は言えない。あと数レースとマイルを走れば、すぐに行けるだろう。
ピドコックもレースを重ねるにつれて評価を上げている。
ワールドツアーレースでこの5位という成績は素晴らしい。最後のカンポ広場に至るサンタカテリーナ通りの石畳の16%勾配の登りでは、ツール覇者のタデイ・ポガチャルも捉えている。
21歳の英国の若者が今シーズン勝利を上げても、もう驚くことはないだろう。
シクロクロスで才能を示し、マウンテンバイクでオリンピックを狙い、プロロードでも勝利をあげる日は遠くない。
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